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顧客ニーズに対応できた者だけが生き残れる

第12回:変わらなければ、生き残れない(2)

2017年8月23日(水)

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 『フィンテック』という言葉が市民権を得た。これは、金融(finance)と技術(technology)から成る造語であり、主にITと金融を融合した新しいサービスのことを意味する。この言葉に代表されるように、昨今の金融テクノロジーの進化はすさまじい。その最先端を走るように見える野村證券を有する野村ホールディングスCEOの永井浩二氏は、テクノロジーの進化がもたらす影響がますます大きくなっていることに、驚くとともに、恐ろしさすら感じると言う。
永井浩二(ながい・こうじ)氏
野村ホールディングス取締役兼代表執行役社長 グループCEO(最高経営責任者)。1981年、野村證券入社。豊橋、岡山、京都の支店長、執行役企業金融本部担当などを経て、2011年にCo-COO兼代表執行役副社長、2012年4月に代表執行役社長に就任。同年8月より野村ホールディングスCEOを兼務。「天網恢々(てんもうかいかい)疎にして漏らさず」を座右の銘とする(写真:北山宏一、以下同)

 「従来は、顧客ニーズの変化があって、それに応答するような形でテクノロジーが進化してきたわけですが、いまは違います。まず、テクノロジーの進化ありきで、場合によっては、それが顧客のニーズを変更させている。顧客のニーズがどう変更していくのか、ますます予測することが難しくなっている」(永井氏)。

 既存ビジネスや既存マーケットで高いシェアや圧倒的なビジネス基盤を有する企業ほど、新しいイノベーションに対応できないという「イノベーションのジレンマ」。このジレンマは、あっという間に変更する顧客ニーズに対応できない企業の苦悩をそのまま意味する。

 「『イノベーションのジレンマ』に陥らないようにするためには、今は、強力なトップダウンのリーダーシップしかないと思っています。ところが、それでも、ふと振り向くと、『大企業の常識』でしか考えることのできない者は、ついて来ることができない」(永井氏)。

 「イノベーションは、恰好がいいから、流行だからやるのではない。環境変化を生き抜くためにやっている。やらないと生き残れないから、背水の陣を敷いて、やっているのです」(永井氏)。

 

 「たしかに、普通の会社であれば、あと5年くらいは、そのまま存続するかもしれません。だから、あと5年くらいで引退する人たちはいいのです。しかし、いま、30代、あるいは40代の人たちはどうでしょう。10年後も、20年後も、その会社は、社会の変化とお客さまのニーズの変化に応え続けていけるでしょうか。だから、うちの社員を含めて、若い人たちと話をする時、『ずっとその会社で働き続けたいのなら、会社を創り続けるぐらい、必死にならないといけない』と言っています。会社の変革は他人事ではなく、まさに自分事なのです」と永井氏は語る。

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「顧客ニーズに対応できた者だけが生き残れる」の著者

西口 尚宏

西口 尚宏(にしぐち・なおひろ)

一般社団法人JIN専務理事

上智大学経済学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒(MBA)。日本長期信用銀行、世界銀行グループ人事局,産業革新機構 執行役員nadoを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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