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EUは危機打開の第1関門を通過したけれど

「極右ポピュリズム」のドミノ倒しは防げたか

2017年3月22日(水)

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オランダ下院選(定数150)の投開票が3月15日行われ、現職のマルク・ルッテ首相率いる与党・自由民主党が33議席を獲得し、現有の40議席から大きく減らしたものの、第1党を維持した。(写真:新華社/アフロ)

 欧州連合(EU)の行方を左右すると見られていたオランダの下院選は、ウィルダース党首率いる極右ポピュリズム(大衆迎合主義)政党、自由党が伸び悩み、ルッテ首相率いる中道右派の自由民主党が第1党を維持した。英国のEU離脱、米国のトランプ大統領の登場で、世界にポピュリズムが蔓延するなかで、EUはともかく危機打開の第1関門は通過した。しかし、反EUの排外主義はEU全域に浸透しており、フランスの大統領選挙はなお予断を許さない。EUが危機打開できるかどうかは、EU自身が大胆な改革に踏み出せるかどうかにかかっている。

反面教師になったトランプ流排外主義

 「オランダ国民は誤ったポピュリズムに待ったをかけた」。ルッテ首相はこう勝利宣言をした。自民党は議席を40から33に減らしたが、ともかく反イスラムを鮮明にする極右ポピュリズム政党・自由党の台頭に歯止めをかけたのは、勝利だったと言えるのだろう。英国のEU離脱、トランプ米大統領の誕生に連鎖する形で、オランダで極右ポピュリズム政党が第1党になれば、フランスの極右「国民戦線」を勢いづかせる恐れがあった。それはEUの今後に深刻な打撃を与えかねないところだった。投票率が80%を上回ったのをみても、オランダ国民の間に極右台頭への警戒感が強かったことを示している。

 その背景にあったのは、トランプ米大統領が実践する排外主義をめぐる大混乱だろう。大統領令による移民排斥、難民受け入れ停止など保護主義を超えた排外主義は、米国の分裂を招いただけでなく、国際社会の批判にさらされた。そんななかで、「オランダのトランプ」と言われるウィルダース氏率いる自由党が第1党の座に就く危うさを、オランダ国民は感じていたのだろう。ウィルダース氏をはじめ欧州の極右勢力はトランプ大統領の登場を「次はわれわれの番だ」と大歓迎したが、トランプ流排外主義はオランダ国民にとって「反面教師」になったのである。

コメント5件コメント/レビュー

「EUが危機打開できるかどうかは、EU自身が大胆な改革に踏み出せるかどうかにかかっている。」という紋切り型の表現を見て結論まで読んでみたが、結局これまでのEUの失敗を認識できないインテリリベラルの範囲を越えられていない。再配分機能無しにヒトモノカネの流動性を進めるだけならこれまでの失敗を加速するだけだろうに。(2017/03/24 08:30)

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「EUは危機打開の第1関門を通過したけれど」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「EUが危機打開できるかどうかは、EU自身が大胆な改革に踏み出せるかどうかにかかっている。」という紋切り型の表現を見て結論まで読んでみたが、結局これまでのEUの失敗を認識できないインテリリベラルの範囲を越えられていない。再配分機能無しにヒトモノカネの流動性を進めるだけならこれまでの失敗を加速するだけだろうに。(2017/03/24 08:30)

EUを「2度の世界大戦を経て創設され、冷戦終結で進化した平和の組織」と定義されていますが、真の目的は「ドイツの専横を抑える」ための組織と捉えるのが妥当かと。ドイツを抑えるはずの組織がいつの間にか経済的な「ドイツ第四帝国」となってしまったのですから、本来の機能を発しないEUへの信認が低下するのも当然といえば当然。特にオランダ・フランスというドイツに隣接する国家において筆者の言う「極右勢力」が強まっていることからもそれは明らかに見て取れると思います。(2017/03/22 15:31)

本記事は、米ソの中距離核ミサイル配備を巡る攻防でオランダによる配備延期の決断が重要な役割を果たしたかのように記述しているが、大いに疑問がある。
当時の反核運動はソ連に使嗾された極めて政治的な動きで、西側を一方的にソ連のSS20ミサイルから無防備な状態に置くものと危惧された。小生の理解では、局面の転換に重要だったのは当時の西独・シュミット首相の「予定通りパーシング2ミサイルを配備する」との決定の方だったはずだ。これによって動機の不純な反核運動に断固対抗する西側の決意が示された。結果として互いに中距離ミサイルを撤去する「相互ゼロオプション」の交渉に弾みがついたわけである。米ソの和解はソ連にゴルバチョフ書記長が登場して以降の話。40年近く昔の話とはいえ、当時の経緯を覚えている人は多いだろう。いくらなんでも論旨の展開が粗雑ではないか?(2017/03/22 11:34)

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