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日本に足りないのは“アーキテクチャー的思考”

三菱ケミカルHDの岩野和生CDOに聞く

2018年7月10日(火)

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三菱ケミカルホールディングスのCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)の岩野和生氏は、デジタル技術を生かして変革を起こすために招聘された。伝統的な化学業界で、どうイノベーションを起こそうとしているのか。「オープン編集会議メンバー」とともに話を聞いた。

■お知らせ■
日経ビジネスは、読者が自分の意見を自由に書き込めるオピニオン・プラットフォーム「日経ビジネスRaise(レイズ)」を立ち上げました。その中のコーナー「オープン編集会議」では、イノベーションに関する話題を皆さんとともに議論しています。ぜひ、ご参加ください。

<オープン編集会議>
◆Room No.01 日本のイノベーションは停滞している?
今日のテーマ:変革に必要なのは「思想」
◆Room No.03 イノベーションを阻む「大企業病」、どう打ち破る?
今日のテーマ:従業員の思いと組織の目的の乖離

<オープン編集会議とは>
読者が自分の意見を自由に書き込めるオピニオン・プラットフォーム「日経ビジネスRaise(レイズ)」を活用し、日経ビジネスが取材を含む編集プロセスにユーザーの意見を取り入れながら記事を作っていくプロジェクト。一部の取材に同行する「オープン編集会議メンバー」も公募。Raiseユーザー、オープン編集会議メンバー、編集部が一緒に日経ビジネス本誌の特集などを作っていく。

<進行中のプロジェクト>
日経ビジネス7月23日号特集「イノベーション・イリュージョン(仮)」

(注:オープン編集会議メンバーの発言内容は個人の意見であり、所属する企業や団体を代表するものではありません)

三菱ケミカルホールディングス岩野和生CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)、執行役員先端技術・事業開発室(写真:竹井俊晴、以下同)

大竹剛(日経ビジネス編集):重厚長大で歴史の長い化学産業で、岩野さんはデジタル化を推進するお立場です。いま、具体的には三菱ケミカルホールディングスでどんなミッションに取り組んでおられるのですか。

岩野和生氏(三菱ケミカルホールディングスCDO=チーフ・デジタル・オフィサー):まずは、簡単に自己紹介をさせてください。

 私はもともと日本IBMで研究畑にいて、1995年から東京基礎研究所長を務めていました。IBM本体はハードウエアが売れなくなり、つぶれかかったころで、会社自体が再生しないといけないという時期です。

 IBMには、自らがIT業界をけん引していかなければならないという強い使命がありました。当時のガースナー会長が、ハードウエアから、ソフトウエアやサービスを柱にした事業構造に転換する改革を実行し、「巨象も踊る」と言われたほどの復活を遂げたのですが、2000年頃、ガースナー会長は「蘇ったのはいいが、IBMは次世代のモノをちゃんと出したのか」という問いかけをしたんです。インターネットもJavaも使って事業を展開してはいたけれど、それらは自分たちが生み出したものではないというわけです。「俺たちは何をやる会社なんだ?」という、本質的な問いかけをしたんですね。

 そこで、IBMは、「EBO(エマージング・ビジネス・オポチュニティー=新規事業創出)」という手法を導入して、イノベーションを自ら起こそうと動き始めました。巨象と呼ばれた大企業がベンチャーのように、テクノロジーベースの新しい潮流を世の中に作ることを目指した取り組みで、2000年頃から私も米国のワトソン研究所でプロジェクトに参加していました。グリッド・コンピューティングやオートノミック・コンピューティングなどは、この取り組みから出てきたものです。

 その後、日本に戻ってきて、スマートシティーとかクラウドとか、そういう新しいことを手掛けてきました。

大竹:IBMの後は、三菱商事のAI/IoT推進会議事務局の顧問にも就任していましたね。

岩野:はい。科学技術振興機構(JST)にもいました。なぜ、三菱商事とJSTに関わったかというと、日本の社会全体がITを使って新しい価値を生み出せるようになってほしいと考えたからです。三菱商事は総合商社としてほぼすべてのビジネス領域に関わっていますし、JSTはITの政策を提言する立場ですから。

 日本企業の経営にITが欠かせないものになった1970年代から90年代くらいまでは、ITベンダーは巨大システムを顧客企業から要求されたスペック通りに作るというのが使命でした。ところが、2000年ごろから、ITは社会のクリティカルインフラとしての期待が出てきました。例えば、スマートコミュニティーやスマートシティーといった概念です。ただ、それらを具体的にどうつくるかを考えられる人が、日本には非常に少ない。ITインフラをしっかり作るというスペックの議論ばかりしてきたので、スペックがない社会インフラをどうつくるかといったビジョンを描く人があまりいないのです。

 これからのIT活用で大切なのは、どういう社会をつくりたいのかというビジョンを描き、それを実現するためのステークホルダーと話していくことです。スペック通りにシステムを構築すればよかったITエンジニアのスキルが、変わったんです。

 私も個人的に反省したんですね。これまでは「やらなければいけない」とユーザー企業をあおっていただけだと。そこで罪滅ぼしのため、まずはできることからということで、三菱商事とJSTに関わりました。

 そうこうしている時に、三菱ケミカルHDの越智仁社長から電話がありました。ITを使った社会変革をやるには、ITベンダーではなく、ユーザー企業が強くならないといけないという危機感がすごくありました。そう思っていたところに、化学産業の雄である三菱ケミカルHDから声がかかったわけです。もし、三菱ケミカルが変わることができれば、世の中のユーザー企業のロールモデルになるのではないか、そうすれば日本が変わる一助になるのではないか、そういう思いで仕事を引き受けました。

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「日本に足りないのは“アーキテクチャー的思考”」の著者

庄司 容子

庄司 容子(しょうじ・ようこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社に入社し、社会部、横浜支局を経て企業報道部へ。化学、医療、精密業界、環境などを担当。2017年4月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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