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母さん、ごめん。「介護保険証」はどこなの?

番外編05 介護を受ける、それは書類探しから始まった

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[1/5ページ]

2018年6月27日(水)

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松浦晋也さんの本連載と単行本『母さん、ごめん。』を担当しました編集Yです。昨年、本を刊行したあとで自分の田舎に独り暮らしの母を訪ねた経緯を書かせていただきました。その後事態は沈静化していたのですが、松浦さんの介護連載を担当した経験から「このままでは済まないだろう」と思ってはおりました。そして……。

 「え、救急車を呼んだ?」

 それは突然、そしてある意味予想通りにやってきました。

 昨年末から今年にかけて、ひどく冷え込んだ我が郷里、N市。ひとりマンション暮らしの母(80歳)は、買い物に出たときに凍った歩道の上で風に煽られて転倒し、手を捻挫してしまいました。それ以来、電話の声がふさぎ込みがちで心配していたのです。

 2月の早朝、仕事で箱根に出向いて寒い寒いと震えていた私に、その母から電話が掛かってきました。「……ひと月くらいずっと眠れなくて、便秘もずっとずっと続いていて、食欲がなくなってなにも食べられない。このままだと死んでしまうかもしれない。だから救急車を呼んで病院に連れて行ってもらう」とのこと。

 びっくり仰天ですが、言っていることが理解不能です。

 ひと月眠れない? そもそも電話かけてちゃんと話せる気力体力があるのに、救急車呼んでいいとは思えないので「ちょっと待った、それ、タクシー呼んで自分で行けば?」と言ったら「うん、でももう呼んじゃった」という。話し声に力がなく、抑うつ的な雰囲気が伝わってきます。これはまずい。とりあえず「救急隊の人にできるだけ丁寧に事情を説明して、もし病院に着いたら電話して」と言い含めました。

 気になって仕事になかなか実が入らず、じりじりしていると、今度はツマから電話が。

 「『ご親族の方ですね』と、救急隊から連絡が来た。『ご本人に聞いてみたら意識もはっきりしているし、お粥を召し上がっているとのことなので、緊急性はないと判断しますので引き上げてもいいでしょうか』ということだったので、お詫びして引き取っていただいた」とのこと。どっと脱力しました。

 夕方、箱根から帰京して母に電話します。電話では不眠などが1カ月くらい続いているような話しぶりでしたが、これは昨年の夏に思い知った「母は思いつきでものを言う」たぐいで、どうもここ2、3日のことのようです。しかし、いつからだったのか、どんな状態なのか、何度確かめても要領を得ません。こちらが聞くことに全部、うつむいて「……うん」と言うような感じです。これは本当にまずそうだ。

 結局、救急車に断られた(救急隊の方、ほんとうにご迷惑をおかけしました)あと、自分でタクシーを呼んでかかりつけの先生のところに行ったら、不在で引き上げてきたようです。先生に電話してみると「うつではないと思う。けれど、だいぶ体も気持ちも弱っていらっしゃるのかもしれません。介護を入れるとか、お考えになっては」とのこと。

 いよいよ来たのか、という感じです。

夏にお邪魔した包括さんに相談メール

 長男の大学受験が終わって、一難去ったところにまた一難。仕事の方では、ちょうど雑誌の新連載を始めようというところ。「忙しいときを狙ったように、トラブルを起こす」とつい思ってしまいます。が、いかんいかん。こういうのはつい電話の口調に出てしまう。注意せねば……。

 さて、これは急遽帰郷して、夏に相談した地域包括支援センター(いきさつは→「担当が『母さん、ごめん。』読んで帰省してみた」)に行くべきでしょうか。まずは状況報告と相談を先方にメールしました。

 とはいえ、包括さんと具体的なやりとりをするのは初めてのこと。なにか、コツや作法があるかもと考え、松浦さんとの対談でお世話になった「となりのかいご」代表理事の川内潤さんにもメールを送りました。この連載のおかげで、介護関連の相談相手に事欠かない状態になったのは、こういう際に心強く、本当にありがたかったです(川内さんと松浦さんの対談は「人生の目的は「親の介護」。それでいいのか。」から)。

 空けて翌日。

 母に電話してみると、そこそこ電話口では元気そう。「久し振りに眠れたし、食欲も出ている」と言う……のですが、その時その時で相手が聞きたいであろうことを言うのが癖になっているので、いまひとつ信用できない。どうしたもんだろう。

人寂しさと、ケガのショックが重なって

 心配事と仕事のピークが重なって、ぐったり疲れていると川内さんから電話がきました。

 「お聞きした限り、ひとりでいる寂しさが、ケガをきっかけに大きくなってこられたのでしょう。その状態ならば介護保険で、もっとも軽い『要支援1』の申請がおそらく通ります。ヘルパーさんを入れることで、人恋しさ、見守りと日常生活の支援ができる。いいタイミング、いい方策だと思います」

 介護される人にとって「介護が始まる」とは、「見知らぬ人が自分の家に入ってくる」こと。それに本人が早くから慣れておく重要性は、松浦さんも連載と著書で指摘しているポイントです。やはりその方針に進むべき時期なのでしょうか。

 「そうなると、次は介護保険の申請となるんですよね、具体的にはどうすべきでしょうか」

 「親族が遠距離の場合は、代理申請を包括が行うことも可能なんですよ」

 「へえっ、そうなんですか」

 「それは包括側の人からご家族に言うべきことですし、もし言い出さないようならさりげなくプッシュした方がいいですね。お話を聞く限りそういうことはなさそうですけれど、もし担当者が社会人として困った人だ、と思ったら、チェンジも可能です。これはダメだ、と判断したら、ためらわずやるべきです」

 なるほど、なるほど……と感心していたら「Yさん」と川内さんが口調を改めてきました。

コメント20件コメント/レビュー

>なんかものすごく読みにくい。書き手の心情はよく伝わりますが、とめどなく溢れてくるものをそのまま読まされる感じで、メリハリがなく、結末としては「とりあえずはよかったよかった」なのに、非常に疲れました

おそらく、まだ介護を経験されたことのない方なのでしょう。介護のはじまりの現実は、まさにこれです。親の言うこと・思考がアテにならず、無駄足や無駄な手数が山のように積み上がり、自分の時間と気力を不毛に消耗していくことが、本当にこたえるのです。ビジネスの世界にいると、「結論は」が常に思考の先頭に来ますので、こうした真逆の状況は余計につらいのです。

あと、救急車のくだりも「あるある」ですね。私も2回ほど電話を受けました。セ⚪︎ムを導入したのちも、さみしいと緊急ボタンを押してしまうようになり、本当に困りました。しかしそのうち、ボタンの使い方もわからなくなりました。家の中が尿のにおいでむせかえるようになり、その後紆余曲折を経て、今は特養にお世話になっています。皆さん、明日はわが身ですよ。先達Yさんの経験談、しかと聞いておきましょう。(2018/07/02 15:47)

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いただいたコメント

>なんかものすごく読みにくい。書き手の心情はよく伝わりますが、とめどなく溢れてくるものをそのまま読まされる感じで、メリハリがなく、結末としては「とりあえずはよかったよかった」なのに、非常に疲れました

おそらく、まだ介護を経験されたことのない方なのでしょう。介護のはじまりの現実は、まさにこれです。親の言うこと・思考がアテにならず、無駄足や無駄な手数が山のように積み上がり、自分の時間と気力を不毛に消耗していくことが、本当にこたえるのです。ビジネスの世界にいると、「結論は」が常に思考の先頭に来ますので、こうした真逆の状況は余計につらいのです。

あと、救急車のくだりも「あるある」ですね。私も2回ほど電話を受けました。セ⚪︎ムを導入したのちも、さみしいと緊急ボタンを押してしまうようになり、本当に困りました。しかしそのうち、ボタンの使い方もわからなくなりました。家の中が尿のにおいでむせかえるようになり、その後紆余曲折を経て、今は特養にお世話になっています。皆さん、明日はわが身ですよ。先達Yさんの経験談、しかと聞いておきましょう。(2018/07/02 15:47)

昨日職場で(笑)この記事を読み、帰宅後妻に話し始めたら「そうそう今日のあさイチでも介護の話題が」と。お互い話を進めるごとに、「ん、それって同じ人では?」と。
Yさん公開タイミング狙いましたね。(2018/06/28 08:56)

ご苦労さまです!!
介護の世界へようこそ!
本文でも触れていますが、お母様は、年相応のボケがはじまっているようですね。
多分、これからあれやこれや、頻繁にお母様から電話がかかってくるでしょう。『救急車を呼んでこれから病院に行く……』というように、もともと電話はお好きなようですので、ボケてくると、無意識に反射的に電話するでしよう! 
で、遠隔操作していると、1番面倒なのが、入院…… 手続きには本人が出来なければ、親族がやらないといけません。施設に入った場合などでは、体調がすぐれないと、すぐこい!電話がかかってきます。(保育園から子供が熱出したから連れに来い!電話と同じ……)
施設と病院の往復……つまり入院退院を繰り返していると、気が狂いますよ!!
で、1番心配なのは、『火』を出さないか?? 自分のところだけならまだしも、他人様にご迷惑をかけたらたいへん……
以上、両親、通算で約10年の経験でした!(2018/06/28 00:42)

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