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対日経済協力の窓口、ロシア閣僚解任の深い謎

北方領土問題進展を阻止する勢力による陰謀説の真偽

2016年12月9日(金)

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 ロシアで先月、対日経済協力の窓口も務めていたウリュカエフ経済発展相(当時)が収賄容疑で突然拘束され、解任された。日ロの北方領土問題進展を阻止する勢力が仕組んだとの見方も一部にあるが、真相はどうなのか。

ロシア連邦捜査委員会は11月15日、ウリュカエフ経済発展相を収賄容疑で拘束したと発表した。(写真:ロイター/アフロ)

 ロシア連邦捜査委員会がウリュカエフ経済発展相(当時)を収賄容疑で拘束したと発表したのは、先月15日未明のことだ。中堅石油会社「バシネフチ」の民営化(政府保有株の売却)に当たり、国営石油最大手「ロスネフチ」が一括購入できるよう便宜を図り、見返りに賄賂として200万ドルを受け取ったというものだった。

 ウリュカエフ氏は刑事訴追され、裁判所は自身の健康状態や高齢の両親を抱えているといった家庭環境を考慮し、来年1月中旬まで2カ月間の自宅軟禁を命じた。

 プーチン大統領は「信頼を失った」として、ウリュカエフ氏を直ちに経済発展相のポストから解任した。大統領は先月末には、同相の後任としてマクロ経済政策に精通した若手の財務省次官を抜てきした。

あまりに不可解…くすぶる陰謀説

 こうした事実関係だけを拾えば、ロシアでありがちな閣僚や官僚の収賄スキャンダルにしか見えない。ただ、当時のウリュカエフ氏の政権内の立場や身柄拘束の経緯などを踏まえると、実際は不可解な点も少なくない。何者かによる陰謀説がくすぶるゆえんでもある。

 まずは身柄拘束に至った当日の経緯だ。ロシアメディアによれば、ウリュカエフ氏は先月14日夕刻、省内で開かれていた会合を中座し、公用車でロスネフチのオフィスに向かった。ロスネフチのオフィス内で、同氏は100万ドルの入ったカバンを渡され、残る100万ドルは車に運ぶと言われた。

 その現場に治安機関の連邦保安庁(FSB)職員らが押し入り拘束された。ウリュカエフ氏は現金には触れていないと反論したものの、カバンの把手に触れた痕跡が決め手になったとされる。同氏は裁判所でも容疑を否認した。一方のFSBは「おとり捜査」だったと認めるとともに、1年以上前から監視を続け、数カ月前からは電話の盗聴もしていたと明かしたという。

コメント2件コメント/レビュー

ロシアの動向には注視していきたい。北極海航路が本格的に動きだせばロシアは巨大な「沿岸国(?)」になる。「海洋国家」としての性格が強まるということだ。その場合にこの航路の要衝はベーリング海と北西太平洋,北東大西洋ということになる。(もちろん北極海ロシア沿岸もだが,これは明確なロシアの「版図」なのでロシアにとっては考えなくてもよい。)この地域に影響力を持つのが米国,日本,ノルウェー,英国,(アイスランド,デンマーク)ということになるだろう。北極海航路の価値が上がれば上がるほど,ロシアにとってこれらの国々との関係は重要になる。もちろん巨大市場としてのEU,ヨーロッパと極東・中国,(東南アジア)との関係もビジネスとして良好でなければならない。いずれにしても,世界平和にも極東の安定にもプラスになる話だ。そしてこの枠組みののどに刺さったとげが「北方領土」(及び周辺地域の領有権)問題だ。ロシアがどこまで本気かを計り,また,極東ロシアの開発との2本立てで大ロシアの発展戦略ビジョンを示せば領土交渉のロシア側の意味が変わるのではないか。さらに,AIIBが動いて「ハイパーシルクロード」がシベリア鉄道を無用化し,多元的ロジスティクスの中核に座ればシベリアは「不毛の大地」として決定づけられる可能性を示唆して交渉を急がせるのも一つのツールだろう。いずれにしても,「今」は領土交渉における望外の好機かもしれない。案外それをロシアはわかっていて,日本がわかっていないのではないだろうか。(2016/12/09 11:31)

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「対日経済協力の窓口、ロシア閣僚解任の深い謎」の著者

池田 元博

池田 元博(いけだ・もとひろ)

日本経済新聞社編集委員

1982年、日本経済新聞社に入社。90~93年にモスクワ特派員、97~2002年にモスクワ支局長。その後、ソウル支局長(05~08年)も歴任。08年から論説委員会に在籍。編集委員も兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

ロシアの動向には注視していきたい。北極海航路が本格的に動きだせばロシアは巨大な「沿岸国(?)」になる。「海洋国家」としての性格が強まるということだ。その場合にこの航路の要衝はベーリング海と北西太平洋,北東大西洋ということになる。(もちろん北極海ロシア沿岸もだが,これは明確なロシアの「版図」なのでロシアにとっては考えなくてもよい。)この地域に影響力を持つのが米国,日本,ノルウェー,英国,(アイスランド,デンマーク)ということになるだろう。北極海航路の価値が上がれば上がるほど,ロシアにとってこれらの国々との関係は重要になる。もちろん巨大市場としてのEU,ヨーロッパと極東・中国,(東南アジア)との関係もビジネスとして良好でなければならない。いずれにしても,世界平和にも極東の安定にもプラスになる話だ。そしてこの枠組みののどに刺さったとげが「北方領土」(及び周辺地域の領有権)問題だ。ロシアがどこまで本気かを計り,また,極東ロシアの開発との2本立てで大ロシアの発展戦略ビジョンを示せば領土交渉のロシア側の意味が変わるのではないか。さらに,AIIBが動いて「ハイパーシルクロード」がシベリア鉄道を無用化し,多元的ロジスティクスの中核に座ればシベリアは「不毛の大地」として決定づけられる可能性を示唆して交渉を急がせるのも一つのツールだろう。いずれにしても,「今」は領土交渉における望外の好機かもしれない。案外それをロシアはわかっていて,日本がわかっていないのではないだろうか。(2016/12/09 11:31)

最後の一文はこれまで通り過ぎて、ロシア側は真剣に日本と平和条約を結ぶ気は永久にないと思っています。
プーチン大統領はロシアの国益を最大限にするために安倍首相に接近しているのであって、火事場泥棒と言われようが、相手の隙を突いて奪い取った領土を渡さなければならない理由は何一つないのです。徹頭徹尾、領土を返還する素振りだけ見せて、経済協力を取り付けられれば成功で、仮に首脳会談前と変わらなくとも大して困らない。資源輸出国でいられる間は。
そういうロシアの態度は、最近のゴルバチョフ元大統領の発言からも明らかです。(2016/12/09 08:37)

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