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核軍拡競争が招く世界経済危機

新冷戦の危険が迫る

2018年2月21日(水)

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ドイツで安全保障や外交問題を協議する「ミュンヘン安全保障会議」が2月18日まで開かれ、各国首脳や閣僚らが参加した。核問題が主要議題に浮上し米ロ間の緊張が高まった。(写真:MSC/Barth)

 世界は再び冷戦時代のような「核の危機」におおわれ始めている。北朝鮮の核・ミサイル開発に加えて、米ロ間で核軍拡競争が始まる危険がある。トランプ米政権の「核体制の見直し(NPR)」は小型核兵器の開発など核兵器の使用条件を緩和し、核戦力を増強する方針を打ち出した。冷戦末期の1987年に米ソがようやく締結した中距離核戦力(INF)廃棄条約の存続すらあやぶまれている。オバマ前大統領が打ち出した「核兵器なき世界」の理想は葬り去られようとしている。核軍拡競争が再燃すれば、米国の財政赤字は膨張し、意図せざるドル高や金利上昇につながる。それは混迷する世界経済を深刻な危機に陥れるだろう。

葬られた「核兵器なき世界」の理想

 トランプ大統領は、まるで「ちゃぶ台返し」のようにオバマ前大統領の決定を覆してきたが、これほどの大逆転はないだろう。「核兵器なき世界」から核戦力の増強への逆転である。オバマ大統領自身も認めていたように「核兵器なき世界」が遠い理想であることは事実だろう。しかし、そのゴールに向けて着実に核軍縮を進めるのは米ロをはじめ核保有国の責任であるはずだ。

 にもかかわらず、トランプ政権の核戦略見直しでは、小型で使いやすい核兵器を開発し、その使用条件を緩和するなど核兵器の役割を高める戦略を打ち出している。サイバー攻撃など様々な新たな脅威に柔軟に対応するためだとしているが、核兵器使用のハードルを下げようとする戦略なら、「核の危機」は一気に高まる。

 このNPRには、核近代化を進めるロシアや中国は反発しており、核軍拡競争に火をつける危険がある。そうでなくても、核軍縮は進んでいない。世界の核弾頭の9割以上を保有する米ロの核軍縮は、2011年の新戦略兵器削減条約(新START)の締結を最後に停滞している。米国はロシアが冷戦末期に締結したINF廃棄条約に違反し、中距離核ミサイルの開発・配備を続けていると非難し、ロシアも非難合戦に応じている。このままでは歴史的なINF廃棄条約が空文化しかねない状況だ。

コメント18件コメント/レビュー

記事よりコメント欄の方が勉強になりました。

そういうコメントを読むことが出来た、という意味では、この記事に目を通した時間も無駄ではなかったかもしれません。(2018/02/25 13:09)

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「核軍拡競争が招く世界経済危機」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事よりコメント欄の方が勉強になりました。

そういうコメントを読むことが出来た、という意味では、この記事に目を通した時間も無駄ではなかったかもしれません。(2018/02/25 13:09)

ドル高で通商摩擦激化の項目
 世界の各国が保護貿易化するのの何が悪いのか、鎖国とかでもない適度な保護貿易(生産できないものを買う・余剰生産分を売る)の状態になれば、市場それぞれのバランスがとれて適度な保護貿易を実施している国同士では通貨やインフレ率が最適化されるのではないだろうか。

日本の地球責任の項目
 勇逸の被爆国である日本の核兵器に関する地球責任とは、
日本のみが核兵器を保持し、使用の権利を有するとなると確実に行き過ぎになるのでそこまでは気負う必要はないだろうが、
 アジアにおいては、中国・ロシア・インドなど、どちらかと言えば統制経済国家側が核兵器を保有しているので、自由主義経済側である日本も保持しておくくらいのレベルの論議でよいと思う。
 核兵器よりレールガンなどの方に兵器開発予算を日本は付けるべきだろうけど。
 (もちろん防衛予算とは別ですよ、防衛予算は防衛力の維持に使用するべきであり、武器の購入や開発には一般予算を充てるべきなので)(2018/02/24 16:32)

経済的な面、金利や為替についての言及までは良かった。しかしながら最後の結論が全く唐突でつながらない。(2018/02/24 09:32)

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