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50歳の正月休み、今だからこそ染みる「文学」

2016年12月26日(月)

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ビジネス書だけでは得られない「解」

 Xさんのその年の12月は、例年に比べて少し落ち着いていた。初夏の辞令で課長職を離れて、次長に昇進した。上からは「大所高所の視点で」と言われる中二階のようなポジションで、現場から離れた分、時間的には余裕ができた。

 ただ、組織改革や新規プロジェクトなどを統括するため、「いままで使わなかったアタマ」を使うことにもなった。

 元々、本は好きだったXさんだが、気が付くといわゆる手に取る書籍はいわゆる「ビジネス書」が増えていた。ただ、今の歳になると、そうした書籍の中から得られる現実生活への「解」は限られているようにも感じるようになった。

 50歳ともなれば、段々と自分のこれからが見えてくる。さらに「上」へ行ける可能性はあるものの、希望通りの道が用意されないケースも多分にあり得る。これまでのような一本調子の生き方では、場合によっては、自分自身も行き詰まるのではないか――。漠然と、そんな不安を抱いたりもする年齢だ。

 時間の取れる、年末にじっくりと本を読んでみたい。それも、ビジネス書ではなく「文学」を。仕事だけではなく、自分の生き方を見つめ直すために。Xさんはそう思った。

 そんな時に思い浮かんだのが、Zさんだ。もともとは営業の第一線で活躍し、海外赴任の経験もある。その後広報室長を務めたが、60歳を前にして役職は外れた。

 それでもZさんは貴重な人材と言われている。その幅広い読書量と、そこから生み出される「知恵」が、依然として大きな魅力の一つであるからだ。広報の仕事で、そうした力は十分に発揮された。気さくで話好きだから、いまでも社外の記者などにファンが多い。

 Xさんは仕事でなんどか世話になったこともあり、本選びのヒントがもらえないかと思いZさんに声をかけたところ、快く時間を作ってもらえた。

コメント4件コメント/レビュー

吉村昭の漂流は傑作(2016/12/26 19:15)

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「50歳の正月休み、今だからこそ染みる「文学」」の著者

山本 直人

山本 直人(やまもと・なおと)

コンサルタント・青山学院大学講師

博報堂でクリエイティブ、研究開発、人事などを経て2004年に独立。キャリア開発とマーケティングの両面から企業を対象にした活動をおこなう。著作に「グッドキャリア」など多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

吉村昭の漂流は傑作(2016/12/26 19:15)

すみません、先のコメントの入力間違い。「草もく」でなく「草もう」です。(2016/12/26 14:36)

賛成です。どんな入口でもいいので、芸術的な本を読むのは、長い目で見れば御本人の人生を豊かにすることにつながりますので。

ただ、教訓や人生の指針を汲み取ろうという狭い読み方は損だと思います。それは、結局は、本を「ビジネス書」として読んでいるに過ぎませんので。(この記事は、「どんな本でもビジネス書になる」と言っているに過ぎない、とも読めます。)

役立つことを読み取ろうとするのではなく、想像力を羽ばたかせて、他人の人生や知らない世界を疑似体験することで、自分の世界認識が影響を受け、いつか知らないうちになんらかの形で自分の人生に役立っている、ぐらいに思っておくのが良いのではないでしょうか。(2016/12/26 11:38)

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