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「車椅子の歌姫」がロシアとウクライナに翻弄

クリミア問題を巡る対立が娯楽の世界に飛び火

2017年4月28日(金)

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 クリミア半島の帰属問題などで激しく反目するロシアとウクライナ。かつては共にソ連を構成する共和国だったのに、相互不信の根は深い。両国の対立の影響は、国際政治と全く無関係な娯楽の世界にまで飛び火しつつある。

ウクライナへの入国を禁じられた、「車椅子の歌姫」ことユリヤ・サモイロワさん(写真=AP/アフロ)

 ロシアとウクライナの両国で最近、お茶の間の話題をさらっている題材がある。欧州の国際歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」をめぐるドタバタ騒ぎだ。

 ユーロビジョンは欧州放送連合が主催し、同連合に加盟する放送局が組織して毎年開かれている。欧州では1956年以来の長い歴史がある。最近はオーストラリアなど欧州以外の参加国も増えており、今年はロシアを含めて43カ国が参加を予定していた。

 ユーロビジョンは国別対抗の歌合戦で、各国で毎年、生放送でテレビ放映される。順位は参加国の専門審査員と一般視聴者が自国以外の歌手に投票して決める。優勝した歌手の出身国が、翌年の歌謡祭の開催国となる権利を持つ。

 昨年はウクライナの代表が優勝した。このため今年は5月上旬に首都キエフで開催される。反ロ感情が根強い国での開催とあって、ロシアではボイコット説もとりざたされたが、ロシアの政府系テレビ局「第1チャンネル」は参加を決定。「車椅子の歌姫」として知られるユリヤ・サモイロワさんを今年のロシア代表に選んだ。

 サモイロワさんは国内の歌謡祭などで受賞歴があり、2014年にソチで開いた冬季パラリンピックの開会式で歌声を披露したこともある。実力派の選定だったが、問題が直ちに浮上した。開催国のウクライナ側が難癖をつけたのだ。

 問題視したのはサモイロワさんが2015年、ウクライナ政府の許可を得ずにクリミア半島を訪問し、公演した過去の経歴だった。

 ロシアは2014年春、ウクライナ領のクリミアを一方的に併合した。ウクライナ政府はこれに猛反発し、両国関係が修復不能なほどこじれるきっかけとなったわけだが、併合後のクリミア訪問歴があるサモイロワさんをロシアが代表に選んだことに異議を唱えたのだ。

 それだけではない。ウクライナのポロシェンコ大統領は「ロシアの意図的な挑発行為だ」と非難。同国の保安当局は過去の「違法なクリミア訪問歴」を理由に、サモイロワさんのウクライナ入国を3年間にわたって禁止してしまったのだ。これにより、サモイロワさんの今年のユーロビジョン参加の道は閉ざされた。

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「「車椅子の歌姫」がロシアとウクライナに翻弄」の著者

池田 元博

池田 元博(いけだ・もとひろ)

日本経済新聞社編集委員

1982年、日本経済新聞社に入社。90~93年にモスクワ特派員、97~2002年にモスクワ支局長。その後、ソウル支局長(05~08年)も歴任。08年から論説委員会に在籍。編集委員も兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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