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ダボスはトランプに乗っ取られたのか

金持ちクラブの光と影

2018年1月30日(火)

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ダボス会議を運営する世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ会長(右)と握手をするドナルド・トランプ米大統領。(写真:AP/アフロ)

 グローバル化の象徴である世界経済フォーラム(WEF)のダボス会議は、「米国第一主義」のドナルド・トランプ大統領に乗っ取られたのだろうか。ダボスという場を意識してか、トランプ大統領は挑発的な排外主義を封印し、米国第一主義は孤立ではないとして「米国の成長が世界の成長につながった」と強調した。永遠に離脱するといっていた環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟を検討する姿勢までのぞかせた。メルケル独首相とマクロン仏大統領による反保護主義・反トランプ連合もやや拍子抜けになった。もっとも、この変幻自在さこそがポピュリスト(大衆迎合主義)の本質である。ダボス会議という「金持ちクラブ」が目先の好景気に安住し、格差拡大によるポピュリズムの拡散を黙認すれば、世界に潜在的リスクが累積する。

「ダボス」が生んだ「トランプ」

 グローバリズムを進め自由貿易を守るダボス会議と、自国本位主義で保護主義に傾斜するトランプ流は対極にあるはずである。ところが自国本位主義というトランプ現象を生んだのはまさにこのダボス流である。

 筆者は日本経済新聞記者として、このダボス会議に2000年半ばから数年間参加していた。1月末に酷寒の雪深いスイスに行くのは気が重かったが、何よりここに行けば、世界各国から集まる首脳や通貨当局者、経済人、学者、エコノミストらに会えるという利点があった。常連だった緒方貞子氏(元国連難民高等弁務官)も、ここに座っていれば、短期間に集中して世界中の人々と話ができると言っていた。そのかわり、通常のセッションだけでなく、朝食会から昼食会、夕食会など個別の会合をこなさなければならず、若手記者時代の「夜うち朝がけ」を連日やっているようなものだった。

 メディア代表の集まりでは、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁や英首相になる前の若きキャメロン氏、リー・シェンロン・シンガポール首相らと懇談した。様々な人に会っているうちにその年の「世界の潮流」がみえてくるのである。

 そのダボス流の基本はグローバリズムだったといっていい。そこに疑いをさしはさむ人はいなかった。そのなかで、国際通貨基金(IMF)の副専務理事でエコノミストの朱民氏が「格差問題が米欧だけでなく、中国を含め世界共通の課題になる」と警鐘を鳴らしていたのを思い出す。

コメント13件コメント/レビュー

トランプの本質をついてないな。岡部さんは、欧州の見立てにしても、いつもずれていると思うのだが。(2018/02/04 01:26)

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「ダボスはトランプに乗っ取られたのか」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

トランプの本質をついてないな。岡部さんは、欧州の見立てにしても、いつもずれていると思うのだが。(2018/02/04 01:26)

タイトルを見ただけで「これはあかん」と直観し、読まずに飛ばそうと思いました。しかし「これはあかん」内容かどうかを全部読まずに判断するのはよくないと思い直して、敢えて「いただいたコメント」を含めて全部読みました。そして最後まで読んでよかったと思いました。読む価値があると思ったのは「いただいたコメント」の数々でした。アンケートでは選択肢として挙がっていませんが、「いただいたコメント」は参考になりましたか? 「いただいたコメント」をお薦めしますか?という項目がもしあったならば、「とても参考になった」「是非読むべき」というチェックを入れたと思います。(2018/01/31 17:11)

岡部氏は実現しない理想論しか主張せずに、現実と歴史を見ない典型でしたが、それが更に先鋭化されつつあるようですね。世界外交では力が無いとどんな理に適った発言も通らず、力があればどのような行為も許容されます。

あれ程に人権を無視して国際法を無視している中国が、岡部氏が絶賛するドイツと普通に開講しているのはを知らないのでしょうか。ドイツが歓迎するのは貿易額が高いからです。当然ですね。

そもそもトランプ氏の発言はリップサービスで嘘だろうと評論していますが、そのリップサービスこそが外交勝負の基本である事も理解していない時点で御粗末です。まさか、誠意と正義をもって交渉すべきとか考えているんでしょうか。呑気過ぎて笑ってしまいますね。国際的な外交の場とは自国の国益をどのように確保するかの戦争ですよ。

最後に「ダボス会議はその存在意義を問われている」と書いていますが、岡部氏の価値観の押し付けですね。偏見とも言います。トランプ氏を糾弾すべきとの個人的感情が見え隠れしますが、その無計画・短絡さには呆れてます。それで何が解決するのかと。トランプ氏が相手にしなくなって勝手に行動する事を希望しているのでしょうか。

交渉とは相互の着地点を探る事は大前提です。岡部氏のような一方的な価値観を主張して相手を押しつぶそうとするその姿勢は、きっと最終的に「正義の為の」戦争が起きるでしょうね。(2018/01/31 10:02)

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