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メルケル首相はトランプ大統領に敗れたのか

「悪貨は良貨を駆逐する」世界の政治

2018年11月2日(金)

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2018年ブラジル大統領選挙の決選投票で、極右ボルソナロ氏が勝利した(写真:ロイター/アフロ)

 「悪貨は良貨を駆逐する」はグレシャムの法則で、あくまで経済の原則と考えられてきた。ところが、いまそれは世界の政治に当てはまる。長く欧州連合(EU)の盟主として、自由と民主主義をリードしてきたメルケル独首相が州議会選挙に連敗し、党首辞任に追い込まれた。

 その日(10月28日)、ブラジル大統領には「ブラジルのトランプ」と呼ばれる極右ポピュリスト(大衆迎合主義者)のボルソナロ氏が選ばれた。イタリアのポピュリスト連立政権は財政拡大路線を掲げ、EUに揺さぶりをかける。世界の政治にトランプ主義が蔓延している。メルケル首相はトランプ米大統領に敗れたのだろうか。

対極にいる2人

 世界を見渡して、トランプ米大統領が最も苦手な政治家はだれか。米中経済戦争のさなかにある中国の習近平国家主席でも、中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を突きつけたロシアのプーチン大統領でもない。EUの若き指導者、マクロン仏大統領でもなければ、もちろん安倍晋三首相でもない。それは、メルケル独首相だろう。

 トランプ大統領が目の敵にするオバマ前米大統領に似ているが、オバマ氏よりも強固な意志と実行力がある。その政治姿勢はことごとく対極にある。トランプ大統領は難民受け入れを拒み、自国第一主義で保護主義を展開する。

 地球温暖化防止のためのパリ協定を離脱し、イラン核合意からも抜ける。これに対して、メルケル首相は難民受け入れに寛大だった。もちろん「100万人受け入れ」など寛大すぎて、政治生命に響くことになる。国際主義で多国間の自由貿易を守る。パリ協定を順守し、イラン核合意も維持する。

 トランプ政権発足後、最初の米独首脳会談で、トランプ大統領はメルケル首相が手を差し出すのを知らぬふりをして、握手をしなかった。以来、2人は対極にあって、にらみ合ってきた。そのメルケル首相がいま最大の政治的危機に直面している。

メルケル時代の終わりに揺らぐEU

 メルケル首相はバイエルン州に続くヘッセン州の州議会選挙での相次ぐ与党大敗の責任をとって、キリスト教民主同盟(CDU)の党首を辞任することを表明した。その一方で、2021年まで首相は続ける意向を示した。「外交では、英国のEU離脱や米国によるINF廃棄条約の破棄がある。私は忙しい」とし、EUの盟主を続ける姿勢は崩さなかった。

コメント22件コメント/レビュー

選挙では左右の幅広い層から集票する方法と右か左の固定支持層を掘り起こす方法があり、左右から幅広く集めると候補者の意見が同じになっていきますし、固定支持層を狙うと右でも左でも聖樹主張が極端になっていきます。
SNSなどで個人属性を基に情報操作や集票が可能になりメディアはポピュリスト扱いするのですが、SNS画面に出てくる個人属性による広告出稿と同じ技術です。
固定電話による世論調査では明らかにできない世論もSNS分析で可能になり安倍政権は支持率維持の政策決定に使っていので長期間の支持率低下を起こしていません。
メディアや情報技術の変化が政治も変化させているのですが、正しい世論動向に従っているポピュリストの方が間違っているとは思えませんし、格差の拡大が寛容性を失わせ自助努力を求める層が実際に増えています。(2018/12/03 13:06)

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「メルケル首相はトランプ大統領に敗れたのか」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

選挙では左右の幅広い層から集票する方法と右か左の固定支持層を掘り起こす方法があり、左右から幅広く集めると候補者の意見が同じになっていきますし、固定支持層を狙うと右でも左でも聖樹主張が極端になっていきます。
SNSなどで個人属性を基に情報操作や集票が可能になりメディアはポピュリスト扱いするのですが、SNS画面に出てくる個人属性による広告出稿と同じ技術です。
固定電話による世論調査では明らかにできない世論もSNS分析で可能になり安倍政権は支持率維持の政策決定に使っていので長期間の支持率低下を起こしていません。
メディアや情報技術の変化が政治も変化させているのですが、正しい世論動向に従っているポピュリストの方が間違っているとは思えませんし、格差の拡大が寛容性を失わせ自助努力を求める層が実際に増えています。(2018/12/03 13:06)

何を言いたいのかよく分からないです。
メルケルはトランプを批判はしましたがそれ以上のことは何もしてなくないですか?

単純にドイツ国民の期待に応えられなかったから責任を取っただけ
それ以上、それ以下でもないと思いますが・・・

記事に書かれていることもEUの問題であってアメリカは関係ないでしょうに。(2018/11/08 12:58)

私は岡部直明氏のご意見に全面的に賛成です。この記事の他にも1,2拝読していますが、いずれも現在の世界情勢を冷静に観察し、そこにご自身のお考えを正確な言葉で書いていらっしゃって、いまどきの書き手には珍しい素晴らしい分析の出来る方とお見受けしています。

それに反して、ここにコメントを書いていらっしゃる方の中には、おそらくご自分のお考えと一致しないからか、あるいは単に反対を言いたいだけからか、岡部氏のこの論理を頭から否定するようなことを書いていられるのは、私にはとても納得いかないし、あえて言えば不愉快でもあります。

岡部氏の記事を抜きにしても、現在の世界でいちばん歪んでいるのはトランプ大統領で、いちばんまともなのはメルケル首相だと思います。世界のあちこちでトランプ的な指導者が大衆の支持を集めて勢力を得ているのは、人類が繰り返して犯す過ちの1つではないでしょうか。そういう時代に居合わせた私たちが不幸であるとしか、今は言いようがありません。(2018/11/05 10:27)

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