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ロシアが北朝鮮情勢を注視する真の理由

米国のミサイル防衛網配備に懸念

2018年1月12日(金)

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北朝鮮の核よりシリア問題

 独立系の世論調査会社レバダ・センターが昨年12月、ロシア市民を対象に「2017年の最も重要な出来事」は何だったかを問う世論調査を実施したところ、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いやロシア軍の撤退宣言などを含め、圧倒的なトップがシリアでの戦闘だった。

 続いて2位がロシアのスポーツ界を揺るがすドーピング・スキャンダル。国際オリンピック委員会(IOC)が平昌冬季五輪へのロシア選手団の参加を禁止する一方で、潔白な選手は「ロシアからの五輪選手」として個人参加を認める方針を決めたことが高い関心を呼んだ。そして3位はプーチン大統領の次期大統領選への出馬表明。半面、北朝鮮の核実験や北朝鮮をめぐる紛争は、ロシア革命(十月革命)から100年と並んで10位にとどまった。

 日本と違ってロシア社会では、北朝鮮の核・ミサイル開発はさほど深刻な脅威とは受け止められていないようだ。では、ロシア軍がS-400の運用を開始するなど、北朝鮮との国境防衛強化に乗り出しているのは米国と北朝鮮の軍事衝突を警戒するためなのだろうか。

 プーチン大統領の側近のニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記は昨年末、ロシア紙「論拠と事実」のインタビューで、「米政権は韓国に25万人の米国人がいるという現実を考慮せざるを得ない。仮に朝鮮半島で大規模な軍事行動が起きれば数万人の米国市民が犠牲になる」と述べ、トランプ政権が軍事オプションを選択する可能性は極めて低いとの見通しを示した。

ミサイル配備は韓国の米軍の動きに対処したもの

 興味深いのはむしろ、パトルシェフ書記の次の発言だ。「もはや誰にとっても秘密ではないが、北朝鮮の核・ミサイル問題は、ロシアと中国を抑止するため、アジア太平洋地域の軍事化を続ける口実に使われている。米国は世界的なミサイル防衛(MD)システムの要素をこの地域の国々に次々と配備して計画を実現している。北朝鮮情勢の緊張は多分に、米国の戦略的な目標実現に寄与しているという側面を見逃してはならない」というのだ。

 パトルシェフ書記の主張を踏まえれば、ウラジオストクでのS-400の運用開始は緊迫する北朝鮮情勢に対処するというよりも、米国主導の中ロを標的にしたMDシステム配備の動きに対抗するのが真の狙いとみることができるだろう。

 ロシアは実際、自国の安全保障を脅かすとして、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の在韓米軍への配備に強硬に反発。プーチン大統領は昨年7月に中国の習近平国家主席が訪ロした際、北朝鮮問題に関する中ロの「共同声明」をまとめ、在韓米軍へのTHAAD配備の即時中止を求めた経緯もある。

 THAAD配備について米韓両国は、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対抗するのが目的と説明するが、中ロは高性能レーダーによって自国のミサイル基地が監視されると警戒している。とくに中国は韓国企業を標的にした事実上の「経済報復」まで実施し、中韓関係は大きく悪化した。韓国はTHAADの追加配備をしないといった約束をしてようやく文在寅(ムン・ジェイン)大統領の昨年末の訪中を実現したものの、THAADを巡る対立は解消していない。

コメント2件コメント/レビュー

馬鹿馬鹿しい。
露がイージスアショアに文句を付けてきたら「ならば貴国の力で北の核を排除して下さい」
と言えば良いだけ。何も難しくはないでしょう?(2018/01/12 09:43)

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「ロシアが北朝鮮情勢を注視する真の理由」の著者

池田 元博

池田 元博(いけだ・もとひろ)

日本経済新聞社編集委員

1982年、日本経済新聞社に入社。90~93年にモスクワ特派員、97~2002年にモスクワ支局長。その後、ソウル支局長(05~08年)も歴任。08年から論説委員会に在籍。編集委員も兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

馬鹿馬鹿しい。
露がイージスアショアに文句を付けてきたら「ならば貴国の力で北の核を排除して下さい」
と言えば良いだけ。何も難しくはないでしょう?(2018/01/12 09:43)

平和条約の締結なんか、する気もないくせに思わせぶりなことを言うもんだ。
忘れてはならないのは、米国がTHAADを配備したのは、真の思惑は別として北朝鮮が脅威化し始めたのがことの始まりであり、何度も繰り返し止めろと忠告しても止めないし、中ロは国連でも止めようとする決議案には必ず反対し、むしろ北朝鮮を使って極東の支配を拡大しようとしている。
だから平和条約なんか結ぶわけがないし、楔を打ち込もうとする米国の動きを牽制しようとするのだ。(2018/01/12 08:31)

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