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“非鉄の雄”JR九州の「駅ビル経営道」

自分も勝ち、周りも勝つための試行錯誤

2017年3月15日(水)

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 昨年10月、九州旅客鉄道(JR九州)は、本州のJR三社から遅れること約20年で上場を果たした。

 同社の鉄道事業は、豪華寝台列車「ななつ星in九州」をはじめとするユニークな列車で特色を打ち出し、非鉄道事業ではマンション開発やホテル、外食、ドラッグストアなどで稼ぐ力を蓄えてきた。非鉄道事業は、2015年度で連結売上高の6割以上を占めており、その比率はJR貨物を除くJRグループの中で最も高かった。

 そんなJR九州は、駅周辺の街づくりという観点でも、独自の進化を続けてきた。核となるのは駅ビルだが、単なる商業施設にしないように試行錯誤してきたのだ。ただでさえ駅ビルはその立地の優位性から集客しやすく、周辺の商店街の顧客を奪うなどして、独り勝ちになりがちだ。

 2015年に開業した大分駅の「JRおおいたシティ」は、その中にあるテナントを見ると、首都圏の駅ビルと比べても目新しさはあまり感じない。「ユニクロ」「H&M(へネス・アンド・マウリッツ)」「ビームス」といった若者に人気のアパレルブランドをはじめ、「東急ハンズ」「無印良品」など、200以上のテナントが入居する。

 だが、ただ買い物のためだけの施設ではない。貸し農園のある屋上庭園や公衆浴場、駅前広場も作り、アミューズメントパークのように楽しめるようになっているのだ。その目的は、多くの人が「集う」場をつくることにある。

JRおおいたシティの屋上庭園。約1000本の木が植えられた4500平方メートルの敷地には、子どもが乗れるミニトレインがある(左)。また、貸し農園もあり、その横には、家族などで団らんできるようなテーブルとベンチがある(右)。(写真:山本巌)
屋上には鉄道神社や仲見世もある。幅広い世代が楽しめるようになっている。(写真:山本巌)

 この駅ビルは、周辺の商店街との“回遊”も意識している。特徴は、駅前の巨大な広場。以前は大半をロータリーに占められ、人の行き来の少ないスペースだった。それを、駅ビルの改築に伴い、屋根付きのイベントスペースを新設。さらに、広い歩行スペースも設けた。このスペースは、1kmほど離れた繁華街への歩道につながっている。駅ビルで時間を過ごした人たちが、繁華街へ“周遊”することを狙ったものだ。また、駅ビルの駐車場は約2000台が収容できるスペースを確保しており、商店街で買い物した料金との合計額で、駐車料金が無料になるサービスも行っている。

 年2回のセールの時期は、駅ビルと商店街で日にちを合わせるようにして、地域全体で盛り上がれるように工夫している。

駅前には巨大な広場があり、商店街へと続く歩行スペースがある(写真:山本巌)

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「“非鉄の雄”JR九州の「駅ビル経営道」」の著者

河野 紀子

河野 紀子(こうの・のりこ)

日経ビジネス記者

日経メディカル、日経ドラッグインフォメーション編集を経て、2014年5月から日経ビジネス記者。流通業界(ドラッグストア、食品、外食など)を中心に取材を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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