• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

英下院選挙、目論見狂い窮地のメイ首相

「圧勝」の予想が一転、出口調査は「与党、過半数割れ」

  • 蛯谷 敏

バックナンバー

[1/3ページ]

2017年6月9日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

6月8日の英下院選挙当日、地元の投票所で投票したテリーザ・メイ英首相(写真:AP/アフロ)

 6月8日に実施された英下院選挙は、テリーザ・メイ首相にとって、最悪の結果となる可能性が高まっている。

 8日夜10時(現地時間)、投票が締め切られた直後に英BBCが発表した出口調査の結果によると、与党・保守党は314議席を獲得して第1党の座を守るものの、議席数を選挙前よりも17議席減らし、定数650の半数を割り込む。

 一方、野党第1党の労働党は、選挙前よりも34議席積み増し、266議席を確保する見通し。自由民主党は6議席増の14議席、スコットランド民族党(SNP)は22議席減の34議席とBBCは予想している。

 開票作業は9日の0時現在も進んでおり、大勢は9日の明け方にも判明する。ただ、仮に出口調査通りの結果となると、メイ首相が掲げた早期解散の狙い――議席数を大幅に積み増し「安定した政権基盤を確立」――は頓挫する。

 選挙前よりも議席を減らしたメイ首相の判断に対して責任を問う声が上がるのは必至で、進退問題に発生する可能性もある。6月19日から始まる週に開始されるEU(欧州連合)との離脱交渉のスケジュールにも影響を与えかねず、EUとの交渉の行方は再び混沌としてきた。

 メイ首相は、9日午前にも選挙結果を踏まえ、公式な演説をする予定だ。

圧勝ムードをふいにした痛恨の政策ミス

 「早期の解散総選挙はあり得ない」と断言していたメイ首相。この方針を4月に突然翻したのは、EU(欧州連合)離脱に向けた考え方に温度差がある党内をまとめ上あげる絶妙なタイミングが到来したとの読みがあったからだ(詳細は6月3日号のスペシャルリポート「不意打ち解散総選挙 メイ英首相の深謀」を参照)。与党・保守党と野党第1党の労働党の支持率の差は当時24%。圧倒的な勝利で政権基盤を固めると見られていた。

 ところが、そんな圧勝ムードをふいにしてしまったのが、5月18日に保守党が発表したマニフェスト(政権公約)だった。伝統的な保守党の政策を転換したように見える内容が、本来の支持層から大きな反発を招いた。

 マニフェストでは、電気やガス料金に上限を設けることや、企業の取締役会に労働者の代表の意見の反映するルールを作るなど、従来の保守党の伝統である市場競争を重視した規制緩和政策とは正反対の政策が並んだ。

 中でも保守党の支持層に不評だったのが、高齢者を対象とする社会保障政策だった。保守党は政権公約に、在宅介護を受ける場合の自己負担額は、持ち家を含めた総資産を基準に判断すると明記した。資産評価額が10万ポンド(約1400万円)超の場合は、全額を自己負担しなければならない。

 しかし、住宅価格が高騰している英国では、総資産を10万ポンド以下にするためには、自宅を売却して資産を減らす必要がある。事実上、自宅を売却しなければ政府から介護費用の支援を受けられないため、国民から大きな批難を浴びた。事態を受けてメイ首相は発表から4日後、介護費用の自己負担に上限を設けるなどと発表し方針転換したものの、支持の落ち込みに歯止めをかけることはできなかった。

オススメ情報

「かすむEUの未来」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本には、まだ中国が決して勝てないものがある。それは、優れた「中間層」の人材だ。

丹羽 宇一郎 伊藤忠商事元会長