• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

選挙を受け、英国とEUとの離脱交渉はカオスに

大和総研の菅野泰夫シニアエコノミストに聞く

  • 蛯谷 敏

バックナンバー

[1/2ページ]

2017年6月10日(土)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 6月8日に実施された英下院選挙の波紋が広がっている。9日午前に確定した最終的な選挙結果は、与党・保守党が318議席を得て第1党の座を守ったものの、単独では過半数(325議席)に届かなかった。一方、野党第1党の労働党は262議席を獲得し、前回の232議席から躍進した。

 「安定政権を樹立する」という賭けに失敗したテリーザ・メイ英首相。今後の英国の政治経済、そしてEU(欧州連合)との離脱交渉はどうなるのか。大和総研ロンドンリサーチセンターの菅野泰夫シニアエコノミストに聞いた。

(聞き手は蛯谷 敏)

下院選挙の翌日、続投を表明したテリーザ・メイ英首相(写真:ロイター/アフロ)

与党・保守党は選挙前に圧勝を予想していたものの、一転して、定数の過半数を割り込む結果に終わりました。

菅野:私自身もこの結果に驚いています。予想していた複数のシナリオの中で、英国政治が今後最も混乱する可能性があるものだからです。英国ではハングパーラメント(宙吊り議会=どの政党も定数の過半数に達しない状態)になった場合、政権樹立の優先権を巡るルールが基本的に存在しません。

 従って、現在の政権与党である保守党の意向が必ずしも優先されるわけではない。労働党が他党と連立を組んで与党になることも、実質的には可能です。

菅野泰夫(すげの・やすお)氏
1999年大和総研入社。年金運用コンサルティング部、企業財務戦略部、資本市場調査部(現金融調査部)を経て2013年からロンドンリサーチセンター長兼シニアエコノミスト。研究・専門分野は欧州経済・金融市場、年金運用など。執筆したリポートはこちら

ということは、英国政治は当面は混乱するということですか。

菅野:保守党が過半数を割った場合にどうなるか、次の3つのシナリオが想定されていました。

  • (1)保守党が他党と連立政権を組んで議席の過半数を握る
  • (2)保守党が少数与党政権を発足させ、重要法案ごとに野党からの協力を得ていく
  • (3)保守党が下野し、労働党に連立政権を委ねる

 9日の午後の声明で、メイ首相は(1)を選択しました。保守党は、北アイルランドを地盤とする中道右派政党「民主統一党(DUP)」(10議席)の協力を得る考えを明らかにしています。DUPも保守党との連立に前向きな方針を示しており、何とか過半数を超える政権が樹立できそうです。

一方で、野党の労働党が連立政権を樹立する可能性はどうですか。

菅野:選挙後、ジェレミー・コービン労働党党首は政権奪取の意向を示唆するコメントを発表しましたが、現実的には難しいと思います。想定される連立相手である自由民主党、スコットランド国民党(SNP)など主要政党の議席を合わせても過半数には達しません。さらに、自由民主党は今のところ、どの政党とも連立は組まないと明言しています。

オススメ情報

「かすむEUの未来」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

中小企業の約7割が赤字といわれているが、 今のやり方では金融機関は資金を出さない。

小倉 隆志 Tranzax社長