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なぜ米国でメガチャーチが増えているのか?

記事と動画で見る「キリスト教保守派のリアル」

2018年3月23日(金)

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ドナルド・トランプが当選した2016年の大統領選で浮き彫りになったものは大きく言って2つある。ワシントンの政治家やグローバリゼーションに対する労働者の怒りの声と、東海岸や西海岸とは異なるもう一つのアメリカだ。リベラルな大都市と保守的な南部や中西部、そこに息づくもう一つのアメリカ――。今回は米国の政治や社会に隠然たる影響力を持つメガチャーチ(巨大教会)を見ていく。

(敬称略 ニューヨーク支局 篠原匡、長野光)

 「私も科学者なので、キリストがどのように天地を創造したのかという点は大いに議論したい。だが、誰が天地を創ったのかというところはキリストだと確信している。ダーウィン主義は何もないところから生物が生まれたと考えるが、それが私には理解できないんだよ」

 進化論について話を振ると、キリスト教福音派(エバンジェリカル)の牧師、ダン・ムントンはこう答えた。

 「科学者」と自身を規定したように、学生時代、ムントンは生物学の教師になろうと考えていた。だが、途中で神の存在に目覚め信仰の道に入る。その後、地元ミシガン州でスポーツを通して信仰を学ぶプロジェクトに関わり、その実績が評価されてヒューストン・ファースト・バプティスト教会のミニストリー(牧師の一種)になった。20年以上前のことだ。

 米南部に多いエバンジェリカルは進化論を否定している。聖書には神の言葉が書かれており、旧約聖書の天地創造説を事実とみなしているためだ。先のムントンも「神がすべてを創りたもうた」という立場だが、天地創造には順序があり、社会の中には一定の順序があるとも述べている。起源はともかく、生物が変化すること自体は受け入れているように見える。

ヒューストン・ファースト・バプティスト教会の牧師の一人、ダン・ムントン。かつては生物学の教師を目指していた(写真:Retsu Motoyoshi)

米政治に影響力を持つ宗教勢力

 ムントンが所属するヒューストン・ファースト・バプティスト教会はヒューストン郊外にあるメガチャーチ。メガチャーチとは一度の礼拝に2000人以上集まる巨大な教会のことで、高い動員力と集金力を誇る。日曜の礼拝に7000~8000人を集めるヒューストン・ファースト・バプティスト教会は典型的なメガチャーチの一つだ。

 全米に1600ほどあるメガチャーチは、その大半がエバンジェリカルに属する。冒頭で述べたように、エバンジェリカルは聖書に書かれている内容を絶対視する点が特徴で、妊娠中絶や同性婚、進化論に否定的なスタンスを取る。東海岸や西海岸のリベラル層から見れば、ほとんど宇宙人に近いが、宗教離れが進む米国の中で信者を着実に増やしている。

 メガチャーチには拝金主義や商業主義という批判も根強く、ヒューストン・レイクウッド教会のカリスマ牧師、ジョエル・オースティンのようなセレブ牧師も存在する。教会は法人税が非課税のため、数千人の信者が寄付をしたり書籍を買えば間違いなく儲かる。それゆえに、「信仰を利用した金儲け」と冷めた目で見る米国人も多い。

 それでも、数の力を背景に共和党保守派や政権に隠然たる影響力を持っている。2016年の大統領選でトランプが勝利した背景には、民主党候補だったヒラリー・クリントンを嫌ったエバンジェリカルの支持があった。先日、逝去した著名福音派牧師のビリー・グラハムはリチャード・ニクソンなど歴代大統領の就任式で祈祷を担当している。

 「彼のやっていることには賛成できない部分もある。だが、総合的に言えば、理解できないことよりも理解できることの方が多い」とムントンは言う。物議を醸した在イスラエル米大使館のエルサレム移転でもエバンジェリカルは影響力を発揮したと言われている。聖書に基づき、神はエルサレムをユダヤ人に与えると考えていることが大きい。

 メガチャーチのスタイルは、一般にイメージされるような伝統的なプロテスタント教会とは様相が異なる。日曜の礼拝といえば、黒いガウンを着た牧師の説教を厳かに聞くという印象が強いが、言われなければ普通のゴスペルライブと大差ない。

 2017年11月。午前11時から始まった礼拝もギターとドラムの生演奏で始まった。

コメント7件コメント/レビュー

記事を読んで思ったのは、メガチャーチの運営や企画をどような人が行っているのか知りたいと思いました。おそらく、表には出てこないでしょうね。記事から受ける印象ではバリバリのビジネスマンタイプの人という印象を受けます。まあ、宗教が商売であるというと信者は否定するでしょうが、やっていることは興行そのものです。ジャニーズ教やAKB教と同じですね。(2018/04/17 21:31)

「アメリカのリアル」の目次

オススメ情報

「なぜ米国でメガチャーチが増えているのか?」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事を読んで思ったのは、メガチャーチの運営や企画をどような人が行っているのか知りたいと思いました。おそらく、表には出てこないでしょうね。記事から受ける印象ではバリバリのビジネスマンタイプの人という印象を受けます。まあ、宗教が商売であるというと信者は否定するでしょうが、やっていることは興行そのものです。ジャニーズ教やAKB教と同じですね。(2018/04/17 21:31)

いい記事でした。ただ、このような短い記事では中立的な視点からレポートした方がよかったかも。筆者が感じている胡散臭さが文面からも伝わってきてちょっと残念でした。因みに私は宗教が嫌いなのでメガチャーチの肩を持っているわけではありません。

日本ではお寺が困っている人を助けるとニュースになることを考えると差は大きいですね。日本の仏教も神道も見習うべきだと思います。(2018/03/24 23:13)

アメリカ文化と歴史の理解に、とてもよいテキスト、映像でした。(2018/03/24 13:00)

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