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高速道路であおられる、自動運転の落とし穴

ホンダの自動運転担当者が語るクルマの未来

2018年2月14日(水)

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2020年の自動運転車のシステム構成は

自動運転車には多数のセンサーやカメラ、半導体が搭載されます。システム構成はどのようなものになるのでしょうか。

杉本:2020年の自動運転車のシステムには、外界認識のためのカメラが2台、レーダーなどのセンサーが合計5台搭載されることを想定しています。自車位置の認識には、マルチGNSS(全球測位衛星システム)、地図ECU(電子制御ユニット)などが必要です。さらにドライバーの状態検知にも、車内カメラ、(ハンドルを握っているかどうかを検知する)把持センサー、操舵トルク感知センサーが使われます。ドライバーが自動運転の状態を確認したり、コントロールしたりするための「HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)」として薄型ディスプレーなども搭載されます。

当面は、完全自動運転ではなく、部分自動運転のクルマが中心になります。高速道路は自動運転で、一般道では人間が運転するようなケースが増えそうです。運転の切り替えは難しくないのでしょうか。

杉本:政府の「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の一環で自動運転車の実験があり、2017年秋に首都高を走行しました。ゲートをくぐって本線に合流し、高速道路を自動走行し、もし前方にスピードが遅いクルマがいれば、車線変更して追い越しもしました。

 (機械から人間への)運転交替の考え方はこうなっています。運転の引き継ぎが必要になった際は、薄型ディスプレーにまず表示する。それでも運転の交替がなされなければ、音声でアラートを出します。視覚、聴覚、触覚へと段階的にだんだん強い警報を与えて、ドライバーに交替を促すのです。

 ドライバーが急病になった場合にクルマを安全に停車させる、「システムフェール」という強い警報もあります。どんな時でもそれらの機能を実行するために、我々は「冗長性」を大事にしています。冗長性とは、あるシステムに何か問題が起きても、別のシステムでカバーする仕組みのことを指します。

自動運転を実現するカギは何になるのでしょうか?

杉本:2020年以降の一般道での自動運転では、複雑なシーンを想定しなければいけません。例えば、路肩に子供がいる場合、反対側にいる友達のところに行こうと飛び出してくるかもしれない。さらに他のクルマが今後どう動くかも適切に予測して、自分のクルマのふるまいを決める必要があります。

 クルマの「認識」性能を高めるには、AI(人工知能)の技術が不可欠です。ディープラーニング(深層学習)を使って、路肩に線がきちんと引かれていなくても、道路領域を認識する。雨が降っていても交差点での停止位置を認識し、歩行者の体の向きも検知することも求められるでしょう。

コメント31件コメント/レビュー

究極の選択の話を持ち出すことに呆れるようなコメントも散見されますが、そういう方々はほぼ事故率で結論を出しているようです。
設計者側に立って考えてみてください。レベル4以上の自動運転の車には様々なセンサーが備えられるはずで、ほぼ全ては察知できるのです。
察知してしまったら動けないですよと言っているのです。
察知したけど、確率論で突っ込もうとするようなプログラムを設計者ができるはずがありません。
つまり、事故を未然に防ぐ側にしか判断できないようなプログラムしか入れられないはずなんです。倫理的にそうに決まっています。
もし、事故を完全に確率と割り切り、法律でも保護され、「横の歩道で子供が周りが見えてないくらいはしゃぎながら複数人で遊んでいるが、ここでこの子供が飛び出してくる確率は1/1000以下なので突っ込む」というようなプログラムを許容するような世の中になったとしたら、そんな世界には暮らしたくありません。
人を殺して良い確率を明確にする法律が作られたら、それはきっと世界初でしょうし、そんな法案が通るなんてことは無いでしょうけれど。
人類が相手を傷付ける場合、故意は許されないが、過失は許される。プログラムとはすなわち故意ですからね。狙って入れるものですから。
信号の無い交差点、こちらが優先だが、横から自転車が近づいてくることを察知すれば減速か止まるかの選択をするプログラムしか入れられないはずでしょう。
その自転車が完全に止まるか、通り過ぎるかするまで自動運転車は走行再開できないです。
世の中大小様々な道具が身の回りにありますが、過失で人を殺せて且つ圧倒的多数が扱う道具ってのは実は車しかないんですよ。
だから、車だけは特別であり、完全自動なんて世界は次元の違う話なんです。全自動洗濯機と同じように思ってないですかね。
他の方がコメントされていますが、自動車の自動運転を実現するには、歩行者や自転車、バイクなどを完全に隔離するしか方法はありません。(2018/02/20 11:14)

「見えてきた クルマの未来」の目次

オススメ情報

「高速道路であおられる、自動運転の落とし穴」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部などを経て、2017年1月から日経ビジネス副編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

究極の選択の話を持ち出すことに呆れるようなコメントも散見されますが、そういう方々はほぼ事故率で結論を出しているようです。
設計者側に立って考えてみてください。レベル4以上の自動運転の車には様々なセンサーが備えられるはずで、ほぼ全ては察知できるのです。
察知してしまったら動けないですよと言っているのです。
察知したけど、確率論で突っ込もうとするようなプログラムを設計者ができるはずがありません。
つまり、事故を未然に防ぐ側にしか判断できないようなプログラムしか入れられないはずなんです。倫理的にそうに決まっています。
もし、事故を完全に確率と割り切り、法律でも保護され、「横の歩道で子供が周りが見えてないくらいはしゃぎながら複数人で遊んでいるが、ここでこの子供が飛び出してくる確率は1/1000以下なので突っ込む」というようなプログラムを許容するような世の中になったとしたら、そんな世界には暮らしたくありません。
人を殺して良い確率を明確にする法律が作られたら、それはきっと世界初でしょうし、そんな法案が通るなんてことは無いでしょうけれど。
人類が相手を傷付ける場合、故意は許されないが、過失は許される。プログラムとはすなわち故意ですからね。狙って入れるものですから。
信号の無い交差点、こちらが優先だが、横から自転車が近づいてくることを察知すれば減速か止まるかの選択をするプログラムしか入れられないはずでしょう。
その自転車が完全に止まるか、通り過ぎるかするまで自動運転車は走行再開できないです。
世の中大小様々な道具が身の回りにありますが、過失で人を殺せて且つ圧倒的多数が扱う道具ってのは実は車しかないんですよ。
だから、車だけは特別であり、完全自動なんて世界は次元の違う話なんです。全自動洗濯機と同じように思ってないですかね。
他の方がコメントされていますが、自動車の自動運転を実現するには、歩行者や自転車、バイクなどを完全に隔離するしか方法はありません。(2018/02/20 11:14)

ゆくゆくは「制限速度」の方も、道路の状況やクルマの流れの状況によって、AIを使って柔軟に変えていくことも必要なのではないでしょうか?(2018/02/19 19:14)

自動運転と法改正はセットだろう。自動運転車を煽ることや、例えば事故ったときには、おそらく自動運転車の過失を証明しないと、人間が運転している側が事故の主因が相手にある事を証明することになる。賢い人なら自動運転車には近寄らないだろう。
自動運転車ならコネクテッドカーだし、周囲のモニターもしているから、人間の無謀運転を証明しやすい。法的にそれを整備する事になりそうだと思う。
それ以前に自動運転車と人間の運転車の事故の裁判事例が増えていき、自動運転車の勝訴事例が増えていくような気がする。(2018/02/18 11:07)

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