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トヨタが求めたリーダー教育

企業が注目する高校(2) 海陽中等教育学校

2018年3月26日(月)

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 日経ビジネスの3月19日号の特集「大事なのは高校」では、社会に優れた人材を輩出する上での高校教育の重要性を、実例や科学的見地から解説した。実りある大学教育を実現するために、その前提となる自主性やコミュニケーション力など「非認知能力」を獲得しておく場として、高校に注目が集まっているからだ。
 企業からも注目を集める高校は、既に何年も前から非認知能力に着目し、その育成方法を研鑽してきた学校、あるいは非認知能力を養う伝統が根付いている学校が多い。2006年に誕生した、6年一貫の海陽中等教育学校(愛知県蒲郡市)もその一つだ。トヨタ自動車、JR東海、中部電力を中心に日本の大手企業が立ち上げに参画した海陽の教育は、社会での評価を問われる巣立ちの時を迎えている。

豊田社長から辞令を受けた海陽の卒業生

 「未来を切り開く挑戦者として、新しいトヨタの歴史を作ることが、ここに集まった皆さんの使命です。安定した会社に就職をして自分の将来は安泰などと思わないでください。」

トヨタの新入社員代表に

 昨年のトヨタ自動車の入社式。近年、自動運転車の開発や電動化など大きな環境変化を迎え、度々警句を発している豊田章男社長は、この日も新入社員に向けて発破をかけた。この入社式で豊田社長から辞令を受け取ったのが、海陽2期生で、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)に進学した餅原圭吾さんだった。

 海陽の卒業生は理系の大学院への進学が多いため、本格的に社会人生活が始まるのはこの春からだ。企業の注目度は高い。その誕生の過程が採用担当の目を引くからだ。

 日本を牽引するリーダーは今の教育では育たない。ならば学校を作ってしまえ−−。トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長、JR東海の葛西敬之名誉会長、中部電力の太田宏次元会長の3人が集まった会合でこんな結論に至ったのは、15年前のことだ。この3人の呼びかけでキャノン、パナソニック、日立製作所、日本たばこ産業など企業約80社が協力を約束。計約200億円の寄付が集まった。こうして2006年に誕生したのが海陽中等教育学校(愛知県蒲郡市)だ。

 三河湾に面したリゾート施設のすぐ近く、広大な野原の中にいきなり現れる13万㎡の整地の中に、中高合わせ約650人の生徒が住む12棟の学生寮が校舎と併設されている。旧制高校では一般的だった全寮制を復活させたのが海陽の特色だ。

 全寮制の海陽において、生徒の帰省は原則、長期休暇のみ。日々の買い物もほぼ敷地内の売店で済ませる。中学生に当たる1〜3年生は部活への加入は義務とされている上、夜も2時間の自習時間が設けられており、自由時間は1日当たり夕食も含めて2時間程度しかない。寮にはゲームもマンガも持ち込めず、生徒は雑談や読書などで自由時間を過ごす。

 その代わり、週末はバーベキューや旅行、スポーツ大会など、寮の棟ごとに各種のイベントを設け、生徒も企画役として巻き込んでいく。苦手な同級生や先輩だろうと否応無くお互いにコミュニケーションを取らなければいけない場をつくる。同時に、生徒が自主性を発揮できる分野を見つけさせる狙いだ。

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「トヨタが求めたリーダー教育 」の著者

寺岡 篤志

寺岡 篤志(てらおか・あつし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞で社会部、東日本大震災の専任担当などを経て2016年4月から日経ビジネス記者。自動車、化学などが担当分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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