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男性はなぜ辛いとき独りになりたがるのか問題

コラムニスト・ジェーン・スーさん その1

2018年8月16日(木)

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 自分がいい年になってから、改めて親に接すると、そこには「親子」の関係だけではなく、「ひとりの人間として向き合う」関係性が浮かび上がります。お盆休みに帰省などされて、お年を召された親御さんに会って、改めてそれを感じられた方も多いのではないでしょうか。

 介護とは、自分をはぐくんでくれた親との新しい関係性の構築、とも言えるかもしれません。子どもにとっては、医療や生活の補助などの物理的なこと以外のさまざまな感情が、介護の中に含まれるわけです。

 今回のゲストは、人気コラムニスト&ラジオパーソナリティのジェーン・スーさん。ジェーンさんは、80歳になられたご自身の父親との“関係再構築”を赤裸々に語られた『生きるとか死ぬとか父親とか』をこの5月に上梓されました。ジェーンさんは娘と父親、松浦さんは息子と母親。クロスする子どもと親の「どうあるべきか」を、語り合っていただきます。

ジェーン・スー
1973年、東京生まれの日本人。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。現在、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」のパーソナリティーを務める。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ文庫)、『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)、『今夜もカネで解決だ』(朝日新聞出版)など。コミック原作に『未中年~四十路から先、思い描いたことがなかったもので。~』(漫画:ナナトエリ、バンチコミックス)がある。

 スーさんの『生きるとか死ぬとか父親とか』を読んではっとしたのが、まず「そうか父親って娘からこう見えるんだ」という驚き、そして、独身の子供は異性の親とマン・ツー・マンで向き合うことが、今後はとても増えてくるんじゃないかな、という気付きでした。松浦さんはお母様、スーさんの方はお父様、と、性別は逆ですが、そこの難しさとか、どう乗り越えていくのかというところから、始めていただければと思います。

松浦:何というんでしょうね。介護を通して、初めて「他人」としての母親と向き合ったのは間違いないです。どう言ったらいいのか。親子って……言ってしまえば役割じゃないですか。その役割とは別のところで個人として向き合った。

 僕の場合は、母と個人として向き合った時点で、彼女にはすでに認知症が始まっていました。こう言っていいかどうか分からないけど、僕の認識で言えば人としての機能の「劣化」なんですね。ところが、そうなっても個人の人間としてのコアの方は意外と衰えていない。その人らしさというか、人格の手触りみたいなところは変わらないものなんですよ。

ジェーン・スーさん(以下スー):なるほど、そうでいらっしゃったんですね。

松浦:実はいま「あっ」と思ったんですけど、僕はこの本の最後に母親の若いときの話を書いたんですけれども、なぜそれを自分が書く気になったのかが分かりました。自分でも無意識にやっていたんですけど。つまりは、一個人としての母に向き合ったからなんでしょうね。

スー:はい。そう感じました。

松浦:今、この場で気が付きました。

面白い時代を生きてきた「人」として親を見る

スー:松浦さんのお母さま、たぶんうちの父親と同世代ではないでしょうか。

松浦:うちは1934年、昭和9年生まれです。

スー:うちは昭和13年生まれです。ほぼ同世代とさせていただくとすれば、同じような面白い時代を生きてきた人たちじゃないかと。

松浦:もう、うちの母から往年のことを聞き出すことはできないんですけれど、たまたま別の仕事の関係で10年前に母に当時の聞き取りをやっていたものですから、そのときのメモと書いた記事を使って最終章に書いたんです。まだまだ書いてないことがいっぱいあるくらいですから、面白い時代だったのかもしれません。スーさんは、そういう意味ではお父様という方を「今」という時点から、探っていますよね。

コメント7件コメント/レビュー

私は対談者たちとほぼ同世代の女性ですが、
いざとなったら外に助けを求められるか心配です。
男性だけの問題とは思えない。
実際、辛いときは私も一人になりたい方ですし。。
かといって外からの介入も微妙です。
あまり突っ込んで色々聞かれるのは好きではありません。
なぜ親しくもない人に自己開示しなくてはならないの?
と思ってしまうところがあります。(2018/08/20 10:55)

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「男性はなぜ辛いとき独りになりたがるのか問題」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私は対談者たちとほぼ同世代の女性ですが、
いざとなったら外に助けを求められるか心配です。
男性だけの問題とは思えない。
実際、辛いときは私も一人になりたい方ですし。。
かといって外からの介入も微妙です。
あまり突っ込んで色々聞かれるのは好きではありません。
なぜ親しくもない人に自己開示しなくてはならないの?
と思ってしまうところがあります。(2018/08/20 10:55)

母の死後、一軒家に一人暮らしとなった父と同居するために東京の仕事を辞めて帰郷した独身の一人娘です。
その父も7年前に亡くなり、現在は職無し家族無しぼろぼろの古民家で一人暮らしです。
経済的には遺産もあり何とかなりますが、20年ぶりに帰郷して病気の父と二人で暮らしていた中高年の独身者には仕事も人間関係も無いまま、たった一人の家族を失った今は本当に孤立して生きています。
介護で孤立するのは男性の独身者だけとは限らず、女性でもある程度の年齢まで一人で働いて生きてきた場合メンタルはおっさんですし(笑)、何でも仕事のように合理的に考え他人を頼らずやっているうちに孤立しがちです。その点では男女の区別はあまり無いのでは?と思いました。(2018/08/18 01:44)

いずれやってくる両親の介護の心構えとしてとても興味深く読みました。
ところで即意当妙?でなく当意即妙では?(揚げ足取りみたいですみません)(2018/08/17 19:03)

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