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ワールドカップの国際政治学

難民問題に揺らぐEU

2018年7月3日(火)

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6月28日、FIFAワールドカップのグループリーグに敗退し、帰国したドイツ代表(写真:picture alliance/アフロ)

 サッカーのワールドカップは世界最大のスポーツイベントだが、そこには国際政治の力学が反映される。4年前のブラジル大会の覇者、ドイツは「独り勝ち」といわれる絶頂期だったが、今回のロシア大会では第1次リーグで敗退した。女帝だったメルケル首相が難民問題で窮地に陥っているのと重なる。

 反難民の極右・ポピュリスト(大衆迎合主義)政権の登場を許したサッカー大国、イタリアは、60年ぶりでワールドカップに参加できなかった。難民受け入れを拒否するポーランドも第1次リーグで姿を消した。ワールドカップさなかに開いた欧州連合(EU)首脳会議は、難民問題をめぐって大荒れになった。かろうじて決裂は回避したものの、危機の芽は消えていない。ワールドカップははからずもEUが抱える難民問題の深刻さを浮き彫りにした。

「独り勝ち」から転落したドイツ

 世界ランク1位で前回大会の覇者、ドイツが第1次リーグ最下位で敗退するとはだれが予想しただろう。1回戦敗退は、ナチスが進出した1938年大会以来80年ぶりで、いわば「歴史的敗退」である。サッカー好きで知られるメルケル首相は、4年前にはブラジルを訪問してスタンドで応援した。優勝に感激し、ガッツポーズまで見せた。そこには経済、政治、外交からサッカーまで「独り勝ち」ドイツの姿が投影されていた。

 しかし今回は、それどころではなかった。メルケル首相は連立与党内で難民問題をめぐって突き上げられている。キリスト教民主同盟(CDU)と長く同盟を組む姉妹政党、キリスト教社会同盟(CSU)のゼーホーファー内相がイタリアなど他のEU加盟国で難民申請した人を国境で追い返すと強硬姿勢を示したのである。CSUの地盤である南部バイエルン州の州議会選挙を10月に控え、極右勢力の台頭に危機感を募らせているからだ。

 メルケル首相は、EU内で難民問題を打開できなければ、内相解任か連立崩壊かという危機に直面した。それを見て連立を組む社民党(SPD)は選挙準備を始めたほどだ。

コメント9件コメント/レビュー

W杯サッカーではヨーロッパ諸国もイメージ以上に黒人系選手が多い。スェーデンやスイスさえ元々の白人国からサッカーではアフリカ系を有効に利用している。元は結婚や移民だろう。
日本でも各種スポーツに黒人白人系ハーフの選手が目立つ。 いずれも日本国籍で(中にはカタカナ名で日本人らしくない人もある)実力で応援したくなる。
世界が狭くなり 結婚や移民で人種混合が進むのは 世代を跨いでの緩やかな変化で、当然の帰結だろう。 ここに移民即日本代表選手はやはり 最近でも心情的抵抗もあるようだ。 カタールや卓球等はやや異端だろう。
オリンピックでは体力の競争なので人種的少数派でも体力で活躍できるので目立つ。
日本でも スポーツ系芸能系では昔から外見では区別できないが、韓国系の人が多い。通常社会人ではやはり偏見や教育差で活躍が難しく、止むを得ずスポーツ・芸能等実力勝負の世界に集まる事になる。そして世代を跨げば徐々に同化してゆく。 嫌がる人も有るだろうが 地球が小さくなっているのは趨勢である。(2018/07/05 10:15)

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「ワールドカップの国際政治学」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

W杯サッカーではヨーロッパ諸国もイメージ以上に黒人系選手が多い。スェーデンやスイスさえ元々の白人国からサッカーではアフリカ系を有効に利用している。元は結婚や移民だろう。
日本でも各種スポーツに黒人白人系ハーフの選手が目立つ。 いずれも日本国籍で(中にはカタカナ名で日本人らしくない人もある)実力で応援したくなる。
世界が狭くなり 結婚や移民で人種混合が進むのは 世代を跨いでの緩やかな変化で、当然の帰結だろう。 ここに移民即日本代表選手はやはり 最近でも心情的抵抗もあるようだ。 カタールや卓球等はやや異端だろう。
オリンピックでは体力の競争なので人種的少数派でも体力で活躍できるので目立つ。
日本でも スポーツ系芸能系では昔から外見では区別できないが、韓国系の人が多い。通常社会人ではやはり偏見や教育差で活躍が難しく、止むを得ずスポーツ・芸能等実力勝負の世界に集まる事になる。そして世代を跨げば徐々に同化してゆく。 嫌がる人も有るだろうが 地球が小さくなっているのは趨勢である。(2018/07/05 10:15)

ワールドカップにおけるアフリカの敗退と国際政治の直接的関係は無い。また,背景としてこの2つの問題に共通する点もない。それを無理結び付けようとする安直さにはがっかりだ。
 だが,確かにイタリアの予選敗退,ドイツの一次リーグ敗退,スペインポルトガルのBEST16どまり,アルゼンチン,コロンビアのBEST16どまり…とサッカーの世界のパワーバランスは確実に変化すると同時に,「確固たる主役」が不在になりつつあるのは筆者が書きたくなる理由かもしれない。
 ワールドカップで「主役」が「消えた?」のは単に,世界のサッカー文化の急速な共通化,普及化でとびぬけたカリスマ的な「国」が無くなって来ている表れでは無いかと思う。同様に,「個人」としての(旧来の)カリスマ的プレーヤー(メッシ,ロナウドなど)も輝かなかった(新しいスターは生まれつつあるが…フランスの10番など)。そして,「ヨーロッパ一極集中」こそが今回のワールドカップであり,BEST8に残っているのはブラジルとウルグアイ以外はすべてヨーロッパの国だ。その意味では,「ヨーロッパこそ主役だ」という筆者の主張?に合致している。「ヨーロッパこそが世界の中心だ!」と主張したいのならサッカーを国際政治に積極的に関係づければよい。だが,そんなサッカーを世界の民衆は見続けたいだろうか?それがFIFAが目指すサッカーだろうか。「豊かになりたければサッカーで有名になれ!そうすればヨーロッパに行ける!」でいいのだろうか。そして本当に多くの才能ある若者たちが「サッカー」にのめり込んだのだろうか。アフリカでは選択肢は「サッカー」しかないのだろうか。南米ではどうだろうか。「サッカー」では無い選択をした若者たちがいたとしたら,アフリカが不発だったのは,「世界のサッカー離れ」や「アフリカの(経済的)離陸」があるかもしれない。これは国際政治の背景が実はワールドカップの結果とは「逆相関」を持つ可能性もあることを示唆する。ヨーロッパの中での成功だけで満足しているサッカー界は大切な未来を見落とすかもしれない。その意味では難民問題で苦闘するメルケルの主張を擁護したい筆者の趣旨にかなうのかもしれない。(2018/07/04 13:35)

寛容とか強制とか自由とか権利とか言ってる人が、意見の違う他者のそれを尊重し許容するのを見た事がないのですが?

「君の意見には反対だ、だが君がそれを主張する権利は命をかけて守る。」というヴォルテールの精神こそが自由民主主義を希求する姿です。自分と反対の意見を非知性、非寛容で嫌悪すべきもの、と公然と貶め、それを正義だとする態度は恐ろしく感じます。

世界にとって左右どちらかが一方的に危険なのではなく、「実力を行使してでも自分の望む世の中にしよう」と考える過激派が危険なのです。(2018/07/03 23:37)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官