• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

トーハン社長が読み解く『トヨタ物語』(後編)

藤井武彦氏が語る「トヨタ生産方式」と出版流通カイゼン

2018年6月12日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

書籍流通にかんばんを

藤井:もう1つ、読んでいて非常に共鳴したのは、我々業界の話題が出てきたところ。

大野耐一さんの『トヨタ生産方式』が出版された際のお話。第12章ですね。

藤井:大野さんは当初、トヨタ生産方式が外に知られるのを嫌っていたわけですが、誤解された形で世間に伝わる中で、ダイヤモンド社から本を出すことになる。

1978年ですね。

藤井:本ができて、ダイヤモンド社の幹部と、大野さんと鈴村(喜久男)さんが会った場面。ダイヤモンド社の社長が、出版というのは返品、返本があるから大変なんだ、儲からないんだという話をされたら、鈴村さんが、じゃあ、売れる分だけ作ったらいいじゃないかとおっしゃった。そうしたら反応がもうひとつだったというくだりがあります。

 返品、返本が多いというのは、やはり委託販売方式によるところが大きい。出版マーケットが右肩上がりのときは出版社も大量に刷って、我々取次販売会社もそれを仕入れて、見計らいでばっと書店に届ける。そうしたら右肩上がりの需要が吸収しますから、ものすごくマーケット自体が広がる。ところが今、長期経済不況の中では40%以上の返品率という状況になっています。

 鈴村さんがこれを見たら、トヨタ生産方式の導入を勧めるでしょう。かんばんを導入して、指示書をちゃんと出して、後工程が必要な分を前工程に取りに行く…。

 アメリカは非委託販売の国ですが、ほとんど返品はできる。ところが書店の返品率は10%だというんです。なぜかと言えば、書店が自分のところの売る力を把握して、前工程に注文するから。まさしくかんばん方式です。

 これからの仕組みをどうするか。今日と同じ明日でいいのか。これは誰かひとりが考えるのではなく、関わるすべての人が考え、取り組まなければいけないことです。経営も現場も一緒になって考えなければ。トヨタはそれをやった。そのことがしっかり書かれているから、この本を皆に勧めたいと思ったんです。

ありがとうございます。書店、取次の皆さんが、読者の皆さんに届けたくなる本をつくれるよう精進します。

オススメ情報

「『トヨタ物語』外伝」のバックナンバー

一覧

「トーハン社長が読み解く『トヨタ物語』(後編)」の著者

野地 秩嘉

野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

不満や不安を明確にすると、 解決案を見つけやすくなる。

ジェレミー・ハンター 米国クレアモント大学経営大学院准教授