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「マクロン大統領」の命運は6月の議会選が握る

2017年5月2日(火)

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 5月7日に予定されているフランスの大統領選の決選投票まで残り1週間を切った。
 決選投票に残った国民戦線のマリーヌ・ルペン候補と無所属のエマニュエル・マクロン候補はフランス各地で最後の選挙運動を繰り広げている。世論調査ではマクロン候補が勝利する可能性が濃厚だが、ルペン候補も必死に巻き返しを図っており、結果は最後まで分からない。
 仮にマクロン候補が決選投票に勝利したとしても、その先には難題が山積している。決選投票前の状況、そして選挙後の見通しについて、仏ニース大学で政治学を研究するギレス・イバルディ氏に聞いた。

(聞き手は蛯谷 敏)

Gilles Ivaldi(ギレス・イバルディ)
仏国立科学研究センター(CNRS)で政治学の研究員を務めた後、現在は仏ニース大学で仏政治や選挙制度などを研究。フランスや欧州の極右政党に関して深い見識を持つ。

事前の世論調査通り、1回目の投票でマクロン候補とルペン候補が勝ち残りました。マクロン候補は有効投票の24.01%を獲得、ルペン候補は21.30%を手にしました。決選投票も、マクロン候補が勝利する確率が高いと見られています。

イバルディ:基本的にその見方に異論はありません。でも、マクロン候補が圧勝するかというと、その点については慎重に見た方がいいと思います。というのも、マクロン候補の勝利には、まだ2つの不確定要素があるからです。

 一つは、左派の動きです。第1回投票の後、社会党のブノワ・アモン候補やフランシス・オランド大統領は決選投票でマクロン候補を支持すると表明しました。

 ただ、急進左派である左翼党のジャンリュック・メランション候補はいまだマクロン候補に対する態度を表明していません。メランション候補は1回投票で19.58%を獲得しており、アモン候補よりも影響力が大きい。彼がマクロン候補にどう対応するかは、決選投票の結果を占う上で、注視しておくべきでしょう。

 気がかりなのは、マクロン候補は急進左派の受けが決して良くないことです。同候補は政策構想の中で、雇用手当の引き上げや失業保険制度の見直しなど社会保障の拡充策を掲げているものの、急進左派の支持を全面的に受けているかと言えば、疑問符がつきます。

 ルペン候補はこの点を攻撃材料に使っていて、マクロン候補が弱者への理解に乏しく、強者の肩を持つエリートだとして攻撃しています。27日にニースで行なった演説は、マクロン候補への批判に終始していました。彼女のネガティブキャンペーンがどれほど奏功するかは分かりませんが。

 マクロン候補が大統領になったとしても、急進左派の支持をどう取り込むかは大きな課題になるでしょう。

 もう1つのリスクは、右派の動きです。第1回投票で支持率が3位だった右派共和党のフランソワ・フィヨン候補もマクロン候補の支持を表明しましたが、こちらは左派よりもルペン候補に票が流れやすいと見ています。現状はフィヨン支持層の票の20%ほどがルペン候補に行くと見られています。残りの選挙期間で、この割合がさらに増える可能性もあります。

 気がかりなのは、マクロン候補の対応です。第1回投票の後にパリ市内で開いた祝勝会が「浮かれすぎ」だと批判されました。まだ決して安心してはいられない状況にいることをマクロン候補は認識すべきです。

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「「マクロン大統領」の命運は6月の議会選が握る」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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