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なぜ出光・昭和シェルに株式市場は失望したか

イランの出光、サウジの昭和シェル、水と油の両社の行方

  • 大場 紀章=エネルギーアナリスト

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2018年10月18日(木)

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 3年もの間、経営統合について交渉してきた出光興産と昭和シェル石油。10月16日、株式交換比率を、昭和シェル株1株に対して、出光株0.41株を割り当てると発表した。

 この株式交換比率の発表は7月に合意したスケジュールの通りだ。これまでの難航を極めた道のりは終わり、来年4月に控える経営統合へ向かって順調に話が進んでいることを示している。それでも、発表後に出光の株価が一時、9%下落したのは、発表内容に対してマーケットに何らかの失望感があったためだろう。

 一般に、株式交換による子会社化では、その交換比率は過去の両社の平均株価の比がベースになる。過去半年ほどをみると、およそ「昭和シェル:出光=1:0.38」程度であった。

 今回の経営統合は、出光が昭和シェルを完全子会社化するもので、そのシナジー効果を期待すれば出光側にプレミアムが乗って0.38より大きくなると目されていた。

 今回の発表直前の両社株価はちょうど「1:0.41」となっていて、マーケットからすると発表された数字は良く言えば予想通りで、逆に言うと期待以上ではなかったとも解釈できる。そのことが株価下落に繋がったのではないか。

「お世継ぎ問題」はようやく決着

 そもそも、経営統合の交渉が大揉めに揉めた背景には「出光創業家のお世継ぎ問題」があった。

 3年前、昭和シェル側が対等合併の条件を示したことで出光創業家が待ったをかけた。一説には、出光創業家の出光昭介名誉会長夫妻が、合併の条件として次男の正道氏を社長とする条件などを突きつけて、交渉は一旦、決裂したと言われている。

 今年になって旧村上ファンド代表で投資家の村上世彰氏が仲介に入る形となり、昭介氏の長男正和氏を取締役にするという条件を出した。結果的に正和氏が村上氏側についたことで、出光が昭和シェルを完全子会社化する形で7月に経営統合話がまとまった。

 今回の発表で、統合後の社長には出光社長の木藤俊一氏が就任。正和氏が非常勤の取締役に、登記上の社名は出光興産のままとなる。一方、渦中にあった次男正道氏は、出光興産の前身である「出光商会」の名で食品などの貿易をする事業会社を新しく立ち上げている。

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