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「公平な人事」が、まさかのブーメランに

2017年10月27日(金)

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有能な部下との距離感がつかみにくなり……

 おおよそ、会社に不満のない会社員はいないだろう。不満にはいろいろな理由があるが、もっとも多く、かつ1人ひとりへのインパクトが大きいのは、人事をめぐる問題だと思う。
 そして、時には組織を大きく揺るがすこともある。

 Gさんは、本社の課長職について2年目を迎えた。おもにIT関連に強い商社で、日本全国はもちろん、世界にネットワークを広げている。
 だから何といっても「人」が生命線であり、管理職として何より気をつかうのが人事である。
 課長になってから1年以上が経ち、ようやく自分なりのチーム作りを意識する余裕が出てきた。次の定期異動では、自分の意向を部長に伝えることになる。

 (さて、どうしようか…)
 Gさんの課の業績は、十分に評価されていた。普通に考えれば、「骨格を変えない」ことが基本線だろう。
 しかし、Gさんには引っかかることがあった。間もなく30歳になる、部下のA君だ。

 彼は入社した時から、Gさんのもとでキャリアを積んできた。同期でも既に転勤などで異動した者は結構いる。しかし、A君を異動させるタイミングは難しい。
 なぜなら、彼は得意先からの評価も高く、後輩の面倒見もいい。つまり、「エース」なのである。

 Gさんは、A君を育ててきたという自負がある。ところが、最近になって段々と距離感をつかみにくくなってきた。A君は、現場の状況をしっかり把握している。だからGさんの知らないところで、どんどん仕事を進めて「事後報告」のようになることも出てきた。
 

 とはいえ、いまさら「報連相」を指示するのも大人気ない。
 そんな中で、今後のチーム作りを考えねばならないわけである。
 さて、A君をどうしようか。それがGさんの悩みのタネだった。

あえて「エース放出」の決断を下す

 やがて、部長との面談が近づいてきた。
 いまの部長は、異動については課長の意見を重視する。仮に、A君を「出してもいい」と言えば、その方向で調整される可能性が高い。そして、その場合には支社への転勤という選択肢もあった。

 Gさんの会社の売上は、近年になって東京本社の比重が高まっている。多くの会社が首都圏に集中していることの反映だろう。転勤をしないままマネージャーになる者も増えてきた。
 その一方で、人事は全社的なバランスを重視する。支社にもそれなりの能力の者を送り込みたいし、露骨に「飛ばされた」ような異動は好まない。
 有能な部下を囲い込みたがるマネージャーが多い中で、能力の高い者を「放出する」決断をすれば、部長にとってもありがたいだろう。

 それはまた、人事からも評価されるのではないか。
 ここは、敢えてA君を出して地方からの「戻り組」の受け入れをするべきかもしれない。
 Gさんのアタマの中には、そんな計算が働き始めていた。

コメント8件コメント/レビュー

公平な人事(本人と話し合いは行っていない)は常識なんですかね?
それで「本人の為」と言う妄想はどこから来るのか謎ではあります。
(自社でもよくある話ではありますが。。。)(2017/10/27 14:22)

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「「公平な人事」が、まさかのブーメランに」の著者

山本 直人

山本 直人(やまもと・なおと)

コンサルタント・青山学院大学講師

博報堂でクリエイティブ、研究開発、人事などを経て2004年に独立。キャリア開発とマーケティングの両面から企業を対象にした活動をおこなう。著作に「グッドキャリア」など多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

公平な人事(本人と話し合いは行っていない)は常識なんですかね?
それで「本人の為」と言う妄想はどこから来るのか謎ではあります。
(自社でもよくある話ではありますが。。。)(2017/10/27 14:22)

難しいのは組織やシステムで人ではないと思う。人の思いなど単純。優秀な人ほど、みていれば何に対する志向が強いのかもわかる。異動が不満で転職してしまうかもしれないと想像できないのは、世代間ギャップによるものか。会社の人事部門なんて、会社のためなど考えず人数調整するだけのものだとなぜわからないのか。あー、難しくもなかった。記事の事例だと囲い込みが会社にとっても正解だ。(2017/10/27 13:50)

私にはちっとも「公平な」人事には思えないです。
A君が自分の手を離れていくのが気に入らなかった、というの異動のアイデアのもともとの出どころになっています。そんな風に気分で決められた方向は、どんなに取りつくっても結局は不自然で恣意的に見えるものになるものです。例えば、本当にA君のことを考えているのなら、当然転勤先にまで気を配るはずです。
「人を呪わば穴二つ」ということを端的に表しているエピソードだと思います。(2017/10/27 13:31)

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