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北方領土と日本宗教界、知られざる深い関わり

1964年から続く元島民の墓参同行から見えたこと

2018年9月25日(火)

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ビザなし交流で北方領土(色丹島)に上陸する際、ロシア人の少女からの歓迎のパンを食べるのが慣例になっている

 前提要件なしに年内に平和条約を締結しよう──。ロシア・プーチン大統領は今月12日、極東ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムの席上で安倍首相にこう切り出した。

 北方領土問題をめぐっては「入口論」(領土問題を解決しない限り、平和条約は結ばない)と、「出口論」(共同経済活動など日露関係を醸成した後に、領土問題について議論する)が常に存在する。今回のプーチン大統領の発言は唐突な印象があったかもしれないが、これは近年、ロシアが主張してきている「出口論」の延長線上の話である。

 それでも「年内に平和条約を結ぶ用意がある」とロシア側からボールが、日本側に投げられたわけだ。ボールは日本側にある。それをどのように投げ返すのか。あるいは投げ返さないのか。今後の両国の交渉の行方を注視したい。

色丹島を所有していた増上寺

 さて、本コラム「きょうの坊主めくり」において、北方領土問題は一見、不似合いのように思えるかもしれない。だが、実は北方領土と、お寺や神社とは決して無関係ではないのだ。それどころか、驚くべきことに、私の所属する浄土宗の大本山増上寺(東京・芝)はかつて、色丹島を領地として所有していた過去がある。この事実は、北方領土問題に関わる国会議員や官僚、仏教界(増上寺の関係者に至るまで)などの間では、ほとんど知られていない。

 私は近年に3度、ビザなし交流事業で北方領土を訪れている(択捉島、国後島、色丹島)。現地の状況を交えながら、“近くて遠い北方領土”へとトリップしてみたい。

 私が色丹島を訪れたのは2013年8月のことであった。色丹島は根室・納沙布岬から北東におよそ70kmの距離に位置する。24キロ×10キロの長方形の島である。今年2月に福井照沖縄北方担当相が、「シャコタン島」と言い間違ったことで話題になった場所だ。

 島全体が丘陵地帯になっていて、湿原が点在する。そこは高山植物や日本でも絶滅した動植物が存在し、実にダイナミックで美しい情景が広がる。私は択捉島や国後島も訪問しているが、仮に領土が返還されたら、とくに色丹島はエコツアー好きには、たまらない聖地になることだろう。

コメント1件コメント/レビュー

地方から都市圏への人口流入に従って普通に行われてきたお墓の改葬は、北方領土については行われなかった、或いは許されなかったのだろうか?(2018/09/25 22:26)

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「北方領土と日本宗教界、知られざる深い関わり」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

ジャーナリスト、浄土宗僧侶

1974年、京都市生まれ。新聞記者、日経ビジネス記者、日経おとなのOFF副編集長などを歴任後、2018年に独立。「宗教と社会」をテーマに取材を続ける。正覚寺副住職、浄土宗総合研究所嘱託研究員、東京農業大学非常勤講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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地方から都市圏への人口流入に従って普通に行われてきたお墓の改葬は、北方領土については行われなかった、或いは許されなかったのだろうか?(2018/09/25 22:26)

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