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トランプ米大統領に見る「魚は頭から腐る」

「陰の大統領」解任の波紋

2017年8月22日(火)

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排外主義的な「米国第一主義」政策を推し進めてきた、スティーブ・バノン首席戦略官(右端)が8月18日付で解任された。写真は今年1月に撮影されたもの。バノン氏の左のマイケル・フリン氏(前大統領補佐官)もロシア疑惑によりすでに退任している。政権中枢幹部の更迭や退任が続き、トランプ政権内部は混乱している。(写真:ロイター/アフロ)

 「魚は頭から腐る」はロシアの格言だが、この格言がいま最も当てはまるのは、ドナルド・トランプ米大統領だろう。白人至上主義を容認するかのような大統領の発言が米国社会の分断と混乱を招いている。トランプ大統領を支えてきた与党・共和党の幹部や経済界、それに軍幹部にまで大統領批判は広がっている。大統領への助言組織である米製造業評議会と戦略・政策評議会は、経済人の抗議の辞任が相次ぎ、解散せざるをえなかった。そして、「陰の大統領」と呼ばれ、米国第一主義を推し進めた極右、スティーブ・バノン首席戦略官の解任に追い込まれた。トランプ政権がこれを機に人種差別と排外主義から決別しない限り、競争力は削がれ、米国の時代は終わりを告げるだろう。

白人至上主義の本性を露呈

 トランプ大統領の言動からは白人至上主義の本性がみてとれる。奴隷制存続を主張し、人種差別の象徴とされたリー将軍像の撤去をめぐって、白人至上主義団体と人種差別に反対する人々が衝突した。その際、大統領は「双方に責任がある」と述べ、「喧嘩両成敗」の立場を取った。トランプ大統領を誕生させた白人貧困層に配慮したとみられる。

 これが全米の非難を浴びると、一転して、KKK(クー・クラックス・クラン)やネオナチを名指しして白人至上主義者を批判し、火消しにつとめる。ところが、リー将軍像の撤去に「偉大な我が国の歴史や文化が引き裂かれるのは悲しい」と再び人種差別を容認するかのような発言をする。

 さらに「オルト・ライトの定義は何か」と問い「オルト・レフト」もいると反論した。これは極右が反対勢力に反撃する際によく使う常套手段である。一連の発言をつなげるとトランプ大統領の白人至上主義の本性が浮かび上がってくる。

追い込まれてのバノン氏切り

 トランプ大統領の思考法に色濃く影響を及ぼしたのは、バノン氏である。あるいは両氏は共鳴し合っており、一心同体だったのかもしれない。そのバノン氏が解任に追い込まれたのは、人種差別という米国にとって最もセンシティブなテーマを前に、トランプ政権が存続の危機にさらされると大統領自身が感じたからだろう。政権存続のため「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」という心境だったかもしれない。

コメント15件コメント/レビュー

岡部さんもそうですが、(特にマスコミからは否定的な情報しか入ってこない状況で)トランプ氏に対する判断を下すのは良くないことでしょうし、少なくともアメリカの現在の好況はトランプ氏の成果でもあるわけです。
コメントの方の「彼は自分の言葉で具体的なポリシーの話はしないし、理解もしてない」など、どの情報を元に判断をされているのか是非ご教示いただきたい。
岡部氏もそうなのですが、多様性や思想の自由を本当に肯定されるのであれば「白人至上主義やネオナチを否定しない姿勢自体が問題」なんて言葉は出てこないでしょう。
選挙の対立軸で考えれば、「適度な自由経済主義」で「反グローバリズム」を訴えていたトランプ氏がトランプ氏の思想はアメリカ国民に受け入れられていますし、実際にその公約に従って大統領令を発令している姿は、公約を一つも果たさないどこぞの政治家よりもよほど立派だと思います。
このコラムに反発する意見が多く見受けられますが、それは岡部さんが只管グローバリズム信奉者であり、ラベリングで人の思想を貶した挙句自分の意見以外を認める許容性がなく、その正当性を訴える内容にすら乏しいという3点によって「読み価値がない」と判断されているのだと思います。
個人的にはコメント欄を開示しているだけ「マシ」なのかもしれませんし・・・私はコメント欄を楽しみにこのコラムを読みに来ています。(2017/08/25 11:52)

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「トランプ米大統領に見る「魚は頭から腐る」」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

岡部さんもそうですが、(特にマスコミからは否定的な情報しか入ってこない状況で)トランプ氏に対する判断を下すのは良くないことでしょうし、少なくともアメリカの現在の好況はトランプ氏の成果でもあるわけです。
コメントの方の「彼は自分の言葉で具体的なポリシーの話はしないし、理解もしてない」など、どの情報を元に判断をされているのか是非ご教示いただきたい。
岡部氏もそうなのですが、多様性や思想の自由を本当に肯定されるのであれば「白人至上主義やネオナチを否定しない姿勢自体が問題」なんて言葉は出てこないでしょう。
選挙の対立軸で考えれば、「適度な自由経済主義」で「反グローバリズム」を訴えていたトランプ氏がトランプ氏の思想はアメリカ国民に受け入れられていますし、実際にその公約に従って大統領令を発令している姿は、公約を一つも果たさないどこぞの政治家よりもよほど立派だと思います。
このコラムに反発する意見が多く見受けられますが、それは岡部さんが只管グローバリズム信奉者であり、ラベリングで人の思想を貶した挙句自分の意見以外を認める許容性がなく、その正当性を訴える内容にすら乏しいという3点によって「読み価値がない」と判断されているのだと思います。
個人的にはコメント欄を開示しているだけ「マシ」なのかもしれませんし・・・私はコメント欄を楽しみにこのコラムを読みに来ています。(2017/08/25 11:52)

トランプ氏への批判記事があまり見られない日本のメディアにおいて、岡部氏の記事は評価に値すると思う。確かに、もう少し記事の内容を掘り下げたほうがよかったと思うが、現政権への批判が記事としてなぜ受け入れられないのか理解に苦しむ。

白人至上主義やネオナチを否定しない姿勢自体が問題なのであり、多民族国家のアメリカにとっては受け入れがたい価値観である。それが理解されない意見を読む限り、日本が単一民族から抜け出すのは遠い未来のような気がする。

トランプが公約を守っているとか選挙で受け入れらたという意見があるが、彼にはポリシーはない。彼は自分の言葉で具体的なポリシーの話はしないし、理解もしてない、健康保険もおそらく今も理解していないであろう。選挙の勝ち方を知っていて、選挙結果に影響する地域の人たちに向けたメッセージが効果的だっただけであり、大多数の国民は彼には投票していない。彼が勝ったのは選挙のシステムと特定地域の人をヒラリーより理解していただけである。(2017/08/24 03:26)

日経ビジネスに申し上げる 岡部直明氏は外した方が良い
いつも事件・事象をつまみ食いして、彼個人の主義主張に都合が良いことを書いているだけだ
そういう政党やメディアはよくあるが、日経だけには包括的な客観的解析に努めてほしいと願う(2017/08/23 18:55)

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