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トランプ時代に考える「儲かる取引」の理屈

飯田泰之の「キーワードから学ぶエコノミクス」・04

  • 飯田 泰之

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2017年2月17日(金)

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この記事は、「日経ビジネス」Digital版に掲載している「日経ビジネスベーシック」からの転載です。連載コラムは「飯田泰之の『キーワードから学ぶエコノミクス』」。記事一覧はこちらをご覧ください。詳しい説明はこちら

 トランプ大統領の登場以降、自由貿易や市場への攻撃がきつくなってきました。自由主義経済の基本の基本を、ここで見直してみるのもいいかもしれません。

 自由な、自発的な(=「詐欺」や「脅迫」のない)取引が成立するのは、「売り手にとっても買い手にとっても得な価格」が存在していたからです。

 だって、両者にとって得になる価格が存在しないならば、そもそも取引は成立しません。

 これはあまりにも単純で、そして単純であるが故に強力な論理です。なぜならば以上の事実は「自発的な取引は常に当事者双方を幸福にしている」ことを示しているからです。この論理は自由主義経済を擁護するもっとも基礎的な論理です。

飯田泰之(いいだ・やすゆき)
明治大学政治経済学部准教授 1975年東京生まれ。マクロ経済学を専門とするエコノミスト。シノドスマネージング・ディレクター、規制改革推進会議委員、財務省財務総合政策研究所上席客員研究員。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。著書は『経済は損得で理解しろ!』(エンターブレイン)、『ゼミナール 経済政策入門』(共著、日本経済新聞社)、『歴史が教えるマネーの理論』(ダイヤモンド社)、『ダメな議論』(ちくま新書)、『ゼロから学ぶ経済政策』(角川Oneテーマ21)、『脱貧困の経済学』(共著、ちくま文庫)など多数。

 次に、ここまでの論理に国境や国籍の話が一切関係なかったことに注目してください。以上の結論は取引当事者の間に国境があろうとなかろうと成立します。これが自由貿易の有用性を根拠づけるもっとも単純な論理です。

 国内での自由な取引と、自由貿易を正当化するロジックは全く同じものです。

 したがって、国内での取引は自由に行われるべきだが、貿易は制限すべきだという主張は、経済以外の理由付けがなければ成立できません。アメリカ人同士の自由な取引はすばらしいが、アメリカ人とメキシコ人の自由取引は良くないことだ……というためのロジックとしてどのようなものがあり得るか、是非考えてみてください。

お得な取引相手は誰?

 「双方が得すること」こそが取引の本質であるというコトが理解できると、次に興味がわくのは「じゃ、自分にとってよりお得な取引って何だろう」という話ではないでしょうか。話が急に俗っぽくなってしまいますが……アダム・スミスが指摘したように、みんなの俗な欲求がすばらしい社会をつくるのです(すいません開き直りです)。

 ここで買い手の場合を例に説明しましょう。あなたが、あるコンサートのチケットに対して5000円までなら払っても良いと考えていたとしましょう。そんなとき、ネットで3000円で購入できたなら……ちょっとお得感がありますよね。

 取引における買い手の利益とは、「自分が支払ってもよいと考えていた値段(前回でご説明したとおり、買い手の“主観的な”評価額ですよ)」と実際の金額との差になります。売り手にとっても事情は同じです。主観的な評価や制作費用などから決まる「手放してもよい最低限の値段」より高く売れた分が取引の利益、と言うことになるでしょう。

 では、取引の果実が一番大きくなるのはどんな取引でしょう。そう。「支払ってもよいと考えていた値段」と「手放してもよい最低限の値段」の差が大きければ大きいほど――「主観的な価値観の隔たりが大きい者同士の取引」ほど、そこから得られる買い手の利益は大きくなるのです。売り手ならばこの逆になりますが、価値観の差が大きいほど利益が拡大する、という部分は同じです。

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