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中国を飛び出してアフリカへ

iPadを60日でコピーした「山寨王」と呼ばれる発明家

2018年6月26日(火)

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 「深圳ならではの、北京にもシリコンバレーにも東京にもいないようなメイカーを紹介してほしい」と言われたら、僕はまず前々回で紹介したエリック・パンを挙げるだろう。もう一人と言われたら、今回紹介する「山寨王」ことロビン・ウーだ。彼のストーリーには、深圳で行われている「社会実装イノベーション」がすべて詰まっている。

 「メイカーは山寨に生まれ、アフリカに走る」。広東省・広州で行われたTEDx。ロビンはこんなテーマでトークを行い、会場の大喝采を浴びた。

かつてインテルで働いていたロビン。「メイカーは模倣からイノベーションへ」と語る

 ロビン・ウーは1983年生まれ。先ほど挙げたエリック・パンと同い年で、やっと30代半ばに入ったところだ。深圳大学を卒業後インテルに入社。在学中から電気街の電気店でバイトを始め、めきめきと頭角を表した。もともと商売に対する才覚を磨いていたようだ。2009年に自らの会社を立ち上げた彼を一躍有名にしたのは2010年の出来事だ。

 サンフランシスコでアップルのスティーブ・ジョブズはiPadを発表した。ロビンはそれからわずか60日で、インテル製のCPUを搭載したiPadコピーを発売した。まだ中国でiPadが買えない時代、それは大ヒット商品となり、ロビンは「山寨王」と呼ばれるようになった。

 もちろんその「iPad」は外見はそっくりだが、OSはAndroidだしApp StoreにもiTunesにもつながらない。どうしてもiPadがほしい人がロビンの製品で満足したかは疑問だ。だが、中国で正規品のiPadが買えず、出たばかりでさほどiPad専用のアプリもない時代、彼のインテル版iPadはよく売れた。

 「インテル版のiPad(ロビンは自分のiPadをこう呼ぶ)は『タッチパネルの性能が上がって価格も安くなってきているので、全面タッチパネルでキーボードのないラップトップ、つまりはタブレット端末が来る』という感覚が僕の中にあり、関係する部品について調べたり、部品メーカーとやりとりしたりしていた。つまりiPadを作った人たちも自分も、同じような情報をやりとりしていたわけだ」

 「僕が作ったのはアップルが作っていない、インテル版のiPadだ。iPadのニセモノではない。アップルの発表を見て60日で販売できたのは、そういう準備があるからだ。ヒット商品には後追い品が出てくる。アレンジされてだんだん安くなり、普及していくことはどの世界でもある。ウォークマンとかポータブルのCDプレイヤーとか、日本の大メーカー同士でもあるだろう?」

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「中国を飛び出してアフリカへ」の著者

高須 正和

高須 正和(たかす・まさかず)

メイカーフェア深圳など運営

1974年生まれ。アジアで行われるメイカーフェアに世界一多く参加し、深圳・シンガポールでは運営に携わる。スイッチサイエンス(株)の社員として、現在、中国深圳在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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