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守るべきものがあるから、変革し、協創する

第20回:労働人口減少とAI失業をどう乗り越えるのか

2018年1月18日(木)

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 近年、ビジネスパートナーとの協創に力を入れるドコモ、ITサービスとコンサルティングの融合を急ピッチで進める野村総合研究所、そしてテンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)を母体とし、インテリジェンス(現パーソルキャリア)などを統合したパーソルグループ。この3社のトップはそれぞれ、「今」という時代をどのように捉え、そしていかにしてイノベーションを興そうとしているのだろうか。

NTTドコモの吉澤和弘氏(以下、吉澤):30年前に携帯電話の1号機を世に出して、その5年後に弊社が設立されました。大きかった携帯電話がその後どんどん小さくなり、通話だけでなく、ネットワークの進化に合わせてパケット通信が本格化しました。2000年直前に「iモード」を搭載するようになって「フィーチャーフォン」と呼ばれるようになり、その10年後、今皆さんが持っているスマートフォンにまで進化しました。

吉澤和弘(よしざわ・かずひろ)氏
NTTドコモ取締役社長。1979年、日本電信電話公社(現NTT)に入社。入社以来、移動体通信事業に従事。最初の携帯電話TZ-802型の開発・実用化に携わる。1992年の設立とともにエヌ・ティ・ティ移動通信網(現NTTドコモ)に転籍。第二法人営業部長、人事部長、経営企画部長、NTTドコモ・ベンチャーズ社長を歴任し、代表取締役副社長を経て、2016年6月に代表取締役社長に就任、現在に至る。高校時代には強豪サッカー部に在籍していたスポーツマン(写真:北山 宏一、以下同)

 モバイル通信における通信速度も、それこそムーアの法則を超える勢いで進化してきました。それにつれて、私たちの提供するサービスも発展してきたわけです。

 しかし、残念なことにグーグル、アップル、アマゾン、フェイスブックといったグローバルプラットフォーマーになかなか伍していけない。そこを何とかしないといけないと考えています。

 私たちとしては、ドコモの持つポイント、送客、AIエージェント、IoT(モノのインターネット)、ドローンなどのアセットを活用したオープンなビジネスプラットフォームを進化させていきたいと考えています。そして、パートナーの皆さんにご利用いただくことで、パートナーのビジネスを支え、商流を拡大していきたいのです。

 こういった取り組みは、当然ながら私たちだけではできない。翻って考えてみれば、もはや自分たちだけでできることは非常に限られています。パートナーの強みに、ドコモの持つビジネスアセットの強みをプラスすることで、新しい価値を創り出していく。まさに「協創」戦略こそが最重要課題の時代に入ったと考えています。

野村総研の此本臣吾氏(以下、此本):当社は携帯電話が登場したのと同じ約30年前に、旧野村総研というシンクタンクと野村コンピュータシステムというITサービスの会社が合併してできた会社です。当時の野村證券のトップであった田淵節也会長の慧眼ですね。

此本臣吾(このもと・しんご)氏
野村総合研究所取締役社長。1985年、野村総合研究所に入社。台北支店長、コンサルティング事業本部長、システムコンサルティング事業本部長などを経て、2015年に代表取締役専務執行役員に就任。2016年4月に代表取締役社長に就任し、現在に至る。同社において、初のコンサルティング部門出身の社長。自身が先輩から叩き込まれたという「1つのセンテンスに100のエビデンスを準備せよ」というファクトを突き詰めるDNAを重視する。

 田淵会長は「これからの世の中は、ITのないコンサルティングも、コンサルティングのないITもあり得ない。君たちにはまだ分からないかもしれないが、30年後にその意味が分かる」と言われました。本当に私たちには、最近までその真意が分からなかった。

 しかし、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の時代になったここ数年、急速にその意味が現実味を帯びてきたのです。まさに、コンサルティングとITという二つの領域の協業にこそ価値がある。いや、それ以上に、好むと好まざるとに関わらず、一緒にやらなくてはいけない時代になってきてしまったのですね。

 だから、大先輩の思いを託された私たち現役世代の責任は重いと思っています。これから新たなイノベーションを本当に興さなければいけないという、30年前の合併の思いを一気に開花させなければならない。会社の歴史で言うと、そんなステージなのです。

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「守るべきものがあるから、変革し、協創する」の著者

西口 尚宏

西口 尚宏(にしぐち・なおひろ)

一般社団法人JIN専務理事

上智大学経済学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒(MBA)。日本長期信用銀行、世界銀行グループ人事局,産業革新機構 執行役員nadoを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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