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経済学で考える「ふるさと納税」

今回のキーワード:機会費用

  • 飯田 泰之

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2017年3月17日(金)

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この記事は、「日経ビジネス」Digital版に掲載している「日経ビジネスベーシック」からの転載です。連載コラムは「飯田泰之の『キーワードから学ぶエコノミクス』」。記事一覧はこちらをご覧ください。詳しい説明はこちら

 経済学の基本原理は、「人々はインセンティブに基づいて行動している」というものです。

 インセンティブ、というと偉そうですが、要は損得感情に基づいて動いているというわけです(「インセンティブ」そのものについては、日経ビジネスベーシックの連載から、こちらをご参照ください)。

 このように書くと、「ああ、やっぱり経済学は金銭的な損得だけを考える、非人間的な学問なんだね」と思われてしまうかもしれませんが、それは誤解です。損得勘定は、お金だけの話ではありません。

 経済学においては、「損」も「得」も、個々の人が持っている“主観的な評価”で決まると考えます。当然そこには心理的、社会的な損得も含まれることになるのです。そのなかで、今回は「損」について考えてみましょう。

 経済学において判断の基準となると考える費用・コストについて、経済学用語と日常用語の間にはちょっとした違いがあります。例えば、3000円の飲み会に出席するコストはいくらでしょう?

 「そんなの3000円に決まっているじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?

飯田泰之(いいだ・やすゆき)
明治大学政治経済学部准教授
1975年東京生まれ。マクロ経済学を専門とするエコノミスト。シノドスマネージング・ ディレクター、規制改革推進会議委員、財務省財務総合政策研究所上席客員研究員。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。著書は『経済は損得で理解しろ!』(エンターブレイン)、『ゼミナール 経済政策入門』(共著、日本経済新聞社)、『歴史が教えるマネーの理論』(ダイヤモンド社)、『ダメな議論』(ちくま新書)、『ゼロから学ぶ経済政策』(角川Oneテーマ21)、『脱貧困の経済学』(共著、ちくま文庫)など多数。

 飲み会に参加するコストは参加費だけではありません。飲み会に参加せずに残業していたならば得られたであろう残業代、その時間を使って他のこと(デートなり、勉強なり)をしていたら得られたであろう便益……これらの全てを犠牲にした上、さらに3000円を支払ってあなたは飲み会に参加することになるのです。このように、ある選択の裏で犠牲になるモノ・コト・カネを含めた費用が「機会費用」です。

 ちなみに、経済学の入門編では、教師は必ず機会費用の話をすることになっています。

 それはなぜか。もちろん重要だからなのですが、それ以上に経済学者はこの機会費用の説明が大好きなのです。

 経済学の父、というとアダム=スミス(英1723-1790、主著『国富論』)と相場が決まっている…ような気がしますが、スミスの議論と現代の経済学にはかなりの距離があります。その著作も道徳や倫理に関する話題や、今日ではむしろ経営学に分類されそうな話も多く、いわゆる「経済学」という感じはうけません。数学的なモデルを立てて、そこから政策提言を導くという意味での経済学はリカード(英1772-1823)に始まるといった方がしっくりきます。

コメント4件コメント/レビュー

>ふるさと納税は市役所等の職員の時間という機会費用を大きく消費します。
そうやって仕事を作って忙しくするのが公務員の性なのです。(2017/04/14 17:45)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>ふるさと納税は市役所等の職員の時間という機会費用を大きく消費します。
そうやって仕事を作って忙しくするのが公務員の性なのです。(2017/04/14 17:45)

ふるさと納税について「自治体が行うコスト」について述べているのに
納税者の気持ちどうのというコメントが付くあたり
記事を読む時間に対する機会費用は考える必要があると考えさせられました

損得を金銭で考えるんだから結局非人間的側面あるじゃんという突っ込みはしません(2017/03/17 16:54)

タイトルで「経済学で考える」と大きく出ておきながら、「学問を持ち出さなくてもそんな事わかってるよ」という話だけで中身が薄すぎると思います。
執筆者と編集者、そして多数の読者の機会費用を考えたらこの記事にこそ意味はあるのでしょうか?(2017/03/17 12:11)

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