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その「黒烏龍茶」の女、「ものとりや」につき

ポリフェノールの研究 福井祐子さん

2017年3月6日(月)

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 ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏が、その重要性を強調した「基礎研究」。しかし、それに携わる人々は「研究所の奥で日々ひたすら研究に勤しんでいる」イメージで、実像になかなか触れる機会がありません。
 例えばメーカーの「商品開発」に関しても、脚光を浴びるのはヒットアイテムの商品化を手掛けた「商品企画」部門で、その基盤となった基礎研究にはなかなか光が届きません。
 このコラムでは、メーカーの研究所で働く「基礎研究の人々」にお話をうかがっていきます。なぜメーカーで基礎研究をすることを選んだのか、なぜその研究テーマを選んだのか、日々どんな研究生活をしているのか、手応えや悩みは? などなど、知られざる生態に迫ります。
 今回訪れたのはサントリーワールドリサーチセンター。2015年5月、京都府精華町けいはんな学研都市に新しい研究開発拠点として作られた「基礎研究の館」です。

 チキンカツの入った弁当を前に、その女性は言った。

 「私、『ものとりや』なんです。でも、泥棒という意味ではありません」

 「物盗り屋」ではなく、生物化学の世界で言うところの「成分を取り出す=ものとり」の専門家である福井祐子さんは、サントリーの研究者だ。「黒烏龍茶」や「特茶」の誕生につながる基礎研究に取り組んできた。

「脂肪抑制」とミーちゃんとなんとなく

 目の前には黒烏龍茶も置かれている。

サントリーグローバルイノベーションセンター 研究部 主幹研究員(理学博士)の福井祐子さん(写真:行友重治、以下同)

 「お食事と一緒に、黒烏龍茶をどうぞ」

 黒烏龍茶のペットボトルに巻かれたラベルには、消費者庁許可特定保健用食品通称トクホのマークのほか、「1.脂肪の吸収を抑える」「2.体に脂肪がつきにくい」という文言がある。

 つまり黒烏龍茶は脂肪のインプットを減らすということだろう。では、どれくらい減らしてくれるのか。

 「今、チキンカツを食べましたよね」

 ご指摘の通り、いろいろなことが気になる身としては後ろめたい思いもありながら、しっかりいただきました。

 「そのチキンカツの脂肪分は、何もしなければ、体に入ります。でも、脂肪の多い食事といっしょに黒烏龍茶を飲むと、飲まなかった時に比べて、食後の血中中性脂肪の上昇が約20%抑制されたという実験結果が出ています。なので、今、食べたチキンカツの脂肪の吸収も抑えてくれることが期待できますので、脂肪の多い食事を摂りがちな方は、お食事の際に黒烏龍茶を飲んでください」

 脂肪8がけ、悪くない。でも、黒烏龍茶は普通の烏龍茶とは何が違うのか。黒の字を冠さない烏龍茶にも、脂をきれいさっぱり流すという印象がある。

 「中華料理を食べるとき、フィンガーボールに烏龍茶が入っていることがありますよね。それで洗うと、水で洗ったときよりも指がサラッとします」

 多くの人が経験として知っていることだろう。

 「それと、ピンクレディのミーちゃん(現・未唯)が、全盛期に、『どうしてそんなにスマートなんですか』と聞かれて、『毎日、烏龍茶を飲んでいる』と答えたことがあるらしいんですね。それで、『烏龍茶を飲むと太らない』というイメージがなんとなく広まりました」

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「その「黒烏龍茶」の女、「ものとりや」につき」の著者

片瀬 京子

片瀬 京子(かたせ・きょうこ)

フリーライター

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、2009年からフリー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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