• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「G7の悪役」になったトランプ米大統領

米国主導は終わり、G7のリーダーは独仏へ

2017年5月30日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 映画「ゴッドファーザー」の舞台であるイタリア・シシリー島のタオルミナで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議で、ドナルド・トランプ米大統領は「悪役」を演じた。「米国第一主義」にもとづく強硬な保護主義の主張を繰り返した。

 他の首脳の説得でサミット宣言ではかろうじて「保護主義と闘う」ことを明記したが、2国間の貿易摩擦の激化を予見させる。地球温暖化防止のためのパリ協定を拒む姿勢は変わらず、米国抜きの協定再確認という異例の展開になった。G7が貫いてきた国際主義を真っ向から否定するトランプ大統領の反国際主義は、国際社会を深刻なリスクにさらしている。

イタリアで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議。「米国第一」を掲げるトランプ米大統領の参加により、G7の足並みの乱れが浮き彫りになった。(写真:Sipa Press/amanaimages)

あからさまな反国際主義

 超大国の自国第一主義がいかに危険か、トランプ大統領のG7での言動で鮮明になった。足元では「ロシアゲート」で政権を揺さぶられる。ロシア疑惑は最側近で女婿のクシュナー上級顧問にまで及んでいる。大統領弾劾に波及する可能性もはらむ。それだけに、外に関心を向けさせ、「米国第一主義」を通そうという思いがにじんでいた。中東歴訪、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議、そしてG7サミットという外交舞台ではっきりしたのは、あからさまな反国際主義だった。

 国際合意と名のつくものを毛嫌いするらしく、中東歴訪ではイランの核合意に反対する姿勢を鮮明にした。これはオバマ前政権の外交方針をくつがえすものだが、イランの核合意は国連安全保障理事会の常任理事国(米ロ中英仏)にドイツを加えた6カ国とイランが練り上げた合意である。イランの大統領選ではこの合意を順守する穏健派の現職ロウハニ師が選ばれたばかりである。イラン核合意が揺らげば、中東に新たな混乱をもたらす危険がある。

時代遅れの貿易観

 さすがに「NATOは時代遅れ」という主張は引っ込めたが、G7でみせた貿易観はまさに「時代遅れ」そのものだった。もともと輸出は善で輸入は悪、貿易赤字は損失という誤った考えがごびりついている。それも2国間の貿易赤字を問題視し、2国間で貿易赤字の解消をめざす。

 だから「ドイツとの関係はいいが、ドイツとの貿易は悪い」と公言してはばからない。メルケル首相が「貿易と投資の両面をみるべきだ。対米直接投資の大きさもみてほしい」と説いても聞く耳はもたなかった。メルケル首相は欧州連合(EU)の共通市場でひとつの国を取り出すのは適切でない」という立場である。

 トランプ大統領は「自由で公正で互恵的な貿易が重要だ」と強調した。そのうえで「互恵的な貿易とは、あなた方が30%の関税をかけるなら、我々も30%にするということだ」といきまいた。世界貿易機関(WTO)のルールなどまるで念頭にないようだ。

 貿易と投資による国境を超えた相互依存が世界経済全体を底上げするというグローバル経済の展開は、トランプ大統領の理解の外にあるらしい。

コメント16件コメント/レビュー

 CO2の問題に関して。元々CO2による温暖化の仮定は、CO2が増えたら大気中の水分量が増えて、その水分の寄与で温暖化が起こる、というものです。CO2より水の方が赤外線の吸光度が高いので、水の寄与が大きいという部分は納得できます。ただしそれであれば大気中の水分量が増えれば増えるほど正のフィードバックがかかって温度が上がるはずですが、そのようになっているようには見えません。「地球温暖化」は科学的な事実では無く、仮定の上に成り立っていることを知るべきでは。
 その上でトランプ大統領の発言を見ると、ごく真っ当に見えますが。(2017/05/31 08:30)

オススメ情報

「岡部直明「主役なき世界」を読む」のバックナンバー

一覧

「「G7の悪役」になったトランプ米大統領」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 CO2の問題に関して。元々CO2による温暖化の仮定は、CO2が増えたら大気中の水分量が増えて、その水分の寄与で温暖化が起こる、というものです。CO2より水の方が赤外線の吸光度が高いので、水の寄与が大きいという部分は納得できます。ただしそれであれば大気中の水分量が増えれば増えるほど正のフィードバックがかかって温度が上がるはずですが、そのようになっているようには見えません。「地球温暖化」は科学的な事実では無く、仮定の上に成り立っていることを知るべきでは。
 その上でトランプ大統領の発言を見ると、ごく真っ当に見えますが。(2017/05/31 08:30)

コメント欄を見て、ここ日本にも、こんなに「地球温暖化」に対し、そもそも「温暖化でないという否定派」、「本当に温暖化しているのか?という懐疑派」、「温暖化の原因はCO2ではない、という他原因派」が多数いるということが良く分かりました。 さらには「CO2による温暖化説は、それで利益を得る企業・団体の陰謀説」までいるとは・・・。 私には「温暖化を否定することで既得権益を守りたい派」の主張にしか思えませんでした。(2017/05/30 18:06)

所詮、世界が一つにまとまるということの方が夢物語ではないか。
主役交代と言うが、ヨーロッパの抱える難民、中東、ギリシャ等々の問題はドイツが背負うしかなかろう。それを抜けようとしたのがイギリス、ここに至ってアメリカも他人事だ。
日本としては、ヨーロッパのことはプライド高きEUに任せ、アメリカも海洋権益確保のために日本とともに中国北朝鮮に注力してくれた方が好ましい。(2017/05/30 14:06)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

欧米主導の議論に対して、「No, But Yes」と斜に構えてばかりでは取り残されます。

末吉 竹二郎 国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問