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友山副社長が読み解く『トヨタ物語』(前編)

“後ろから”読んで感じた「責任」とは

2018年5月21日(月)

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 トヨタ自動車副社長の友山茂樹氏は新刊『トヨタ物語』を「後ろから読んでみた」。そこから見えてきたものとは。友山氏の発見と「この先」について『トヨタ物語』著者の野地秩嘉氏が聞く。その前編。

■重版出来!『トヨタ物語
 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊

トヨタ生産方式の「厚み」

友山:『トヨタ物語』はノウハウ本でもないし、ましてやトヨタの歴史本でもないと思う。僕が行間から読み取ったものはトヨタがいちばん大切にしている、トヨタの魂みたいなものでした。

 当たり前だけれど、本は最初のページから読みますよね。でも、この本を2度目に読む時は後ろから読んでみたんです。そうしたら、まったく違う感想を持ちました。

 トヨタ生産方式の指導ですけれど、(林)南八さんが僕にやった指導は、実は南八さん自身が鈴村(喜久男)さんからやられていたことだった。それはとても厳しい「指導」という意味ですけれど。そして、鈴村さんは大野(耐一)さんからやられて、大野さんは(豊田)喜一郎社長からやられている…。

 指導は脈々とつながっている。でも、あの当時、ほんとに厳しかったから、あんまりいい記憶じゃなくて、つらい記憶なんですよ。この本のなかに、「僕と南八さんが組めば最高のTPS(トヨタ生産方式)の指導チームができる」なんて書いてあったけれど、「お願いだから勘弁してくれ」(笑)。

野地:すみません。でも、いいチームですよ、おふたりは。

友山:いえ、勘弁してください。

友山茂樹(ともやま・しげき)
トヨタ自動車副社長

1958年、埼玉県生まれ。81年、群馬大学機械工学科卒業後、トヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)入社。生産技術部、生産調査部でトヨタ生産方式の普及に取り組む。2010年、常務役員を経て18年より現職。現在、事業開発本部本部長、情報システム本部本部長、コネクティッドカンパニー President、Chief Information Security Officer、GAZOO Racing Company President、TPS本部本部長などを兼務(写真:おおさきこーへい、以下同)

 話を戻すと、これを読むと、トヨタが創業時から命を燃やして、次の人に伝えてきたものが確かに書いてある。僕が教わったことは南八さんだけの教えではなく、喜一郎さんから渡されたものなんです。80年間の蓄積だから、一番最初に習った人と僕ではおそらく厚みが違う。となると、自分はもっとがんばらなきゃいけない。次の人にはおそらく100年分の指導をしなければいけない。トヨタ生産方式を伝えていくというのは大変なことなんです。でも、絶対にやらなければいけない。ただ、一朝一夕ではなかなかできません。

野地:わたしはトヨタ生産方式はイノベーションだと思います。技術革新と混同してはいけない。たとえば、コンビニのレジにAIとロボットを入れることは技術革新です。これで生産性を上げていく。一方、アマゾン・ゴーみたいな「レジは要らない」と考えて実行することはイノベーション。イノベーションと技術革新は別です。

 トヨタ生産方式が現れるまでは世界中の工場がフォード式大量生産をやっていた。流れ生産だけれど、在庫と部品を大量に持って、完成した製品をどんどん倉庫に入れていた。

 しかし、今、世界にそんなことをやっている工場はありません。実行の仕方に千差万別はありますけれど、「ジャスト・イン・タイム」に生産しようとしている。在庫と倉庫を少なくしようとしている。それは豊田喜一郎が気づいた考えなのだけれど、誰も知らない事実でした。

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「友山副社長が読み解く『トヨタ物語』(前編)」の著者

野地 秩嘉

野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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