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働き方改革の次の焦点は「雇用終了」の整備

「多様な働き方」でルールが不可欠に

2018年6月29日(金)

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6月15日に臨時閣議が開かれ、3つの文書が閣議決定された

「働き方改革法案」の成立はほぼ確実

 国会会期が7月22日まで約1カ月延長されたことで、政府が今国会での最重要法案と位置付けている「働き方改革法案」が成立することはほぼ確実な情勢となった。すでに5月31日に衆議院本会議で可決しており、参議院での審議が進み、本会議で可決すれば、法律が成立することになる。

 残業時間に罰則付きの上限を設けて長時間労働の是正を目指す点については、与野党とも基本的に一致しているが、経営者側の要望で盛り込まれている「高度プロフェッショナル(高プロ)制度」については、野党は激しく反対している。衆議院は委員会で採決が強行されたが、参議院でも数で勝る与党の賛成で、導入が決まる見通しだ。

 高プロ制度は、年収1075万円以上の専門職社員に限って労働時間規制から外せるようにするもので、左派野党は「定額働かせ放題プラン」「過労死促進法案」といったレッテルを貼って反対してきた。

 高プロの対象になる社員は全体の1%にも満たないが、野党は、いったん法律が導入されれば、年収要件がどんどん下がり、対象社員が際限なく働かせられ、今以上に過労死が増えるとしているのだ。

 一方で、ソフトウエア開発などIT(情報技術)人材を多く抱える企業では高プロ制の導入は不可欠だと歓迎する。もともと労働時間と成果が一致しない職種では、時間で管理する意味が乏しい、とかねてから主張してきた。そこに穴が開くことで、今後、日本企業での働き方が大きく変わると期待しているわけだ。

 政府が「働き方改革」を掲げているのは、人口が減少する中で、働く人たちの生産性を上げていくことが、日本企業の「稼ぐ力」を考える上で、不可欠になってくる、という判断があるからだ。かつての工場型製造業が中心だった時代には、生産性論議は同じ時間に1つでも多くのモノを作らせるか、が焦点だった。残業を除けば労働時間が決まっているので、その間にいかにたくさん生産するかが、「生産性向上」だったわけだ。

 ところが、現代のクリエイティブ型の職種では、長時間働いたからといって、成果物がたくさん生み出されるわけではない。むしろ労働時間をフレキシブルにして、短時間でも成果が上がるような仕組みが不可欠になっている。オフィスの中に森を再現したり、リビングルームを作ったりする会社が登場しているのは、いかに仕事の質を高めてもらうか、に力点が置かれていることを示している。

 高プロ制度によって、時間管理を社員に任せ、多様な働き方を認めることによって、より質の高い、付加価値の大きい成果を上げる働き方が可能になる、と期待する会社があるわけだ。

コメント4件コメント/レビュー

米国のように雇用が流動的な社会と、
日本のように修身雇用が一般的な社会の違いが、
高プロに対する意見の違いと思う。
終身雇用が前提では、高プロは悲劇になる可能性が高い。
米国でも素晴らしと言われる会社に終身雇用が多い。
これから、生産性の低いのは、働き方の問題でなく、
働かせ方の問題のように思える。
マネジメント層に自分たちの生産性向上の考えがないことが、
社員の生産性向上に仕向ける力が弱いと感じる。
日経ビジネスが掲げる「稼げる新職業」に就ける人数は、
総労働者の数%であろう。
その他のほとんどの人は、工場や建設業労働者、サービス店員と
時代が過ぎても変われない。(2018/07/01 08:06)

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「働き方改革の次の焦点は「雇用終了」の整備」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

米国のように雇用が流動的な社会と、
日本のように修身雇用が一般的な社会の違いが、
高プロに対する意見の違いと思う。
終身雇用が前提では、高プロは悲劇になる可能性が高い。
米国でも素晴らしと言われる会社に終身雇用が多い。
これから、生産性の低いのは、働き方の問題でなく、
働かせ方の問題のように思える。
マネジメント層に自分たちの生産性向上の考えがないことが、
社員の生産性向上に仕向ける力が弱いと感じる。
日経ビジネスが掲げる「稼げる新職業」に就ける人数は、
総労働者の数%であろう。
その他のほとんどの人は、工場や建設業労働者、サービス店員と
時代が過ぎても変われない。(2018/07/01 08:06)

雇用終了の問題は、戦後すぐの労働法にあるのでしょう。工場労働者の保護を中心に、労働時間/生産力で計算した給与や残業代の掛け率等、終身雇用を守るのが目的だったからでしょう。
 ホワイトカラーや専門職が多数化した今問題化しています。撤退すべき事業が生じた場合、大企業では配置転換で雇用を維持しますが、中小ではそもそも余裕がなく配置転換では対応できません。事業転換もできずじり貧になり、結局会社本体が棄損されじり貧、会社そのものの消滅につながるのです。(会社都合の退職が当局に認められません。雇用4原則)
 わが国ではまさにリストラクチャー(再構築)ができないのも当たり前です。金銭での解決は、解決までの時間短縮です。双方にメリットがあると思いますが、官公労のように経済感覚のない人々には、馬の耳・・・。民間労組は会社がつぶれれば元も子も無いことが理解できるはずなのですが?
 新規参入がないマスコミは、官公労と同じなのでしょう。(2018/06/30 10:50)

解雇の金銭解決は大企業と零細企業とで月収に対する補償水準の格差があまりにも隔たりが大きいことに加えて、つい先日公表された判例でも、具体的な和解額を非公表にするなど、働き手の不安を必要以上に煽っているので、高プロ以上に導入は難しいと思いますが…。
無い袖は振れないと言いますが、再就職支援会社の斡旋などという心のこもらない、仕方なく対策取っている振りはしていますよで済ますのではなく、どれだけ心からの支援ができるか。どんな地縁でしっぺ返しを食らうかわからない地域に根差した会社程、具体的な支援策が強く求められることになると思います。(2018/06/29 09:21)

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