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やっと芽が出てきた官民連携

2017年3月2日(木)

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 「『官民一体』という発想自体は、もともと挙国一致なんて言っていたような昔から日本にあったもの。だが高度経済成長の時代に、なんとなく『官民一体=官民癒着』というイメージが染み付き、両者は距離を置くようになった」

 日産自動車で渉外活動を統括する川口均専務執行役員はこう指摘する。「しかし自動運転だとか車両の電動化だとか、自動車業界は大きな変革期を迎えている。各社の個別の取り組みだけでは完結しなくなってきた」

 就業人口の多さなどから「国益を担う存在」(トヨタ自動車の豊田章男社長)とされるクルマ業界。企業の枠、官民の壁を超えての連携を進めるには、やはり旗振り役として政府の働きが欠かせない。だが経済産業省が、クルマ業界の進路を的確に示せているかと問われれば、素直には肯定しづらい状況が続いてきた。

ドイツは早くから「官民一体」

 日経ビジネス2月27日号特集「すべる経産省 舞台広がれど視野狭く」では、日本の自動車メーカーが好調な米景気を追い風に最高益を次々記録していた2000年代の中頃、劣勢にあったドイツの産官学がタッグを組み、形勢逆転を狙っていた事例を紹介した。

ドイツは中国と蜜月関係を築き、独メーカーに有利な競争環境を勝ち取ってきた(VWの中国合弁工場を視察するメルケル独首相、2014年7月)(写真=Imaginechina/アフロ)

 成果の一つとして挙げられるのが、ターボチャージャー(過給器)を使ってエンジンを小型化する「ダウンサイジング」と呼ぶ技術を、中国でエコカーの助成対象として認めさせた実績だ。

 ダウンサイジングは排気量の少ないエンジンを使うことで環境負荷が低くする。ハイブリッド車(HV)の普及を図った日本勢に対し、ドイツ勢が長年磨いてきた得意技術だった。

 ドイツ政府は水面下で中国の政府高官に接触。ダウンサイジングを環境技術として受け入れてもらう素地を整える。これを一因として、フォルクスワーゲン(VW)は日本のすぐ隣の巨大市場をドイツ色に染めることに成功した。

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「やっと芽が出てきた官民連携」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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