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三井物産安永社長「健全なる領空侵犯を」

イノベーションの敵、組織のサイロ化に挑む経営者たち(1)

2017年6月26日(月)

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 経済産業省、株式会社WiL、一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)が共同運営している「イノベーション100委員会」では、自社からイノベーションを興すために変革の思いを持ち、行動を起こしている企業経営者による、座談会やインタビューでのイノベーション経営についての議論を2015年から続けている。その結果見えてきたのは、「変革を起こす経営者の姿」であり、彼らが共通でぶつかる壁である「5つの課題」、そして課題を乗り越えるためにこだわった思いや行動、「5つの行動指針」である。

 本連載では、2017年の5回の座談会に参加した14名の経営者のイノベーションへの思いと、変革に向けた挑戦をお伝えしていく。

 第1回座談会の登壇者は、三井物産の安永竜夫社長、大和ハウス工業の樋口武男会長、そして、ヤマトホールディングスの山内雅喜社長の3人。いずれも日本を代表する大企業を率いる経営者だ。これら3社には、それぞれ日本の歴史に残る、著名で志の高い創業者あるいは中興の祖がいた。三井物産の益田孝氏、大和ハウス工業の石橋信夫氏、そしてヤマト運輸の小倉昌男氏である。

 こうした創業者や中興の祖の理念がどのように、今の経営に活かされているのかを踏まえながら、それぞれの経営者にイノベーションの活性化に向けた思いと仕組みについて伺った。

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 2015年に32人の役員序列を飛び越して、当時の飯島社長(現会長)から社長のバトンを受け取り、54歳の若さで三井物産トップの座についた安永竜夫社長。時代の変化に対応し、同社のビジネスモデルを進化させるため、「360°business innovation」をスローガンに掲げて、社員約4万人の挑戦と創造を促す環境整備を進めている。

安永竜夫(やすなが・たつお)氏
三井物産社長。1983年三井物産入社。経営企画部長、機械・輸送システム本部長を経て、2015年に同社で最年少となる54歳で社長に就任。エネルギー・インフラ事業の経験が長く、東南アジアやロシア、中東産油国を皮切りに世界中に強いネットワークを持つ。米国三井物産での勤務、世界銀行への出向経験も持つ(写真:北山 宏一)

 安永氏は何にこだわり、経営のかじ取りを行っているのか?その取り組みは2つの「行動指針」に強く現れているようだ。

「エクセルに落とせない」ビジネスにも投資する

行動指針2_効率性と創造性、2階建ての経営を実現する

 「三井物産の社是のひとつに『挑戦と創造』がありますが、これは旧三井物産初代社長である益田孝の『眼前の利に迷い、永遠の利を忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かれることを望む』という言葉に込められた想いを140年間、脈々と受け継いでいるものです」(三井物産 安永氏、以下同)。

 同社のビジネスの中でも「遠大な希望」を最も顕著に受け継いでいるのが資源・エネルギービジネスだ。新興国において長期に亘る巨額投資を可能にするためには、ホスト国をはじめとする多くの関係者を巻き込んだ大掛かりな仕組み作りが必要だ。

 「新たな国、新たなパートナーとの仕組み作りには常にイノベーティブな発想を要求されますが、大きなプロジェクトを経験した人材とそうでない人材との間の案件構築力に差が出てきたことは否定できません。また、株主や市場の要請で投資規律が重んじられるようになるなかで、過去の成功体験に縛られる傾向が強まってしまいました」

 そこで商社では珍しい部門間の人材シフトを進め、社内の人材の流動化を始めるとともに、資源価格が高騰し、資源ビジネスの収益貢献が大きかった2012年に将来を見越し、「イノベーション推進制度」を設けた。これは年間利益のうち一定割合を従来型投資基準の適用外とし、将来、破壊的創造を起こし得るビジネスモデルなどに投資するというものだ。

 安永氏は「破壊的創造を起こし得るビジネスは『エクセルに落とせない』(=収益性などの計算表が作れない)という特徴がある。従来型の投資基準だけで判断すると、事業機会を見逃してしまう可能性がある」と指摘する。また、2014年に新規事業創出プロジェクト「かるがもワークス」を開始し、営業本部の枠組みを超え、全社機能を結集して考える取組みも進めている。

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「三井物産安永社長「健全なる領空侵犯を」」の著者

西口 尚宏

西口 尚宏(にしぐち・なおひろ)

一般社団法人JIN専務理事

上智大学経済学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒(MBA)。日本長期信用銀行、世界銀行グループ人事局,産業革新機構 執行役員nadoを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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