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2つの“ソウギョウ”を両立する革新経営

第1回:企業にイノベーションを興すのは誰の仕事か?

2017年4月6日(木)

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 「大企業からイノベーションは興らない」と言われて久しい。「大企業からイノベーションは興らないので、企業を飛び出すべきだ」「スタートアップやベンチャーとの連携に活路を見出すべきだ」とも言われる。本当にそうだろうか?

「イノベーション」の常識を疑え

 もちろん、大企業からイノベーションを興すことは難しい。大企業でイノベーションがつぶされる事例は枚挙にいとまがない。だが、イノベーション自体は誰にとっても難しい。ならば、イノベーション自体の難しさと大企業特有のイノベーションの難しさとを区別して議論すべきだろう。さらに、もし大企業からイノベーションが興せないのであれば、ベンチャー企業は大きく成長をしてはいけないことになる。大企業からイノベーションを興す方法論の理解は、既存企業のみならず、ベンチャー企業にとっても重要な課題なのだ。

 経済産業省、株式会社WiL、一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)が共同運営している「イノベーション100委員会」では、企業がイノベーションを興すための方法を探るために、変革の思いを持ち、行動を起こしている企業経営者に、2015年から座談会やインタビューでイノベーション経営について議論してきていただいた。

 その結果見えてきたのは、「変革を起こす経営者の姿」である。本連載では、変革に向けた挑戦を続けている経営者の皆さんのイノベーションに関わる思いと行動を世界各国の最新のイノベーション事情を交えてお伝えすることにより、日本が技術立国から価値起点のイノベーション立国に脱皮していく一助になればと思う。

世界の潮流:「価値基点」でイノベーションを考える

 イノベーションの世界的潮流は、イノベーションから生み出される「価値」を起点にしてものを考えることだ。その根底には、2004年にアメリカで発表された「パルミサーノ・レポート」(注1)で用いられたイノベーションの定義が流れている。

注1:米国の競争力評議会(Council on Competitiveness)作成のレポート。1990年代から現在に続く米国経済繁栄の基礎戦略を示した、通称「ヤング・レポート」(1985年公表)の後継版に相当。議長を務めた米IBMのサミュエル・パルミサーノCEO(当時)の名をとって、「パルミサーノ・レポート」と呼ばれる。

 同レポートでは、「イノベーションとは発明(invention)と洞察(insight)の交差点で経済的・社会的価値を生み出すこと」と定義されている。発明単体でもなく、洞察単体でもなく、その交差点で生み出される「価値」がイノベーションというのは非常に重要な考え方だ。その定義に基づくとイノベーションは、新規事業のみならず、本業革新も含むのが妥当だ。デジタル社会が急速に進展していくなかでは、業界を問わず、本業が従来通りの価値を出し続けていくことは益々難しくなっていく。

 さらに日本では「イノベーションとは技術革新である」「イノベーションとは発明、発見、アイデアである」と誤解されることが多いが、これはかつて高度経済成長期に生まれたイノベーションの訳語「技術革新」が広く流布したためだろう。しかしながら、いずれも具体的な用途に転用され、何らかの売り上げが計上されるまでは、この定義によるイノベーションは無価値と考えるべきだ。かつて、GEのイメルトCEOから言われた「売れない発明はイノベーションではない」という言葉は示唆に満ちている。

コメント2件コメント/レビュー

失われた30年間にイノベーションを起こした大企業。ありましたっけ?所詮バブルの頃、「もはや米国から学ぶものはない」不景気に入ると「この状況はすぐに好転するはず」アベノミクスが景気最長といっても消費は高まらず、東芝は堀江さん以上に悪質なのに誰も罰せられず、技術流出が怖いからで守ろうとする。この国は所詮変化を怖れる国ですから。(2017/04/09 06:00)

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「2つの“ソウギョウ”を両立する革新経営」の著者

西口 尚宏

西口 尚宏(にしぐち・なおひろ)

一般社団法人JIN専務理事

上智大学経済学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒(MBA)。日本長期信用銀行、世界銀行グループ人事局,産業革新機構 執行役員nadoを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

失われた30年間にイノベーションを起こした大企業。ありましたっけ?所詮バブルの頃、「もはや米国から学ぶものはない」不景気に入ると「この状況はすぐに好転するはず」アベノミクスが景気最長といっても消費は高まらず、東芝は堀江さん以上に悪質なのに誰も罰せられず、技術流出が怖いからで守ろうとする。この国は所詮変化を怖れる国ですから。(2017/04/09 06:00)

 つまるところ外から入った、外国語のコンセプトをしっかり定義もせずに受け入れた結果でしょう。これを煎じ詰めれば、言葉のもつ本来の役割、つまり相手の論理を読み、こちらの論理を伝え、広げる(つまり、コミュニケーションをとる)と言うことに無頓着だったからでしょう。(2017/04/06 09:09)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官