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僕たちが目指しているのは「平均」じゃない

会社も報酬もやり甲斐も、皆でデカくフェアに育てたい

2017年11月20日(月)

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 10月に入ると、僕は人事コンサルタントのジョンさんと多くの時間を使うようになった。ジョンさんは年齢的にはだいぶ年配の域であり、既にリタイアしていてもおかしくないと思う人だが、かつてバイオテック系のベンチャーや大きな会社などで人事の責任者を歴任した、正真正銘のプロだ。オフィスには従業員も少しずつ増えてきたことから、これまで後回しにしてきた人事関係の業務を整理整頓するために、フラクタはジョンさんの力を借りることにしたのだ。

「米国基準」「市場平均」と向き合う

 カリフォルニア州、またより広くアメリカ全土では、多くの労働関係の規制があり、これを遵守するためには、そもそもの問題として、こうした規制を知らなければならない。また、性別や年齢を根拠とした差別の禁止、あらゆるハラスメントの禁止、こうしたことを、従業員の採用、教育、また退職といった全ての段階できちんと会社全体に行き渡らせておかなければならないため、従業員ハンドブックを作成して手渡したり、入社時教育を行ったりするという。

 こうして人事関連に関する項目を端から端まで整理整頓してもらう過程で、ジョンさんから指摘が入ったことがある。端的に言えば「市場と比較して、フラクタの給料が安く見える」というのだ。

 なんだそれは?と最初は思ったのだが、こうしたことに目を光らせることが、アメリカではどうやら非常に大切なことらしい。ここはアメリカ、色々と便利な統計があり、サンフランシスコ・ベイエリアにあるソフトウェア企業、その中でもベンチャーキャピタルから既に1、2回投資を受けているベンチャー企業の平均給料などといったものが、職務ポジションごとにデータベースとして蓄積・公表されており、こうした数値の平均値に満たない給料を払っていると、従業員がどこか他の会社に逃げてしまうというのだ。

 このあたりは、日本とアメリカの文化が最も大きく乖離して見えるところであり、こうした議論にしっかりと付いていき、最終的にある程度の納得感を得るまで、相当な時間がかかった。

 「◯◯(従業員の名前)は市場と比較して、ベース給与が低い。もっと上げたほうが良いだろうね、加藤さん」とジョンさん。僕はと言えば「そんなこと言ったって、つい数ヶ月前に◯◯と契約したんだから、彼/彼女がその給与を前提にオファーを受けたってことでしょう。仕事を選択するということには、他にも色んな要因があるはずなんだから、一律にそんな議論はできないと思いますよ。給料の市場平均なんて、あくまで平均なんですから」という感じだ。

人事コンサルタントのジョンさんと。彼が示す「米国基準」と向き合いながら、僕たちの会社のあるべき姿を日々考えています

コメント5件コメント/レビュー

なぜ個人ではなく会社でやっているか、ということをいつも思い出させていただいています。
大好きな連載です。
私も加藤さんのように自分の事業を起こせるよう、全力で取り組んでいきたいと思います。
引き続き応援しています。(2017/11/24 17:01)

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「僕たちが目指しているのは「平均」じゃない」の著者

加藤 崇

加藤 崇(かとう・たかし)

加藤崇事務所代表

1978年生まれ。早稲田大学理工学部卒。東京三菱銀行、KPMG日本法人、技術系ベンチャー企業社長などを経て、2013年、ヒト型ロボットベンチャーSCHAFTをグーグルに売却し、世界から注目を集めた。スタンフォード大学客員研究員(兼任)

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

なぜ個人ではなく会社でやっているか、ということをいつも思い出させていただいています。
大好きな連載です。
私も加藤さんのように自分の事業を起こせるよう、全力で取り組んでいきたいと思います。
引き続き応援しています。(2017/11/24 17:01)

今日も、『人生は一度きりしかないのだから、やりたいことができるうちにやっておこう!』と話してきたところです。加藤さんの、そして多くの挑戦者たちに敬意を表しつつ、自分も一歩一歩、前進したいと思います。

ね!みなさん!(2017/11/22 00:40)

久しぶりに記事を拝見してさらにビジネスが大きくなる可能性が上昇し、仕事が順調に回り始めていてこちらまでうれしくなりました。
アメリカ特有の雇用文化には、私もなかなか最初はついていけませんでした。
移ると決めたら(有給休暇の残日数によりますが)ほぼ2週間以内にはいなくなり、雇たくてもなかなか能力のある人は雇えず、辞めて欲しい人(あまり仕事の能力が高くない人)を正当な理由なく辞めさせれないのです。
コンプライアンスは日本でも相当厳しくなっていますが、アメリカでは小さな会社でも会社として従業員に展開するしくみとなっていなければなりません。
法令と慣例と文化的なことも含めてなかなか理解できないですよね。

いずにしてもいつも元気をエネルギーをもらっています。
これしか言えなくて申し訳ありませんが、応援していますので頑張って下さい。(2017/11/20 18:00)

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