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豪雨に揺れる京都で女将が平然と口にした一言

「なんともあらしまへん」に見る京都人の気質

2018年7月17日(火)

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氾濫寸前の渡月橋界隈

 何十年に一度の豪雨が京都の街を襲い、特別警報が発令された7月6日。私は気が気でない時間を過ごしていた。自坊のすぐ近くの景勝地、嵐山を流れる大堰川が氾濫危険水位を超え、一部、道路が冠水してしまったからだ。5年前の豪雨の時は水が堤防を超え、商店街が水につかるなどの被害を出している。

 私の母校、嵯峨小学校の校歌に、「清い流れの大堰川」という一節がある。だが、この日、渡月橋を流れる大堰川は清き流れどころか、まるでアマゾン川のように褐色の濁流となってうなりを上げていた。たが、今回はギリギリのところで氾濫を回避することができた。

 ほどなく、東京のある知人から連絡を受けた。私の安否を気にして電話してくれたのだ。この人物は毎年、祇園祭の時期にあわせて上京し、鴨川の夏の風物詩である床料理を楽しむ。

 しかしながらその頃、鴨川界隈も大変な騒ぎであった。川床の下まで水に浸かって、下手をすれば床が流されてしまうような状況だった。私はこの場で予約の電話を入れることを憚られたが、鴨川の状況も知りたいので、恐る恐るお店に電話してみることにした。ビクビクしながら、

「大変な時にすみません。お店大丈夫ですか。いま、予約どころやないね。改めましょか」

と、探りを入れると、女将は平然として、

 「なんともあらしまへん。で、お料理はどないしましょ」

 テレビのニュース画面でさっき、お店のすぐ脇の先斗町歌舞練場の前の堤防が大きく崩れ出していたではないか。それなのに、なんとも涼しげな声が電話口から返ってきた。京都人らしいなあ、と思った。

 切羽詰まった状況の時、すっと目線をそらせるように振る舞うのは、京都人の特徴である。過去の都合の悪い出来事にたいしても「ああ、そんなこともあったかいな」などと、とぼける。

三条大橋から鴨川の川床をみる。歌舞練場の前の堤防が決壊し、復旧中だ

コメント2件コメント/レビュー

祇園祭の前祭 山鉾巡行 残念ながら京都に行くことはできず今年もテレビ中継で見ました。
最後に見に行ったのは2012年でその頃から大船鉾の復活や前後の分離の話も出ていましたが、同じく休み山だった鷹山の復活の話も出ているようで、個人的には後祭りの山の方が好きなので一度は見に行きたいと思っているのですが、叶うかどうか…。
今日の最高気温は38度を超えたそうで、もし一体運行を続けていたら熱中症で倒れる客が続出して、逆に市のインフラ(病院)が持たなかったのではないでしょうか。
ボランティアの確保一つとっても、またピークが2つに分かれて京都府警の方もフル回転で大変だとは思いますが、今の形で今後も続けていって欲しいですね。(2018/07/17 20:07)

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「豪雨に揺れる京都で女将が平然と口にした一言」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

ジャーナリスト、浄土宗僧侶

1974年、京都市生まれ。新聞記者、日経ビジネス記者、日経おとなのOFF副編集長などを歴任後、2018年に独立。「宗教と社会」をテーマに取材を続ける。正覚寺副住職、浄土宗総合研究所嘱託研究員、東京農業大学非常勤講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

祇園祭の前祭 山鉾巡行 残念ながら京都に行くことはできず今年もテレビ中継で見ました。
最後に見に行ったのは2012年でその頃から大船鉾の復活や前後の分離の話も出ていましたが、同じく休み山だった鷹山の復活の話も出ているようで、個人的には後祭りの山の方が好きなので一度は見に行きたいと思っているのですが、叶うかどうか…。
今日の最高気温は38度を超えたそうで、もし一体運行を続けていたら熱中症で倒れる客が続出して、逆に市のインフラ(病院)が持たなかったのではないでしょうか。
ボランティアの確保一つとっても、またピークが2つに分かれて京都府警の方もフル回転で大変だとは思いますが、今の形で今後も続けていって欲しいですね。(2018/07/17 20:07)

コラムのメインテーマは「豪雨災害」なのか「京都の人の気質」なのか「祇園祭」なのか。(2018/07/17 17:11)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官