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3.11から7年、原子力を塩漬けにする日本的思考

大場紀章氏と読み解くエネルギー政策の今

  • 大場紀章=エネルギーアナリスト

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2018年3月13日(火)

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 早いもので東日本大震災から丸7年が経った。東京電力・福島第1原子力発電所事故は、原子力の安全神話を壊し、東電の経営を揺るがし、電力・ガスシステム改革の扉を開けた。再生可能エネルギーは飛躍的に普及し、電力・ガス全面自由化も迎えた。だが、いずれも道半ばだ。日本のエネルギー政策がどこへ向かおうとしているのか、どうも見えにくいのだ。エネルギーアナリストの大場紀章氏は、「エネルギー政策の根幹とも言える原子力政策に整理が付いていないことがすべての要因」と分析する。原発事故の瞬間から、激動の変化を辿った日本のエネルギー政策を大場氏に改めて読み解いてもらった。

原発事故から7年目の3月11日、東電・福島第1原発では黙祷と役員訓示が行われた

 今、東京電力の元幹部を相手に、原発事故を防げなかった責任を問う「刑事裁判」が行われていることをご存知だろうか。東電に損害賠償を求める民事訴訟は、既に400件近く起こされているが、事故の責任を直接問う刑事訴訟は実はこれが初めてだ。

 2度も不起訴処分となったが、検察審査会の2度の起訴議決によって強制起訴に至り、6年越しで2017年6月に初公判が開かれた。2月28日には第4回の公判があった。今後、のべ20人を超える証人が法廷に呼ばれ、集中審理が行われる予定だ。

 この裁判の奥深くに横たわっているのは、「原発事故の責任を誰も取っておらず、あいまいなまま」という、おそらく多くの日本人が心のどこかで感じているモヤモヤとした感覚だろう。

 この公判の一方で、経済産業省は新しい「エネルギー基本計画」の取りまとめの議論を進めている。

 固定価格買取制度(FIT)の導入から6年が経ち転機を迎えている再生可能エネルギーのあり方やシェール革命の影響、全面自由化された電力・ガス事業の今後のあり方などを議論している。さらに、温暖化ガスの削減を約束した「パリ協定」に基づいて、2030年までに進めなければならない原発再稼働と、2050年までの原発のあり方も議論の俎上に上っている。

 私は、このエネルギー基本計画の議論の奥にも、先に挙げた刑事裁判に似た奇妙なモヤモヤを感じる。コストや技術、制度など、理路整然とした議論が行われているはずが、どうしても「なぜ今こんな議論をしているのだろう」という思いが拭えない。

 その原因は、多くの人は忘れてしまったかもしれないが、現在のすべてのエネルギー政策の議論の奥底に、依然として原子力のモヤモヤが横たわっているからではないかと思うのである。

 誤解を恐れずはっきり言ってしまえば、現在の日本のエネルギー政策が抱える問題のほとんどすべてが、震災当時の政府の原発事故に対する「対応のまずさ」に端を発している。

コメント14件コメント/レビュー

>原発は無くしても火力があるさって、二酸化炭素やその他の排ガスをどうするんですか?

IGCCでは、二酸化炭素の回収をやっています。調べてみましょう。
二酸化炭素はいろいろと使い道がありますし(消火器、ドライアイス)、ほおっておいても植物が吸収しますよ。他の排ガスも、しょせんはたんなる化学物質なので、触媒等を使うなどして無害化回収できますし、硫黄成分などは工業利用性があります。

原発からでる放射性物質は残念ながら、工業利用性が皆無な上そのほとんどが使い道がなく、取り扱うにも隔離しておかないと、近づくだけで病気になったり死に至ったりするやっかいなものです。


まぁ、プルトニウムはプルトニウム電池とかで使うっていう裏技がありますが。(2018/03/19 21:37)

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いただいたコメント

>原発は無くしても火力があるさって、二酸化炭素やその他の排ガスをどうするんですか?

IGCCでは、二酸化炭素の回収をやっています。調べてみましょう。
二酸化炭素はいろいろと使い道がありますし(消火器、ドライアイス)、ほおっておいても植物が吸収しますよ。他の排ガスも、しょせんはたんなる化学物質なので、触媒等を使うなどして無害化回収できますし、硫黄成分などは工業利用性があります。

原発からでる放射性物質は残念ながら、工業利用性が皆無な上そのほとんどが使い道がなく、取り扱うにも隔離しておかないと、近づくだけで病気になったり死に至ったりするやっかいなものです。


まぁ、プルトニウムはプルトニウム電池とかで使うっていう裏技がありますが。(2018/03/19 21:37)

公開コメント:『①技術者の立場から申し上げれば、原子力発電設備の安全性は技術的にクリアできる課題だ。だが、私が懸念するのは、廃棄物をどうするのか、その課題の道筋が見えないことだ。②日本のエネルギー事情を踏まえた冷静な議論が、日本国内でほとんどなされていないことをとても残念に思います。単純に原子力エネルギーは悪で、再生エネルギーが善とするような野党やメディアを中心とする風潮にも大いに疑問がありますし、この流れに簡単に追従する思考停止状態の国民のあり様にも呆れてしまいます。』⇒読者の一人として、将にその通りだと思います。しかしこれが2000年来の島国日本の国民的至生術だと思いますから、仕方無いと思います。ところで、六ヶ所村の核再処理施設が閉鎖となる見込みですが、その裏に、「水素を重水素へ転換させる燃料リサイクル(生産?)施設というかそういう研究」が進んでいることが判りました。これは、2035年に遂に、フランスの国際核融合施設での発電が実現することがほぼ確実であるからです。まあ17年後ですが、あの原発嫌いの「メルケル首相」がこの核融合発電にはことのほか賛成で、わざわざ実験施設の建設の開所式に参列してスタートボタンを押したそうです。核融合の最大の欠点は、100年ぐらい使用するとその炉壁の鉄が、「核放射能発生の遷移体」になるそうで、これの処理が今の原発と同じように問題になるとのことですが、チェルンブイリのように完全封鎖して100年置けば良いようです。チェルノブイリからも30年近く経っていますから、100年とは短いものですね。一昨日行われた核融合の現状の一般公開みたいなセミナーには、定員をオーバーする程の方が見えて、非常に盛況で、みなさん、この日本の将来のエネルギー問題について深く熟慮されていることが伺えましたし、日本の技術力がこの分野に大変貢献していることも判りました。その他、常温核融合の可能性も見えてきましたから、この原子力というエネルギーは本当に深く国民総意で知恵を絞って進めていくことが必要だと感じました。再生エネルギー以上に、この方面が重要だとも痛感しているところです。(2018/03/19 12:29)

原発は無くしても火力があるさって、二酸化炭素やその他の排ガスをどうするんですか?その最終処分場はあるのですか?(2018/03/19 00:28)

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