「副業解禁」で壊れる日本の「カイシャ」

社員の「本来業務」の明確化が不可欠に

厚生労働省は1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」をまとめた

新生銀行、ユニ・チャームなどが相次ぎ「解禁」

 日本企業の間で「副業解禁」の動きが広がってきた。新生銀行が大手銀行としては初めて「兼業」と「副業」を4月から解禁。就業規定を改めて、正社員や嘱託社員約2700人が、本業と並行して異業種の仕事に就くことを認めた。また、ユニ・チャームも同様に4月から「副業」を解禁した。すでにソフトバンクが昨年11月に解禁、コニカミノルタも昨年12月に副業を認めた。このほか大企業では日産自動車や花王、リクルートなどが副業OKの会社として知られるが、ここへ来て一気に「副業」を認める会社が目立ってきた。

 「働き方改革」を掲げる安倍晋三内閣は、昨年来、「副業・兼業」の推進に旗を振ってきた。今年1月には厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」をまとめたほか、同省が示していた「モデル就業規則」から副業禁止の規定を削除した。従来は「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定が「モデル」として記載されていたがこれを削除。「副業・兼業」という章を設けて以下のような条文を例示した。

第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。

  1. 労務提供上の支障がある場合
  2. 企業秘密が漏洩する場合
  3. 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
  4. 競業により、企業の利益を害する場合

 つまり、会社の利益に反するようなことがない限り、「副業・兼業」は自由だとした。「原則禁止」から「原則自由」へと方針を180度変えたわけだ。中小企業庁の調べでは、大半の企業が副業を「原則禁止」としており、認めている企業は全体の14%に過ぎないというから、方針変更は大変化をもたらす可能性が大きい。

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著者プロフィール

磯山 友幸

磯山 友幸

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

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