無価値でも売れる!「値付け」で都市型錬金術

洋酒、規格外野菜、卵の殻やローン提案も

MFSが展開するローン相談窓口

0円が20万円に

 さらに無価値なものにアイデアを加えて、値段を付けられたサービスもある。無料の情報を加工し、20万円のサービス料を取り事業を成立させている企業がある。MFS(東京都新宿区、中山田明社長)だ。顧客から20万円で住宅ローンの最適な借り換えを提案している。

 金利情報は店頭に行けば誰でも見られる。わざわざ顧客が大金を払うのは手数料を支払っても、最適な借り換えにより平均400万円以上のローン残債を減らせるからだ。月々の支払い負担が軽くなるため、高い金利で借りていた世帯から注目されている。

 塩澤崇取締役COOは「銀行と一般消費者の間には情報格差がある。穴埋めするのが我々の仕事」と指摘する。

 銀行各社の金利情報が掲載された比較サイトには、金利が安い順に表示されている。消費者は最も安い金利の銀行に融資を申し込みたくなる。だが「全員がその金利で借りられるとは限らない」(塩澤COO)という。

 そのためローン審査を申し込んでも断られてしまうケースが多い。住宅ローンの融資は年収や預貯金のほか、自動車ローンなどの債務状況や過去の延滞履歴など総合的に判断する。

 消費者はなぜ審査に落ちたのか分からないケースが少なくない。銀行は住宅ローンの融資基準を公開していないことが多いためだ。

 そこでMFSが銀行と消費者の間に立ち、その顧客が利用可能で最も有利なローンを提案するのだ。まずMFSが消費者の資産や返済能力をヒアリングする。その内容でより有利な条件で貸し出してくれる銀行を探してくれる。ここに20万円の価値がある。

 銀行にもメリットがある。低金利になったことで借り換え需要が高まり、多い月には1万件以上の審査依頼が届くという。MFSが仲介することで適切な申込者しか依頼がこなくなり、MFSを通じた顧客を優先することで業務効率が向上する。最近、MFSが自社のサイト上で、自分の融資能力が分かるサービスを立ち上げた。塩澤COOは「今後は金融機関から、我々だけにより良い条件の金利を引き出せるようにもしたい」と意気込む。

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著者プロフィール

西 雄大

西 雄大

日経ビジネス記者

2002年同志社大学経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、ネットなどを担当する。

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