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他人と比べず、自分なりの価値判断軸を持とう

ファクトリエ、山田CEOが語る「ゼロイチ人材の育て方」

2018年11月30日(金)

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国産衣料品の通販サイト「ファクトリエ」を運営する、2012年創業のライフスタイルアクセント。技術力のある国内工場との直接取引で中間事業者を排除することで、価格を抑えると同時に、工場側が自ら値付けをして利益を確保できるよう環境を整備。国内品の割合が3%に低下したアパレル産業の復活に挑戦している。

創業者の山田敏夫CEO(最高経営責任者)はまさに新たなモノやサービスをゼロから生み出す“ゼロイチ人材”だが、「運動も勉強も劣等生で人並みになるためにもがいてきた」と自身の生い立ちを明かす。だからこそ、「相対評価ではなく絶対評価で挑戦できることが重要だと気づいた」と続けた上で、自らの価値判断軸を持った人材を育成するのには「読書や旅を通じて視座を上げることが重要だ」と強調する。オープン編集会議メンバーとともに山田CEOに「ゼロイチ人材の育て方」を聞いた。

■オープン編集会議とは

読者が自分の意見を自由に書き込める双方向メディア「日経ビジネスRaise(レイズ)」を活用し、日経ビジネスが取材を含む編集プロセスにユーザーの意見を取り入れていくプロジェクト。一部の取材に同行する「オープン編集会議メンバー」を公募。
「イノベーション創出」「起業のリアル」に次ぐ第3弾のテーマとして、23人のメンバーとともに「ゼロイチ人材の育て方」を議論してきた。

■ライフスタイルアクセント山田CEOへの取材に同行したメンバー(敬称略)

大塚 夕奈横浜市立大学学生
鈴木 秀彰大野山福光園寺
鈴木 瞳マカイラ
平尾 耕一メッツラー・アセット・マネジメント
宮本 英典東京応化工業
三輪 愛ミニストップ
中堂薗 哲志リブワンス
野河 優貴慶応義塾大学学生
(注:発言内容は個人の意見であり、所属する企業や団体を代表するものではありません)
ライフスタイルアクセントの山田敏夫CEO(最高経営責任者)

佐伯真也(日経ビジネス編集部):創業に込めた思いや、現在のビジネスモデルを思いつくに至った経緯を教えていただけますか。

山田敏夫氏(ライフスタイルアクセントCEO=最高経営責任者):もちろんです。その前に皆さんに聞いてみたいんですが、きょう日本製の服を着ているという方はどのくらいいますか。

(参加者全員が手を挙げる)

山田氏:半端ないですね。みんなが日本製品を着ているって、きょうはすごい会ですね。というのも、たぶん同じことを100人を前に尋ねても手を挙げられない。タグを見て気付くというのがほとんどで、世の中の人にとって、「どこ製」かなんてどうでもいいんですね。

 消費者がファッションを選ぶ時に現在は2軸があると言われていて、1つがトレンド。デザインやロゴみたいなファッション性。もう1つは値段。経済性といわれるもので、コスパがいいよねとか、プチプラだよねとか、ファストファッションだよねみたいなもの。この2つがメインです。

 僕らのチャレンジは「作り手の思いで服を買う」という3つ目の価値軸を新たに作ることです。例えば野菜だと、誰々さんの畑で取れましたといったことが、ようやく今になって大切だとされている。こうした流れは身体に入れるものから始まって、次はオーガニックコスメのような肌に付けるもの、ようやく最後になって着るものになると思うんです。僕らがやっているのは日本製の服を作って売るという本当にシンプルなこと。野菜の産直みたいなことを洋服でやっているんです。

 どこが特徴的かというと、僕らの商品のほとんどは通常の中間流通をなくして工場直結なので、通常よりも半額ぐらいで買えるんです。でも、実は中間流通をなくしたから安くできているという話ではないんです。商社とか卸とかたくさんあった工程を省いた分のお金を全部工場に払っているんです。

 じゃあ、どうやって安くできているかというと、基本的に店舗がないんです。あとセールもしない。もともとセール時のような値段設定をしているので、50%オフでも利益が出る。残る一つは、ほとんど広告宣伝費がないこと。つまり、普通ならば、何パーセントは家賃に充てるよね、何パーセント分はセール用にするよね、何パーセントは宣伝広告費だよね。みたいなものを全部最初からなくしているんです。

 工場について言えば、世の中との大きな違いは2つあります。1つは、全部の商品に工場の名前がついていること。こうすることで、はじめて名前が表に出るようになって生産者が誇りを持って働けるようになったんです。たったこれだけのことですが、今まではファッション業界ではタブーだったんです。

 なぜかというと、皆さん何でだと思いますか?

鈴木瞳氏(マカイラ):ブランドAとブランドBは実は同じところが作っているというのが、消費者に分かってしまうから。

山田氏:意外と安いところの製品もやっていたのねみたいな。同じ工場なのねみたいな。ほかには何か思い付くのはある?

野河優貴氏(慶応義塾大学学生):同じく、無意識にブランドと工場は1対1対応だと思って買っているのに、実は1対1対応じゃなかったんだねというのがばれちゃうからですか。

山田氏:なるほど、正解ですね。

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「他人と比べず、自分なりの価値判断軸を持とう」の著者

奥平 力

奥平 力(おくだいら・つとむ)

日経ビジネス記者

2007年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、通信社に入社。長野、前橋支局での勤務を経て、税制や社会保障、地方自治などをテーマに中央省庁や与党の政策決定プロセスを取材。18年夏から日経ビジネス記者に、商社、建設、住宅、不動産を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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