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サウジのエネルギー相が犯した痛恨のミス

三大産油国の「奇妙」で「微妙」な対立の裏を読む

2017年6月8日(木)

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OPEC総会に臨んだサウジアラビアのファリハ・エネルギー相(写真:ロイター/アフロ)

 今年5月25日の18時過ぎ(現地時間)。オーストリアのウィーンにあるOPEC(石油輸出国機構)本部の記者会見場では、第172回OPEC総会と第2回OPEC/OPEC非加盟産油国閣僚級合同会合が開催された。会合後の議長会見において、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相は、自信に満ちた表情を浮かべていた。OPECと非加盟10か国は、約180万BD(=Barrels per Day、1日当たりの原油生産量)の協調減産を9カ月間延長することで合意できたからだ。

 ファリハ議長は、眼の前の記者団の向こう側に、当面のライバルとなる米国のシェールオイル生産業者がいることを意識していたに違いない。隣に陣取る合同会合の共同議長、ロシアのノバク・エネルギー相も、協調減産の有効性を強調した。

 これで国際原油市場の需給バランスが回復し、原油価格の回復に向けた道筋を示した──OPEC関係者は誰もが、そんな「理想」を期待しただろう。ところが、「ゲームの審判」ともいえる、ニューヨーク原油先物市場は、この協調減産の合意を評価しなかった。同日のWTI原油先物価格終値は、「合意は想定内」「内容に新味がない」として、前日比2.45ドル(約5%)安の48.90ドルと50ドルの大台を割る大幅な下落となった。その後も、40ドル台の終わりで弱含んでいる(図参照)。

図 原油価格の推移(2014年1月~2017年5月)
出所:NYMEXデータ等より作成

 サウジアラビアの石油担当大臣に就任後約1年が経過し、2017年の輪番のOPEC議長となったファリハ・エネルギー相は、痛恨のミスを犯した。協調減産の「9カ月延長」の合意という貴重なカードを切るタイミングを誤ったのだ。

 今回の両会議の最大の「売り」となるはずであった「9カ月延長」を、会議に先立つ5月15日に、北京で記者団に明らかにしてしまっていたのだ。同じカードは、一度しか切れない。二度目に効果はない。先物市場は冷淡である。

 本稿では、今回の減産延長合意に至る経緯、決議の内容を紹介するとともに、今後の展開を検討してみたい。

コメント1件コメント/レビュー

原油価格がニュースになるたびに、『日本は国際位燃油価格の動きに振り回されない様な体制を構築すべき』と繰り返し思っていた。その柱が、自民党政権は未だに「原発」においている様だが、私は世界有数の自前のエネルギー源である「地熱」に切り替えるべきだと思っている。地熱発電も、従来方式の蒸気溜まりの高圧蒸気のみ利用する方法だと、せいぜい原発10基分程度にしかならないが、開発中の高温岩体地熱発電などまで利用出来れば、全ての電力需要を賄っても余りある電力を供給する事が出来る。そうすれば、車の多くをEVに切り替えることによって燃油の需要を更に減らせ、化学原料としての石油需要に限定される。その程度であれば、各地の現在の備蓄基地分だけでも1年分相当の燃油を確保出来、燃油価格市場にも戦力的な対応が可能となる。一体どの政党がこの様な政策を推し進めてくれるのか?政策として明確であれば、次の選挙からは人物の如何に関わらずその政党に票を投じるのだが。。(2017/06/08 10:54)

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「サウジのエネルギー相が犯した痛恨のミス」の著者

橋爪 吉博

橋爪 吉博(はしづめ・よしひろ)

一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター調査役

一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター調査役。三重県津市出身。中央大学法学部卒。1982年石油連盟入局。1988年外務省出向(在サウジアラビア大使館二等書記官)。1991年石油連盟復帰、流通課長、企画課長、広報室長等を経て、2016年5月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

原油価格がニュースになるたびに、『日本は国際位燃油価格の動きに振り回されない様な体制を構築すべき』と繰り返し思っていた。その柱が、自民党政権は未だに「原発」においている様だが、私は世界有数の自前のエネルギー源である「地熱」に切り替えるべきだと思っている。地熱発電も、従来方式の蒸気溜まりの高圧蒸気のみ利用する方法だと、せいぜい原発10基分程度にしかならないが、開発中の高温岩体地熱発電などまで利用出来れば、全ての電力需要を賄っても余りある電力を供給する事が出来る。そうすれば、車の多くをEVに切り替えることによって燃油の需要を更に減らせ、化学原料としての石油需要に限定される。その程度であれば、各地の現在の備蓄基地分だけでも1年分相当の燃油を確保出来、燃油価格市場にも戦力的な対応が可能となる。一体どの政党がこの様な政策を推し進めてくれるのか?政策として明確であれば、次の選挙からは人物の如何に関わらずその政党に票を投じるのだが。。(2017/06/08 10:54)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官