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話題づくりに腐心するプーチン再選戦略

実質4期目、ビジョン曖昧で有権者はマンネリ気味

2017年12月22日(金)

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 プーチン大統領が来年3月の大統領選への出馬を表明した。国内の支持率は8割を超え、有力な対抗馬もいない。再選は確実だが、手をこまぬいていれば国民の選挙への関心が低下しかねず、政権も話題づくりに腐心しているようだ。

12月6日、ロシアのプーチン大統領はニジニーノブゴロドのゴーリキー自動車工場の創業85年式典で大統領選出馬を表明した(写真:代表撮影/AP/アフロ)

 時は12月6日、場所は西部ニジニーノブゴロドにある大手自動車会社「ゴーリキー自動車工場(GAZ)」。プーチン大統領は同社の創立85周年の祝賀式典に出席し祝辞を述べた。すると間髪を入れず、式典の司会者から質問が出た。

 司会者「あなたは本日、ボランティアのフォーラムで大統領選に出馬するかを聞かれました。あなたは国民が支持してくれるなら出馬すると答えました。さて今日、この会場では例外なく、全員があなたを支持しています。ウラジミル・ウラジミロビッチ、我々にプレゼントを下さい。ここで自らの決断を表明してください。なぜなら、我々はあなたの支持者だからです」

 プーチン大統領「ありがとう、本当にありがとう。(出馬)表明の場として、ここより良い場所も良い手段もないでしょう。支持をありがとう。私は大統領候補者として出馬します。本当にありがとう」――。

 司会者が言及した「ボランティアのフォーラム」はプーチン大統領が同日、GAZ訪問前にモスクワで参加した催しだ。若者を中心にしたボランティア活動を表彰するこの式典で、大統領は2018年春の大統領選に出馬するのかという質問を受けた。大統領はいつもなら「何も決まっていない」と受け流すのに、この日はまず、「(出馬表明は)誰にとっても非常に責任の重い決断となる」と強調した。

 大統領は続けて、人々の生活を向上させ、より強大で防御され、将来に向けた明確な指針のある国にしたいという欲求が立候補の動機となると指摘。こうした目標を達成できるかどうかはひとえに、人々が自分を信頼し支持してくれるかどうかにかかっていると強調した。その上で「もし、私がそのような(出馬の)決断をしたら、皆さんはその決断を支持してくれるでしょうか」と参加者に問う形で、暗に国民の支持を促していた。

 会場からはすかさず「支持します」との声があがったものの、大統領はこの場では「近いうちに私の決断を公表します」と答えただけだった。そして、その日のうちにGAZの創立85周年式典に参加し、出馬表明となったわけだ。

 労働者たちの熱烈な支持に背中を押され、長らく逡巡(しゅんじゅん)していた大統領選への出馬をついに決断した――。そんな演出だったのだろう。偶然を装ったようだが、2つの式典を巧みに使って効果を盛り上げる。大統領府が事前に練りに練ったシナリオに基づくパフォーマンスだったことは疑いない。

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「話題づくりに腐心するプーチン再選戦略」の著者

池田 元博

池田 元博(いけだ・もとひろ)

日本経済新聞社編集委員

1982年、日本経済新聞社に入社。90~93年にモスクワ特派員、97~2002年にモスクワ支局長。その後、ソウル支局長(05~08年)も歴任。08年から論説委員会に在籍。編集委員も兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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