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憲法と自衛隊の新神学論争=武力行使との一体化

論争の震源は常に「海外派遣」

2018年2月5日(月)

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・「憲法と自衛隊の新神学論争=武力行使との一体化」に関するアンケートはこちら
・「『自衛隊』ではなく『自衛権』を憲法に定める」に関するアンケートはこちら
・「自衛隊という実力組織を『統制』する術」に関するアンケートはこちら
紛争地域の平和の維持を図るため、国連はPKO部隊を派遣している(写真:ロイター/アフロ)

 集団的自衛権の行使に比べて関心が集まっていないものの、改憲を議論する際に無視できないのが国際貢献だ。具体的には、(A)国連が主導する多国籍軍への協力、(B)PKO(平和維持活動)への協力、(C)国連が主導する「集団安全保障」への参加、をどう位置づけるかである。集団安全保障は、加盟国が集団でつくり、加盟国すべてを適用対象とする安全保障体制のこと。侵略などをした国に対し、他の加盟国が国連安全保障理事会決議に基づいて集団で制裁を加える。集団的自衛権と字面が似ているが、異なる概念だ。

 日本国憲法は前文で以下のように宣言し、国際貢献を重視している。

日本国憲法 前文

(前略)
 われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

新たな神学論争「武力行使との一体化」

 だが、この宣言を実現するための権能や方法については憲法に規定がない。このため、自衛隊を海外に派遣し国際協力案件に参加する話が持ち上がるたびに、憲法との関係が議論されてきた。

 (A)と(B)について、自衛隊の海外派遣をめぐる議論は1990年の湾岸戦争をきっかけに始まった。政府は多国籍軍への後方支援を実施するため「国連平和協力法案」を国会に提出。この時、「わが国の自衛隊は、自衛のため必要最小限度の武力行使しかできない。交戦権も持ち得ない。海外派兵もできない」という当時の政府見解との整合性が問題視された。政府はこれに対し、他国による「武力の行使と一体化することがない後方支援ならば許される」と説明した。

 同法案は結局、廃案になった。だが、この説明をベースに、「非戦闘地域」での活動は他国による武力行使と一体化しない、との考えが生まれた。非戦闘地域の定義は、①現に戦闘が行われておらず、②自衛隊の活動期間を通じて戦闘行為が行われないと認められる地域である。

コメント1件コメント/レビュー

自衛隊は、国境の外での軍事行動は全て国連指揮下でのみ可能な様に憲法に規定すべきだと思う。強制行動型国連軍としての活動も含め、基本的に『国連軍としての全ての活動』を受け持つ。『後方支援に限定』という様な消極的な参加では国際的に高い評価は得られない。ただし、国連決議の下でも、多国籍軍の一翼を担う様な参加は禁止。飽く迄も『国連指揮下』が大前提。自衛隊が国連軍として具体的な活動を30年継続した後に、一旦それ以降の自衛隊の国連軍への関与の在り方を考え直す機会を持つべきだろう。理想としては、日本型の『国境の外での軍事行動は全て国連指揮下でのみ可能』な国連軍参加を多くの国々から得られれば大成功と言えるが、ポピュリズムの強まりつつある現在では、実現はかなり難しく思われる。それでも自衛隊が『理想的な軍隊』と世界中から評価されることが一番重要。恐らく、『国連軍としての全ての活動』を行えば、PKOへの参加と比べると尊い命を失う自衛隊員も増えると思われるが、彼等は『日本の利益のため』ではなく、『世界平和のため』の尊い犠牲で世界中からの尊敬の的となる。この活動には外国籍の人でも、過去に犯罪歴がなければ参加可能で、例えば本人が希望すれば『3年以上の活動参加』で日本への帰化の権利を得る様な仕組みも用意された方が良い。(2018/02/05 08:06)

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「憲法と自衛隊の新神学論争=武力行使との一体化」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

自衛隊は、国境の外での軍事行動は全て国連指揮下でのみ可能な様に憲法に規定すべきだと思う。強制行動型国連軍としての活動も含め、基本的に『国連軍としての全ての活動』を受け持つ。『後方支援に限定』という様な消極的な参加では国際的に高い評価は得られない。ただし、国連決議の下でも、多国籍軍の一翼を担う様な参加は禁止。飽く迄も『国連指揮下』が大前提。自衛隊が国連軍として具体的な活動を30年継続した後に、一旦それ以降の自衛隊の国連軍への関与の在り方を考え直す機会を持つべきだろう。理想としては、日本型の『国境の外での軍事行動は全て国連指揮下でのみ可能』な国連軍参加を多くの国々から得られれば大成功と言えるが、ポピュリズムの強まりつつある現在では、実現はかなり難しく思われる。それでも自衛隊が『理想的な軍隊』と世界中から評価されることが一番重要。恐らく、『国連軍としての全ての活動』を行えば、PKOへの参加と比べると尊い命を失う自衛隊員も増えると思われるが、彼等は『日本の利益のため』ではなく、『世界平和のため』の尊い犠牲で世界中からの尊敬の的となる。この活動には外国籍の人でも、過去に犯罪歴がなければ参加可能で、例えば本人が希望すれば『3年以上の活動参加』で日本への帰化の権利を得る様な仕組みも用意された方が良い。(2018/02/05 08:06)

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