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ゼロから1を生み出すために多様性を味方にした

第24回:市場主義とオープンイノベーションが成長を生む(2)

2018年4月18日(水)

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左からカネカの角倉護社長、日本郵便の横山邦男社長(写真:北山 宏一、以下同)

 リーマン・ショックで成長の限界が見えたカネカと、郵便物の減少や人手不足の課題に直面した日本郵便。素材メーカーと郵政事業という異なる業界に属する2社であるが、それぞれが問題に直面し、そこからイノベーションを興すための戦略には、共通項が多々あった。

 カネカは社外起点でのオープンイノベーションを目指し、日本郵便はダイバーシティの考え方を積極的に取り入れ、事業の変革を興そうとしている。「イノベーション100委員会」(※)でカネカの角倉社長と日本郵便の横山社長が、「変革と成長」のに向けた方針と組織作りについて語り合った。(前編はこちら

サプライチェーンをたどって、できるだけ消費者の近くへ

 変革のアイデアはどのように集めているのだろうか。あるいは、生み出しているのだろうか。

カネカの角倉護氏(以下、角倉):素材メーカーからすれば、自分たちが提供した素材が最終商品になるまでには、長いサプライチェーンがあります。私たちはいわば、そのチェーンの末端にいるわけです。通常は、自分たちの直接のお客様、つまりチェーンの次のファクターである業界の会社としか付き合いがないのです。

角倉 護(かどくら・まもる)氏
カネカ代表取締役社長。1987年、鐘淵化学工業(現・カネカ)入社。ベルギー駐在、高機能性樹脂事業部長などを経て、2012年6月に取締役常務執行役員に就任。2014年4月より現職。 「変革なくしてカネカの成長はない。停滞は衰退」「今までやってきたことを続けることは簡単で、快適。常に自分を追い込み、高みを目指して鍛錬を続けて、新しい世界に飛び込む勇気を持って挑戦しよう」と社員に呼びかける。

 そこを私たちは、できるだけチェーンの先へ、できれば最終商品のメーカー、車で言えば、トヨタさんなどに話を聞きに出かけています。現場を見て、最終商品の消費者の意見に触れた上で、課題を明らかにして、自分たちの次のテーマ設定をしたいと思うわけです。

 BtoBの事業に慣れた人間からすれば面倒なことですが、そこにはこだわりたいと思っています。それも、個人的なつながりだけでは弱いので、トップ対トップ、会社対会社の付き合いを、できるだけ消費者に近い会社とやっていきたいのです。

※イノベーション100委員会とは
企業がイノベーションを興すための方法を探るために変革の思いを持ち、行動を起こしている企業経営者がイノベーション経営について議論する場。「イノベーション経営を進める大企業経営者が100人になれば、日本は再びイノベーション国家になる」との思いを持ち、経済産業省、株式会社WiL、一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)が2015年より共同運営している。

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「ゼロから1を生み出すために多様性を味方にした」の著者

西口 尚宏

西口 尚宏(にしぐち・なおひろ)

一般社団法人JIN専務理事

上智大学経済学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒(MBA)。日本長期信用銀行、世界銀行グループ人事局,産業革新機構 執行役員nadoを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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