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林野宏氏が読み解く『トヨタ物語』(後編)

「第二次産業に第三次産業を組み入れた」凄みこそ嚆矢

2018年5月16日(水)

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6人制か、9人制か

林野:ところが、日本ではそういうことの大切さをしっかり教えないでしょう。社会で、世界で生きていくのに必要なこと、例えば政治とか宗教とかおカネのことをちゃんと教えずに、カリキュラム通りに教えられたことを正しく答えられるかをテストして成績を決める。でも、それは暗記力でしかない。

 大野さんは「考えろ」と言い続けた。答えを教えてそれを覚えろ、なんて決して言わなかった。それは育てる側にとっても大変なことですが、それをやり通した。そしてその先にトヨタの強さがあるとすれば、「考える人」を育てることの大切さがよく分かりますよね。

 大野さんのエピソードで面白いと思ったのは、バレーボールの話だな。

「6人制と9人制で試合をしたら、6人制の方が勝つんじゃないか」。226ページですね。

林野:決して厳しいばかりの人ではなく、柔軟な発想の持ち主だったことがわかる。

 その大野さんを尊敬し、マイヒーローと呼んだゴールドラットさんの言葉も印象的だった。231ページで「『やれる』ようになった人でも、それを他の人に『やれるように教える』ことは本当に難しいことだ」と。そして、靴ひもを結べる人でも、その結び方を口で説明するのは難しいという例を挙げている。

 我々も人材育成に力を入れるなかで、「講師」をまかせるということをよくやります。自分でわかったつもりでも、いざそれを他の人にわかるように伝えるのは、とても難しいこと。しかし、そのために、改めて勉強したり、物事を整理してみたりすることが、自分の成長につながる。教える側に立ってみると、それが実感できる。ずっと教わる側にいたら、やっぱり受け身のままです。

 自ら成長すること、そして人を育てることは、本当に一筋縄ではいきませんが、地道に続けるしかない。

 401ページにアインシュタインの言葉がありました。

「同じことを何度も繰り返して、そこから違う結果が出てくるのを期待するのは狂気だ」

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「林野宏氏が読み解く『トヨタ物語』(後編)」の著者

野地 秩嘉

野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官