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京都「五山の送り火」は「十山」だった

伝統的仏事を通じた「過去との対話」の意味とは

2018年8月10日(金)

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京都のお盆行事のハイライト「五山の送り火」(写真:PIXTA)

 今年の京都は本当にクソ暑い。

 京都では、スクーターに乗ったお坊さんが、市中を颯爽と走り回るお盆の時期に入ってきた。この時期、僧侶の姿を市中でよく見る理由は、檀家さんの自宅の仏壇に読経をして回る「棚経」という風習が続いているからだ。

 うちの寺の場合、1日30軒から40軒ほど回ることになる。棚経は朝6時台から日暮れまで。早朝に訪れる檀家さんはえらい迷惑かもしれないが、毎年恒例のことなので、お互い慣れっこである。

 しかし、こうも暑くては、お盆はもはや「坊さん殺し」と言わざるを得ない。シースルーのような法衣も多くはナイロン製であり、さらに黒いので太陽熱を吸収してかなり暑い。私の場合、バイクに乗れないこともあるが、エアコンの効いた自動車で回らせていただいている。

 ところで、東京のお盆はすでに終了している。私はこれまで東京と京都の生活は半々であり、両方のお盆を見てきているが、当初はお盆の時期が違うことに戸惑った。それはなぜかというと、少しややこしいが、新暦から旧暦移行した明治初期に遡る。江戸時代までのお盆は7月(旧暦)にやっていた。

 東京の場合、現在のお盆は旧暦のそのまま月日を新暦にあてはめているので、今年は7月13日から16日までである。

 一方で東京の暦の形態を取れない地域があった。当時、日本の大部分を占めていた農村部である。7月は農作業の繁忙期であり、お盆の支度ができないのだ。

 それでお盆を1カ月後にスライドさせようということになったのだ。わが京都を含めた多くの都市が8月13日から16日にかけてお盆の行事を実施している。東京と地方で時期がズレているのは、農家の事情によるものだったのだ(※一部地域ではその限りではない)。

コメント2件コメント/レビュー

言われてみればなるほどですが、新盆と旧盆が分かれているのに農家の事情があったとは。消えた5つの送り火は実は長刀の存在が気になっていたりするのですが、これも知っている人は知っているし、知らない人には驚かれるあるあるネタかと。
愛宕信仰絡みでは、京都と若狭を結んだ鯖街道沿いに残る松上げ(雲ケ畑、花脊、広河原あたりが知られているかな…)もお盆の時期に行われ、笠に最初に火を点ける一番点火を競い合ったり、柱が倒れた後に種火や炭をもらい受けたりする火にまつわる神事としては知る人ぞ知る行事でしょうか。
私自身は街中から見ることができる送り火はともかく松上げの方は(車がないといけない地域なので)残念ながら生で見たことはありませんがこういった伝統行事は廃れることなくいつまでも引き継がれていって欲しいですね。(2018/08/10 09:26)

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「京都「五山の送り火」は「十山」だった」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

ジャーナリスト、浄土宗僧侶

1974年、京都市生まれ。新聞記者、日経ビジネス記者、日経おとなのOFF副編集長などを歴任後、2018年に独立。「宗教と社会」をテーマに取材を続ける。正覚寺副住職、浄土宗総合研究所嘱託研究員、東京農業大学非常勤講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

言われてみればなるほどですが、新盆と旧盆が分かれているのに農家の事情があったとは。消えた5つの送り火は実は長刀の存在が気になっていたりするのですが、これも知っている人は知っているし、知らない人には驚かれるあるあるネタかと。
愛宕信仰絡みでは、京都と若狭を結んだ鯖街道沿いに残る松上げ(雲ケ畑、花脊、広河原あたりが知られているかな…)もお盆の時期に行われ、笠に最初に火を点ける一番点火を競い合ったり、柱が倒れた後に種火や炭をもらい受けたりする火にまつわる神事としては知る人ぞ知る行事でしょうか。
私自身は街中から見ることができる送り火はともかく松上げの方は(車がないといけない地域なので)残念ながら生で見たことはありませんがこういった伝統行事は廃れることなくいつまでも引き継がれていって欲しいですね。(2018/08/10 09:26)

3.11後、燃焼用に提供された「汚染されていない東北製木材」を放射能汚染かのように送り返した連中を賛美するかのような記事は賛同できない。(2018/08/10 08:46)

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