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ちょっと待てよ、これは全然ゴールじゃない

「3日の放心」から再起動…さあ、アメリカを驚かせよう

2018年6月20日(水)

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Twice You Are Good

 前回の記事でも書いたが、栗田工業による電光石火の買収劇は、2018年5月30日に発表となった。プレスリリースと日経ビジネスオンラインの号外が出るやいなや、本当に多くの友人、知人、そしてこの連載の読者の皆様からお祝いの言葉をいただいた。Googleに会社を売ったときも同じようなものだったので、もうあまり驚くことも無いとは思っていたが、とはいえ一つひとつの祝福の言葉は、しんみりと心に染みるものだ。

 その昔、『Once You're Lucky, Twice You Are Good』という題名の本があった。僕は昔からこの本の題名が大好きだった。本質をついているし、何より語感が良い。起業して一回成功しましたと言うとき、もしかしたらそれはただのラッキーかも知れない。でも起業という傍目(はため)には成功確率の少ないゲームで2回も成功したならば、その人はきっと、何か運だけではないものを持っているのだ。

 以前『無敵の仕事術』(文春新書)でも書いたが、少しずつ少しずつ、雪だるま式に広がっていく成功体験は、自らの人生に無限の自信を与えてくれる。書籍の中で僕はこうした自信のことを「無敵感」という言葉で表現したが、久しぶりに感じるこの「無敵感」に、僕は大いに高揚していた。

 こういう風にやれば、世の中がこういう風に動く。だんだんと僕も年齢を重ねて、ビジネスの方程式のようなものが少しずつ分かってきた。物理専攻で大学を卒業して、それが何だかよく分からないままビジネスなるものに明け暮れた日々を越え、僕はずっとずっと、世の中をよりよく理解したいと願ってきた。

 小さい頃から片親で、大学時代には最愛の母を病気で亡くし、社会人になったときには、両親ともいなかった。世の中の仕組みなんて、誰も教えてくれなかったし、本屋にもよく通ったが、どこの本にも本当のことは書いていなかった。僕は悩んだ。社会とは、世の中とは、いったいどういう仕組みでできているんだ? どうすれば成功できるんだ? そもそもそれがビジネスであったとき、ビジネスにおける成功とは一体何なのだ?と。

 しかし、体当たりで人生を生き抜いて、やがて世の中の仕組みをきちんと理解できるようになると、僕は大いに安心した。なるほど、神様は皆に平等だ。世の中に、安易な成功法則など無かった。自らも人生に悩みながら、善なるものを社会に届けることによってしか、また人並み外れた体力と知力を磨き、またそれを惜しみなく解放することでしか、ビジネスにおける成功は無いように思えた。

コメント4件コメント/レビュー

まずはおめでとうございます。1ヶ月半ぶりに読んで日本企業とM&Aをした事を今日始めて知りました。栗田工業も骨のあるガッチリした会社のようですね。意気投合した雰囲気が伝わってきました。
今後もガンガン、イノベーションを立ち上げて頑張ってください。陰ながら応援しています。

清水@オランダより(2018/06/30 04:31)

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「ちょっと待てよ、これは全然ゴールじゃない」の著者

加藤 崇

加藤 崇(かとう・たかし)

加藤崇事務所代表

1978年生まれ。早稲田大学理工学部卒。東京三菱銀行、KPMG日本法人、技術系ベンチャー企業社長などを経て、2013年、ヒト型ロボットベンチャーSCHAFTをグーグルに売却し、世界から注目を集めた。スタンフォード大学客員研究員(兼任)

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

まずはおめでとうございます。1ヶ月半ぶりに読んで日本企業とM&Aをした事を今日始めて知りました。栗田工業も骨のあるガッチリした会社のようですね。意気投合した雰囲気が伝わってきました。
今後もガンガン、イノベーションを立ち上げて頑張ってください。陰ながら応援しています。

清水@オランダより(2018/06/30 04:31)

加藤さん、大きな山を越えてまた新たな挑戦に踏み出された様子が良くわかり、楽しく拝読させていただきました。フラクタにとって水道インフラビジネスはしっかりと根を広げていくベースビジネスですが、文中にもあったようにガス、鉄道等他のインフラにも適応できる技術でパテント含めこの部分の技術アドバンテージを早く確立できるように開発リソースを集中すべきと思います。
私はフラクタの技術を高齢化と人口減少が急速に進む日本に逆輸入できないか?と考えています。
特に2050年前後には20%位の人口減少(=1件/5件の空き家、地方では1件/3件?)で生じる治安の悪化や高齢世帯増加に対する広義でのライフラインサポートに貢献できないか?と思います。(勝手なことを言っています、すみません。)(2018/06/21 08:00)

連載を毎回楽しみにしています。アメリカ在住者として、日本人の活躍を誇らしくまた眩しく思っています。

3日間の放心状態の話は興味深いです。全力で当面の目標のために頑張って、いったんそれが達成されるとそうなるのでしょうか。スケールは違っても、自分もそんな経験があります。次の飛躍のために、必要な一休みだったのかもしれません。

新しいロゴを見ました。前のよりずっといいですね。ウェブサイトのデザインも変わったようですが、洗練されていて白黒ベースでシンプルなところがハイテクなイメージにぴったり。(2018/06/20 23:14)

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