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中国顔負けの「金融社会主義」日本

国際金融センターが遠いわけ

2017年10月3日(火)

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 中国の習近平政権は共産党大会を前に強権化の動きを強めている。仮想通貨の取引停止など「金融社会主義」を徹底している。一方、日本もまた中国顔負けの金融社会主義が進行している。米欧が超緩和政策からの出口戦略に動いているのに、日銀では出口論議さえ封じられている。日銀の独立性が損なわれている証拠である。

 日銀が指数連動型上場投資信託(ETF)購入を通じて株式市場をゆがめているのも異様な光景だ。金融庁が公正で中立的な審判役から、成長戦略の一翼を担う「金融育成庁」に転換するのも介入主義の表れだろう。官民ファンドなど政策金融の肥大化も進む。金融社会主義がはびこるようでは、国際金融センターへの道も遠ざかるばかりだ。

中国人民銀行と見まがう日銀の政府依存

 世界の中央銀行では、いま3人のトップの後継人事に注目が集まっている。米連邦準備理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長、日銀の黒田東彦総裁、そして中国人民銀行の周小川総裁である。イエレン議長や黒田総裁は続投の可能性があるが、在任14年の周総裁の退任は確実視されている。

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁。在任期間が15年に迫ることから、退任が確実視されている。(写真:AP/アフロ)

 国際金融界では周総裁は著名な「通貨マフィア」である。中央銀行総裁の集まりである国際決済銀行(BIS)の場や国際通貨基金(IMF)などでは、存在感は大きかった。アラン・グリースパンFRB元議長らも高く評価していた。人民元改革に取り組み、人民元をSDR(IMFの特別引き出し権)の構成通貨に押し上げた。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設にも尽力してきた。

 国際金融界で一目置かれる周総裁だか、中国の権力構造を示す共産党の序列は決して高くない。そもそも人民銀行は政府にあたる国務院の1部門にすぎない。利上げなど金融政策の運営には国務院の許可が必要だ。習近平国家主席の意向に従って金融政策は運営される。例えば、人民銀行は9月30日、預金準備率を引き下げたが、共産党大会を控え弱者への融資拡大をめざす習近平政権の意向が反映されている。

コメント13件コメント/レビュー

↓下方硬直性があるなら、利益を先に得るよりも解雇される可能性の方が高いでしょう。約10年前に「年越し派遣村」とかあったじゃないですか。(2017/10/15 13:56)

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岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

↓下方硬直性があるなら、利益を先に得るよりも解雇される可能性の方が高いでしょう。約10年前に「年越し派遣村」とかあったじゃないですか。(2017/10/15 13:56)

景気が良くならないのは、円安誘導で円の価値を下げることにより、利益を生むものとしての実体である企業価値を示す株価が上がる、あるいは、ものの値段が上がる、賃金が上がるはず、という筋書きが崩れてしまっているから。つまり、値段のあがったものもあるが、そこからお金が回ってあがるはずとされていたのに上がらないもの、例えば賃金や一部の物価、があるからである。逆に考えると、円高に誘導すると、株は下がるかもしれないが、円に対する購買力平価は上がるわけだから、下方抵抗性のある賃金労働者が豊かになり、景気が実感として上がるはず。経営者は、円を尺度とする利益に対する数字に努力を強いられるし、財政も見た目の税収は減るので官僚も努力する必要が出る。なぜ、このコメント欄の方々はこの逆方向の手段について言及されないのか。日経関連の方々は、円高で苦労を強いられる方々ばかりなのか。賃金を手にする労働者だって、最初は円高でいい思いをするかもしれないが、賃金の価値が上がった分、後から生産性の向上か賃下げを求められることになる。でも、確実に円高による利益を得てから頑張るのと、いつもまでもあてにならない円安による利益が回ってくるのを待つのと、比べれば、まず、利益をもらうべき時がきたのではないのか。もう、こんなに待ったのだから。(2017/10/06 10:03)

「株式市場や企業統治を歪めるべきでない」という理想主義と「米欧では」という現実主義?を自説に都合よく使い分けている印象。

例えば中央銀行のあり方について、一度だけ徹頭徹尾理想の方を語ってみて欲しいかも。
きっとコメント欄が面白くなるでしょう(笑)(2017/10/04 18:05)

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